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オククルマムグラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オククルマムグラ
福島県会津地方 2019年6月下旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: リンドウ目 Boraginales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : アカネ亜科 Rubioideae
: ヤエムグラ属 Galium
: オククルマムグラ
G. trifloriforme
学名
Galium trifloriforme Kom.[1]
和名
オククルマムグラ(奥車葎)[2][3]

オククルマムグラ(奥車葎、学名Galium trifloriforme)は、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属多年草[2][3][4]。別名、チョウセンクルマムグラ[1]

特徴

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は叢生し、直立または斜上し、高さは20-50cmになり、4稜があり、稜上に下向きの刺状毛が散生する。はふつう6個が輪生し、各輪が隔たって茎につく。葉身は長さ2.5-4cm、幅0.7-1cm、長楕円形で、先はやや円く中央脈の先のみが短くとがり、基部にはごく短い葉柄があり、縁に毛が生える。葉質はやわらかく、裏面中脈に下向きの刺状毛が散生する。これらの輪生する葉は、対生する本来の2個の葉と、残りの4個の、葉と同形の托葉となる[2][3][4][5]

花期は6-7月。茎先に1-3個の集散花序を出し、数個から10数個のをつける。花柄は太く、2-3回二又に分枝し、筒は半球形で分果の中間部分に相応する部分を除き長毛が生える。花冠は杯形で、径2-3mm、白色で先は4裂し、筒部はない。雄蕊は4個ある。子房は2室に分かれ、各室に1個の胚珠がある。花柱は2裂する。果実は径2-2.5mmで2個の分果からなり、各分果に1個の種子がある。分果には鉤状の毛が密生する[2][3][4]

同属のクルマムグラ G. japonicum に似るが、同種は乾燥すると黒色に変色し、クマリン芳香がある[3]。本種は乾燥しても黒色にはならず、緑色を保つか褐色になる[6]

分布と生育環境

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日本では南千島、北海道、本州、四国、九州に分布し、深山の林中の湿った場所に生育する[2][3][4]。世界では、朝鮮半島中国大陸(北部、東北部)、サハリンに分布する[4]

名前の由来

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和名オククルマムグラは「奥車葎」の意で、奥地に多く、輪生する葉の様子を「車」に見立てたもの[2][3]。植物学者の奥山春季 (1935) による命名で、同属のクルマムグラ G. japonicum に対応する和名がつけられた[6]。ムグラ(葎)は、草むら、藪の意味がある[7]

種小名(種形容語)trifloriforme は、「三花をつける形」の意味[8]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b オククルマムグラ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.389
  3. ^ a b c d e f g 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.973
  4. ^ a b c d e 内貴章世 (2017)「アカネ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』p.274
  5. ^ 『新北海道の花』p.103
  6. ^ a b 奥山春季「Galium 属三種ノ記」, The Journal of Japanese Botany, 『植物研究雑誌』Vol.11 No.11, pp.786-789 (1935)
  7. ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 春』pp.324-325
  8. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1517

参考文献

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