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カリウムの同位体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カリウムの同位体(カリウムのどういたい)は、24種類が知られている。そのうち、39K (93.3%)・ 40K (0.012%)・41K (6.7%)の3種類が天然に生成し普遍的に存在する。標準原子量は39.0983(1) uである。39K・41Kの2つは安定同位体であるが、40Kは1.250×109年と比較的長い半減期を持つ放射性同位体である。40Kは、そのほとんどが電子捕獲のみによって安定な40Ar(11.2%)に崩壊するか、もしくは安定な40Ca(88.8%)にベータ崩壊する。

40Kから40Arへの崩壊は、岩石の年代測定に利用できる。カリウム-アルゴン法による年代測定は、岩石は形成時にアルゴンを全く含んでおらず、岩石中で生成した40Arは全て岩石中に留まっているという仮定に基づいている。この測定法に適した鉱物には、黒雲母白雲母普通角閃石長石等がある。

年代測定以外にも、カリウムの同位体は、気象学や生物地球化学循環の研究のトレーサーとしても用いられる。

健康な動物や人間では、40Kは炭素1414C)以上の最大の放射線源である。体重70kgの人間では、1秒間に約4400個の40K原子核が崩壊している。

一覧

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同位体核種 Z(p) N(n) 同位体質量 (u) 半減期 核スピン数 天然存在比 天然存在比
(範囲)
励起エネルギー
32K 19 13 32.02192(54)# 1+#
32mK 950(100)# keV ? 4+#
33K 19 14 33.00726(21)# <25 ns (3/2+)#
34K 19 15 33.99841(32)# <40 ns 1+#
35K 19 16 34.988010(21) 178(8) ms 3/2+
36K 19 17 35.981292(8) 342(2) ms 2+
37K 19 18 36.97337589(10) 1.226(7) s 3/2+
38K 19 19 37.9690812(5) 7.636(18) min 3+
38m1K 130.50(28) keV 924.2(3) ms 0+
38m2K 3458.0(2) keV 21.98(11) µs (7+),(5+)
39K 19 20 38.96370668(20) STABLE 3/2+ 0.932581(44)
40K 19 21 39.96399848(21) 1.28(3)E+9 a 4- 0.000117(1)
40mK 1643.639(11) keV 336(12) ns 0+
41K 19 22 40.96182576(21) STABLE 3/2+ 0.067302(44)
42K 19 23 41.96240281(24) 12.360(12) h 2-
43K 19 24 42.960716(10) 22.3(1) h 3/2+
44K 19 25 43.96156(4) 22.13(19) min 2-
45K 19 26 44.960699(11) 17.3(6) min 3/2+
46K 19 27 45.961977(17) 105(10) s 2(-)
47K 19 28 46.961678(9) 17.50(24) s 1/2+
48K 19 29 47.965514(26) 6.8(2) s (2-)
49K 19 30 48.96745(8) 1.26(5) s (3/2+)
50K 19 31 49.97278(30) 472(4) ms (0-,1,2-)
51K 19 32 50.97638(54)# 365(5) ms 3/2+#
52K 19 33 51.98261(75)# 105(5) ms (2-)#
53K 19 34 52.98712(75)# 30(5) ms (3/2+)#
54K 19 35 53.99420(97)# 10(5) ms 2-#
55K 19 36 54.99971(107)# 3# ms 3/2+#

関連項目

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参考文献

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