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エリグルスタット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エリグルスタット
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Cerdelga
法的規制
データベースID
CAS番号
491833-29-5
ATCコード A16AX10 (WHO)
PubChem CID: 23652731
ChemSpider 28475348
KEGG D09893
ChEBI CHEBI:82752en:Template:ebicite
化学的データ
化学式C23H36N2O4
分子量404.543 g/mol
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エリグルスタット(Eliglustat)はグルコシルセラミド合成酵素阻害剤であり、ゴーシェ病の症状改善に用いられる。商品名サデルガ。2014年8月に米国で[1]、2015年2月に欧州で[2]、2015年3月に日本で[3]承認を取得した。

通常、酒石酸として用いられ、グルコシルセラミド合成酵素英語版の働きを阻害して効果を発揮すると考えられている[4][5]

効能・効果

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ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫および骨症状)の改善[6]

なお、神経症状に対する効果は期待できない。ゴーシェ病II型およびIII型に対する使用経験はない。

投与に先立ってCYP2D6遺伝子型の確認が必要である。CYP2D6の活性が低い患者については、投与量の減量が必要である。

禁忌

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  • CYP2D6の活性が通常程度である患者で、CYP2D6阻害剤[注 1]とCYP3A阻害剤[注 2]を投与中の患者
  • CYP2D6の活性が低い患者で、CYP3A阻害剤を投与中の患者
  • CYP2D6の活性が欠損している患者で、CYP3A阻害剤を投与中の患者
  • QT延長のある患者
  • 抗不整脈薬の内、Ia群またはIII群あるいはベプリジルを投与中の患者
  • 製剤成分に過敏症を有する患者
  • 妊婦または妊娠している可能性のある婦人

副作用

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添付文書に記載されている重大な副作用は、失神(1%未満)である。

5%以上の患者に頭痛が発生する。

エリグルスタットの血中濃度が大幅に上昇した場合、QT間隔、PR間隔、QRS間隔の延長のおそれがある。

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出典

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  1. ^ FDAがジェンザイム社のCerdelgaTM(エリグルスタット酒石酸塩)カプセルを承認”. ジェンザイム・ジャパン (2014年8月29日). 2015年6月22日閲覧。
  2. ^ 欧州委員会(European Commission)がジェンザイム社のゴーシェ病経口治療薬、Cerdelga(一般名:エリグルスタット酒石酸塩)の販売承認を発表”. ジェンザイム・ジャパン (2015年2月16日). 2015年6月22日閲覧。
  3. ^ ゴーシェ病に対する初めての経口治療薬「サデルガカプセル100mg」の製造販売承認取得について”. ジェンザイム・ジャパン (2015年3月26日). 2015年6月22日閲覧。
  4. ^ Lee, L.; Abe, A.; Shayman, J. A. (21 May 1999). “Improved Inhibitors of Glucosylceramide Synthase”. Journal of Biological Chemistry 274 (21): 14662–14669. doi:10.1074/jbc.274.21.14662. 
  5. ^ Shayman, JA (Aug 1, 2010). “ELIGLUSTAT TARTRATE: Glucosylceramide Synthase Inhibitor Treatment of Type 1 Gaucher Disease.”. Drugs of the future 35 (8): 613–620. PMID 22563139. 
  6. ^ サデルガカプセル100mg 添付文書” (2016年7月). 2016年7月4日閲覧。