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オエノンホールディングス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オエノンホールディングス株式会社
Oenon Holdings,Inc.
種類 株式会社
市場情報
東証プライム 2533
1949年5月16日上場
略称 オエノンHD
本社所在地 日本の旗 日本
130-0005
東京都墨田区東駒形一丁目17番6号
設立 1924年10月31日
(合同酒精株式会社)
業種 食料品
法人番号 2010001034770 ウィキデータを編集
事業内容 焼酎製造の子会社を束ねる持株会社
代表者 代表取締役社長 西永裕司
取締役会長 長井幸夫
資本金 69億4600万円
(2019年12月31日現在)
発行済株式総数 6558万6196株
(2019年12月31日現在)
売上高 連結754億44百万円
2019年12月期)
純資産 連結218億40百万円
(2019年12月31日現在)
総資産 連結525億68百万円
(2019年12月31日現在)
従業員数 連結906名、単独46名
(2019年12月31日現在)
決算期 12月31日
主要株主 THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LTD - SINGAPORE BRANCH PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C8221-563114 13.26%
第一生命保険 5.08%
みずほ銀行 4.05%
(2019年12月31日現在)
主要子会社 合同酒精株式会社
関係する人物 神谷傳兵衛(創業者)
外部リンク https://www.oenon.jp/
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合同酒精株式会社
GODO SHUSEI CO., LTD.
種類 株式会社
略称 合同酒精、ゴードー
本社所在地 日本の旗 日本
130-0005
東京都墨田区東駒形一丁目17番6号
本店所在地 271-0064
千葉県松戸市上本郷250番地
設立 2003年(平成15年)7月1日
業種 食料品
法人番号 8010001083622
事業内容 酒類・食品、酵素・医薬品の製造販売
代表者 代表取締役社長:西永裕司
資本金 20億円
売上高 555億2900万円
(2022年12月31日時点)[1]
営業利益 ▲17億0600万円
(2022年12月31日時点)[1]
経常利益 ▲16億3300万円
(2022年12月31日時点)[1]
純利益 ▲17億0100万円
(2022年12月31日時点)[1]
総資産 313億7400万円
(2022年12月31日時点)[1]
主要株主 オエノンホールディングス 100%出資
外部リンク https://www.oenon.jp/
特記事項:(旧)合同酒精株式会社が持株会社に移行して「オエノンホールディングス株式会社」と商号を変更したのに設立された2代目法人。
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オエノンホールディングス株式会社: Oenon Holdings, Inc.)は、焼酎などの製造で知られる合同酒精株式会社(ごうどうしゅせい)を母体とする持株会社東京証券取引所プライム市場上場。

概要

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オエノングループは、神谷傳兵衛を創業者として位置づけている[2]。東京浅草で酒場(のちの神谷バー)を経営していた神谷は、1900年に北海道旭川で日本酒精製造株式会社を創業、1903年に茨城県牛久にシャトーカミヤ(現在の牛久シャトー)を開いて酒類生産に乗り出した[2]。1924年、北海道内で焼酎を製造していた他3社とともに合同酒精株式会社を設立した[2]

第二次世界大戦後は多くの酒類メーカーを買収して事業を拡大[2][注釈 1]。2003年に持株会社制に移行、(旧)合同酒精株式会社がオエノンホールディングス株式会社に社名変更するとともに、事業部門を(新)合同酒精株式会社として分割した。「オエノン」は、全てを酒に変えるギリシャ神話の女神「オエノ[注釈 2]をバイオ技術の象徴とし、多角化(「オン」)を目指す意味としている[3]

2003年頃からの本格焼酎ブームに乗り、1992年に北海道の地焼酎として発売した紫蘇焼酎「鍛高譚」(たんたかたん)を全国的にヒットさせるなど、地道な商品展開でも知られている[4]

源流である北海道や、工場を置く青森県静岡県などで地域限定商品を持つほか、九州大学農学研究院芋焼酎『いも九』を共同開発し、製造している。

沿革

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前史

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創業者・神谷傳兵衛は、若いころに横浜でフランス人経営の酒類製造所で働いたことを契機に、ぶどう酒と酒精を生涯の事業とした人物である[5]。1880年に東京府東京市浅草区浅草花川戸町(現・東京都台東区浅草)に「みかはや銘酒店」(のちの神谷バー)を開業した[2]

1900年、神谷傳兵衛は人見寧雨宮綾太郎とともに[5]北海道旭川市に日本酒類製造株式会社を設立[2]。ドイツからエタノールを製造する機械類(イルゲス式連続蒸留機[6]など)を輸入し、技師も招いた[5]。工場の稼働は1902年という[5]。当初得られたアルコール92~93%で収率は悪かったが、日本で初めて90%以上のアルコールを生産したものと評価されている[5]。ドイツ人技師の帰国後、関係者の苦心によって予定していた成果を得られたものの[5]、税制上の不利(国産アルコールは輸入品よりも不利な制度であった)や設備・技術上の問題、馬鈴薯価格の高騰などの影響から[5]、日本酒類製造株式会社は解散することとなった[5]。1903年に神谷傳兵衛は、解散した日本酒類製造を引き継いで合資会社神谷酒造を設立[5]する。税と価格の問題から、製品がさばけるようになったのは1904年からであった[5]。神谷は、税収の確保と産業の振興の双方の観点をはかりつつ、業界を代表する形で行政と政治に対する交渉を行った[5]

神谷は旭川でジャガイモデンプン原料の低コストな焼酎生産を企図したが、当時の税制による規制で実現は遅れ、1919年の法改正でジャガイモ原料の焼酎生産が可能となった。

合同酒精の設立

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1924年10月31日、北海道内の焼酎製造会社4社(神谷酒造株式会社旭川工場・東洋酒精醸造株式会社・北海道酒類株式会社・北海酒精株式会社)が合併し、北海道旭川市に合同酒精株式会社を設立。東洋酒精醸造・北海道酒類・北海酒精は、神谷に続きジャガイモデンプン原料焼酎の北海道内生産を企画した第一次世界大戦後の後発小規模メーカーであった。不況による3社の経営不振を銀行・酒類卸の介入により企業合同で対処しようとした矢先、神谷酒造が関東大震災で経営難に陥ったことから、神谷酒造も加えた4社合同で経営再建を図ったものである。

年表

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  • 1880年 - 神谷傳兵衛が東京・浅草に「みかはや銘酒店」を開業(後の神谷バー[2]
  • 1881年 - 「蜂印香竄葡萄酒」を発売
  • 1893年 - 「電気ブラン」を発売。
  • 1900年 - 北海道旭川市に日本酒類製造株式会社を設立(後の合同酒精旭川工場)[2]
  • 1903年11月 - 神谷傳兵衛、日本酒類製造を引き継ぐ合資会社神谷酒造を設立[5]
  • 1923年 - 関東大震災により神谷の東京側拠点は甚大な被害を受ける。
  • 1924年10月31日 - 北海道内の焼酎製造会社4社(神谷酒造株式会社旭川工場・東洋酒精醸造株式会社・北海道酒類株式会社・北海酒精株式会社)が合併し、北海道旭川市に合同酒精株式会社を設立。
  • 1936年 - 合同酒精、宝酒造大日本酒類醸造[注釈 3]の3社で「協和会」を発足させる[5]。翌年法人化して日本共商(のちに協和発酵工業、現在の協和キリン)となる[5]
  • 1939年 - 梅酒「鶯宿梅」を発売。
  • 1940年 - 浅草の株式会社神谷傳兵衛本店が、神谷酒造株式会社に改称[2]
  • 1946年 - 合同酒精株式会社が、東北アルコール工業株式会社を合併し、八戸工場とする(2013年廃止)[2]
  • 1948年 - 子会社として 旭商会株式会社を設立(1994年に牛久シャトーガーデンに商号変更)、シャトーカミヤ(のちの牛久シャトー)の営業開始[2]
  • 1949年 - 合同酒精株式会社が、東京証券取引所に上場[2]
  • 1955年 - 合同酒精株式会社が、葵酒造株式会社を合併し、清水工場とする[2]
  • 1956年 - 合同酒精株式会社が、菊美酒造株式会社を合併し、東京工場とする[2]
  • 1960年
    • 3月 - 子会社として、旭川酒類容器株式会社を設立[2]
    • 10月 - 合同酒精株式会社が、浅草の神谷酒造株式会社を合併し、吾妻橋洋酒工場とする[2]
    • 10月 - 東京都中央区に東京事務所新社屋を建設[2]
  • 1961年
    • 製菓用洋酒「ネプチューン」を発売。
  • 12月 - 合同酒精株式会社が、太陽醸造株式会社を合併し、芝浦工場とする[2]
  • 1963年
    • 6月 - 本店所在地を北海道旭川市から東京都中央区に移転[2]
    • 千葉県松戸市に新たな東京工場を建設。(旧)東京工場・吾妻橋洋酒工場・芝浦工場を集約する[2]
  • 1964年
    • 1月 - 東京工場敷地内に中央研究所を建設(現在の酵素医薬品研究所)[2]
    • 3月 - 西宮酒精株式会社(1975年11月ゴードー興産株式会社に商号変更)の株式を取得し、西宮工場とする(2000年12月廃止)[2]
  • 1966年 - 清酒の生産を開始[8]
  • 1968年 - 株式会社サニーメイズを設立(現在は子会社)[2]
  • 1970年3月 - 八戸工場内に酵素工場を建設(現在は酵素医薬品工場)[2]
  • 1979年
    • 10月 - 子会社として、ゴードー倉庫株式会社を設立[2]
    • 11月 - 子会社として、株式会社ワコーを設立[2]
  • 1986年 - 甲類焼酎「ビッグマン」を発売。
  • 1991年 - 雪印乳業(後の雪印メグミルク)と提携を結ぶ[2]
  • 1992年 - 清酒「大雪乃蔵」[8]、しそ焼酎「鍛高譚」を発売。
  • 1997年 - 子会社として、みちのく食品株式会社を設立[2]
  • 1998年
    • 6月 - 子会社として、株式会社大雪乃蔵を設立(2012年解散)[2]
    • 11月 - 子会社として、株式会社ゴードーアセットコーポレーション(後の株式会社オエノンアセットコーポレーション)を設立[2]
  • 2000年 - 山信商事株式会社の株式を取得し傘下とする[2]
  • 2001年1月 - 福徳長酒類株式会社と子会社であった秋田県醗酵工業株式会社が同社の傘下に入る[2]
  • 2002年10月 - 子会社のゴードー倉庫株式会社とゴードー興産株式会社が合併し、ゴーテック株式会社に商号変更[2]
  • 2003年
    • 7月1日 - 持株会社制に移行。(旧)合同酒精株式会社はオエノンホールディングス株式会社に社名変更。同時に事業部門を(新)合同酒精株式会社として分割[2]
    • 7月 - 富久娘酒造株式会社の株式を取得、グループ傘下に入る[2]
  • 2007年3月 - 北の誉酒造株式会社と子会社であった越の華酒造株式会社が傘下に入る[2]
  • 2016年1月 - 合同酒精株式会社が、北の誉酒造株式会社を吸収合併。
  • 2018年
    • 1月 - 富久娘酒造株式会社が、オエノンプロダクトサポート株式会社に商号変更。
    • 12月 - 越の華酒造株式会社を解散。
  • 2019年
    • 10月 - 合同酒精株式会社が、山信商事株式会社を吸収合併。
    • 11月 - 本社を東京都墨田区へ移転[2]

グループ企業

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現在

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過去

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合同酒精の事業所

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本社・東京支店
本店・関信越支店・東京工場
北海道支社
北東北支店・酵素医薬品工場
仙台支店
横浜支店
静岡支店・清水工場
名古屋支店
大阪支店
中四国支店
福岡支店
旭川工場
  • 〒078-8334 北海道旭川市南4条通20-1955
苫小牧工場

合同酒精の主要商品

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  • 清酒
    • 富貴(旧合同酒精)
    • 大雪乃蔵
    • 北の誉(旧北の誉酒造)
  • 合成清酒
  • 甲類焼酎
    • ゴードー(旧合同酒精)
    • ビッグマン(旧合同酒精・主に北海道で販売)
  • 乙類焼酎
    • きたのゆめ
    • おつな麦
    • ぴりか伝説
  • 甲類乙類混和焼酎
    • 鍛高譚
    • すごむぎ
  • チューハイ
    • 直球勝負
    • 瓶チュー
  • 甘味果実酒
    • ハチブドー酒
    • 香竄葡萄酒
  • ウイスキー
    • 香薫
    • 無銘
  • リキュール
  • 梅酒
    • 鶯宿梅
  • 製菓用洋酒
    • ネプチューン
  • 食品
    • 本みりん富貴

ほか

受賞歴

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全国新酒鑑評会

平成14酒造年 - 29酒造年[9]

  • 「大雪乃蔵」金賞受賞 - 平成29年受賞

CM出演者

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提供番組

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現在
過去

脚注

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注釈

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  1. ^ 21世紀に入って以後も、福徳長酒類(旧森永製菓系列だった)や、秋田県の酒類メーカー・秋田県醗酵工業(旧独立系だったが森永醸造(現在の福徳長酒類)と資本提携した後に同じく買収された)、富久娘酒造(旧旭化成系列だった)などを買収した。
  2. ^ ギリシャ神話に登場するオエノデュオニソスによって大地からワインを得る力を与えられた女神である。
  3. ^ 大日本酒類醸造は、1914年に現在の北九州市門司区に設立された大里酒精製造所から発展した企業。企業の系譜としては協和発酵工業を経て協和キリンにつながる。工場は現在はニッカウヰスキーの門司工場となっている[7]

出典

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  1. ^ a b c d e 合同酒精株式会社 第20期決算公告
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak 沿革”. オエノングループ. 2021年10月6日閲覧。
  3. ^ 商号オエノンの由来”. オエノングループ. 2021年10月6日閲覧。
  4. ^ 食品ヒット大賞特集:優秀ヒット賞=しそ焼酎 鍛高譚 日本食料新聞 2004/02/25 (09283号)
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n 石川不二夫 2007, p. 5.
  6. ^ 石川不二夫 2007, p. 9.
  7. ^ ビール&発酵 鈴木商店大里コンビナートの一員として”. 鈴木商店記念館. 2021年10月11日閲覧。
  8. ^ a b 大正~昭和の旭川と酒蔵”. 旭川酒販協同組合. 2021年10月11日閲覧。
  9. ^ 独立行政法人 酒類総合研究所 -「全国新酒鑑評会 入賞酒一覧表」

参考文献

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  • 石川不二夫「バイオエタノール産業を興した明治・大正・昭和の人達」『近代日本の創造史』第4巻、近代日本の創造史懇話会、2007年。doi:10.11349/rcmcjs.4.3 

外部リンク

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