オーダーメイド
オーダーメイド (order-made、和製英語:order made、英語:bespoke tailoring、tailor-made) は、製品全般に対する受注生産や注文によって生産する商品、または生産工程を指す[注釈 1]。医学の分野において、二重まぶたのデザインを一人一人個別に行う際にも、オーダーメイドという表現が使われる場合もある[1]。
洋服
[編集]服飾業界では既製服であるレディメイドに対する用語としてテイラー(テーラーとも、仕立て屋の英訳)によって採寸・型取り・縫製された注文服を指す言葉として用いられる。
オーダーの種類(主としてスーツを念頭に)
[編集]オーダーには大きく分けて、パターンオーダー、イージーオーダー、フルオーダーがある。
パターンオーダーは、基本的なデザインが既にあり、サイズを注文者に合わせて製作するものである。方法として採寸はするが、メーカーにより誤差があるので実際のサイズ別見本スーツを試着してもらい、ボタンの種類、本切迫の数やステッチの色も指定出来る。
フルオーダーは、専用の型紙を起こして製作する。フルオーダーでは布帛を立体で身体にフィットさせる為、一般に途中で仮縫いが入る。
- 姿勢が反身気味の方は、タスキジワとツキジワが出るので、肩線で前身頃を長く、後身頃を短くする。
- 猫背屈身気味の方は、えり抜けと脇下前下りジワが出るので、肩線から前身頃を短く、後身頃を長くする。
- 肩線がなで肩の方は、えり抜けになるので、後ろ襟下を上に幅出しする。
- 怒り肩の方は、ツキジワが出るので後ろ襟下をカットする。
(えり抜けとは、後ろ襟下が下がり、シャツが少し見える事。ツキジワとは、背中に横ジワが出る事。タスキジワとは前身頃アームホールラインにシワがでる事。)
イージーオーダーはフルオーダーの簡易版であり、既存の型紙をベースにしつつ注文者の猫背、鳩胸などの体型に合わせた補正を加えて製作する。
また、ス・ミズーラと呼ばれるものがある。これは以上の3者と異なり、テーラーではなく特定のブランドに依頼するもので、そのブランドが考えるクラシカルなスタイルを基本としつつ、ディティールを注文者の自由とし、注文者の体型に合わせて製作するものである。
オーダースーツの市場推移
[編集]紳士服市場の縮小を打破する活路として、各社がオーダースーツ販売に力を入れている。[2][3][4]
株式会社オンワードパーソナルスタイルは、2019年~2022年のスーツ平均単価、購入金額・売上シェア構成比を比較・分析した結果を発表し、オーダースーツエントリーブランド「KASHIYAMA」において若年層はオーダースーツのスタンダード化が顕著なったと発表している。[5]
青山商事株式会社は、2023年10月から洋服の青山全店でオーダースーツブランド「Quality OrderSHITATE」を導入開始した。[6]
また、オーダースーツに関するアンケート調査では、28.2%がオーダースーツを購入した経験があると回答している。[7]
既製服との比較
[編集]洋服の既製服には服の大小やサイズを示すために号数表示がある。号数の多くは身長に応じた体格から平均的に算出した寸法で生産されている。そのため背丈に対して腕の長さを表す袖丈(そでたけ)や男性では首回(くびまわり)や胸囲、女性ではバスト、ウエストや股下の寸法比率などが決まっており、統計的に需要の多い体格に合わせた生産が行われている。号数はJISサイズに準拠した規格寸法ではあるが、製造メーカーにより若干の差異やばらつきがある。
既製品が合わないイレギュラーな体格である場合には、適時オーダーメイドで対応する。体の各部の採寸をし、なるべく平均的な身体に近付けるよう型紙の修正や補正を行い、布の裁断、縫製を行う。
注文服の場合は併せて、生地の選定、背広など上着なら襟の形状、袖口のデザイン、ボタンの数、ポケットのデザイン・数・位置、パンツ(ズボン、スラックス)ではタックの数、裾幅や形状、ポケット数や位置などを個々に選定する。ワイシャツなどは襟、袖の形状が数多く多様化した組み合わせが可能であり、体格に合わせた洋服を作ることができる。
基本サイズ表
[編集]男性の上着では体格のシルエットを文字で表現し、一般的なものではA体・B体・Y体のように呼ぶ。A体は箱形のシルエット、B体はAよりウエストの太いシルエット、Y体は逆三角形の痩せたシルエットをそれぞれ示す。
類義語
[編集]類義語には以下のようなものがある[8]。
- オーダーメイド
- セミオーダー
- パターンオーダー
- イージーオーダー
- テーラーメイド
- フルオーダー
- カスタムメイド
- ビスポーク
- メイド・トゥ・オーダー
- ワンオフ
関連項目
[編集]物品
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
物品におけるオーダーメイドは受注生産と注文生産に分類され、一般的には両者を混同して用いており、両者の明確な区分はない。
1つは生産体制が整っているが需要と供給のバランスが悪く、在庫や輸送などの観点から受注してから製造を始めて発送する物品、または在庫を少量抱えておき注文を受けてから発送するもの。他方は規格外の製品を新たに設計し、大量生産を前提としない一品生産を行い製造・発送するもの。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 英語圏の英語では「tailor made」、「custom made」、「bespoke」と呼ばれることもある。
出典
[編集]- ^ “切らない二重術(二重埋没法) | 浦和駅から徒歩1分の美容医院 | OZI SKIN CLINIC”. www.ozi-skin.com. 2021年11月26日閲覧。
- ^ “紳士服市場の縮小を打破する活路に? 専門店がいま「オーダースーツ」に注力する意味”. ORICON NEWS (2022年3月19日). 2023年12月20日閲覧。
- ^ f-teshiba (2022年8月29日). “脱スーツではなく、スーツ注力で黒字化!青山商事、業績回復引っ張るオーダースーツ戦略とは _小売・流通業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】”. 小売・流通業界で働く人の情報サイト_ダイヤモンド・チェーンストアオンライン. 2023年12月20日閲覧。
- ^ “オーダースーツ、着々と市場拡大”. 日本経済新聞 (2023年12月14日). 2023年12月20日閲覧。
- ^ “【コロナ禍におけるスーツ市場のトレンド変化】中年層は高価格帯のスーツ人気、若年層はオーダースーツのスタンダード化が顕著に!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2022年8月26日). 2023年12月20日閲覧。
- ^ “洋服の青山、ここ一番での「勝負スーツ」となる 本格オーダースーツブランド全店導入”. 青山商事株式会社. 2023年9月28日閲覧。
- ^ admin (2023年1月11日). “【オーダースーツ購入は男性で約4割】2023年スーツに関するアンケート調査”. CUSTOM FASHION MAGAZINE(カスタムファッションマガジン). 2023年12月20日閲覧。
- ^ “オーダーメイドとセミオーダーの違いは?用語の意味まとめ”. グッドベット株式会社. 2021年3月29日閲覧。