カギヅメピンノ
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カギヅメピンノ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pinnotheres pholadis | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カギヅメピンノ |
カギヅメピンノ(Pinnotheres pholadis)は、十脚目カクレガニ科のカニ。カクレガニ科のなかではオオシロピンノと並んで日本でもっとも普通に見られる[1]。和名について、カギツメピンノとする文献もある[2]。
分布
[編集]東京湾、伊勢湾、長崎県、フィリピン、タイランド湾[3]。2003年には駿河湾からも報告された[4]。
形態
[編集]殻長13ミリ、殻幅13.5ミリ。甲殻は丸みを帯びた四角い形状で、前方に強く下垂する。額は下方に突き出し、上面からは見えない。第四歩脚は他の歩脚に比べ明らかに小さい。各歩脚の指節は短く、鋭い鉤爪を形成する[3]。
生態
[編集]二枚貝の外套腔に[5]片利共生する。宿主としてはバカガイ、シオフキ、アズマニシキ、ヒオウギガイ、イタヤガイ、マガキ、イタボガキ、イガイ、ムラサキイガイなどが知られている[6][5]。また、ウミタケに付着することもある[7]。1938年 - 1939年に柳川町(現・柳川市)で行われた調査によると、この地ではシオフキに対する本種の寄生頻度が極めて大きい(2月で38%、8月で66%)[8]。
潮間帯の二枚貝に共生するのみならず、水深約300メートルの海底[9]からも発見されている。東京海洋大学の神鷹丸が駿河湾の海底をドレッジで調査したところ、二枚貝を伴わず単独で採取された[4]。
出典
[編集]- ^ 『日本大百科全書』 5巻、小学館、1985年8月20日、83頁。ISBN 4-09-526005-X。
- ^ 『学研生物図鑑 水生動物』武田正倫(監修)、学習研究社、1983年、222頁。
- ^ a b 酒井 1942, p. 198-199.
- ^ a b 東京海洋大学 2003, p. 204.
- ^ a b 長澤 2012, p. 32.
- ^ 酒井恒『日本産蟹類』講談社、1976年、461頁。
- ^ 渡部哲也「力クレガニにみられる宿主特異性および生活史 ヒラピンノの場合」『Cancer』第22巻、Carcinological Society of Japan、2013年、46頁。
- ^ 三浦et al. 2014, p. 36.
- ^ 東京海洋大学 2003, p. 199.
参考文献
[編集]- 酒井恒『日本産蟹類圖説』三省堂、1942年5月25日。
- 長澤和也「日本産アサリの寄生生物目録(1906-2012年)」『日本生物地理学会会報』第67巻、2012年12月20日、25-40頁。
- 「第二部 神鷹丸航海調査報告 平成14年度(2002年度)相模湾調査航海報告」『航海調査報告』第13巻、東京海洋大学、2003年9月30日、197-207頁。
- 三浦知之、宇都宮美樹, 北嶋雄太, 富岡宏「海産甲殻類に寄生する等脚目エビヤドリムシ上科に関する宮崎県での初めての記録(予報)」『宮崎大学農学部研究報告』第60巻、2014年3月22日、29-39頁。