エイモス・リー
エイモス・リー(Amos Lee,1978年 - )は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のシンガーソングライター、ギタリストである。その音楽スタイルにはフォークやソウル、ジャズなどが含まれる。ブルーノートから3つのアルバム "Amos Lee" と "Supply and Demand""Last Days at the Lodge" を発表。ボブ・ディランやエルヴィス・コステロ、ノラ・ジョーンズ、ポール・サイモン、マール・ハガードらのツアーに参加した経験がある。音楽的にスティービー・ワンダーやジョン・プライン、ビル・ウィザース、ジェームス・テイラーといったミュージシャンの影響を受けている。
前半生
[編集]彼はペンシルベニア州フィラデルフィアとニュージャージー州チェリーヒルで育ち、チェリーヒル・ハイスクール・イーストを卒業した[1]。1995年にサウスカロライナ大学に入学し、英語学士を取得し卒業した。在学中、リーは継父からアコースティックギターを受け取った。また彼はジャズ専門のレコードショップで働き始め、セロニアス・モンクやマイルス・デイヴィスを好むようになった[2]。大学卒業後は小学校の教師になるためフィラデルフィアに戻ったが、のちに音楽活動に専念するため教職は辞した。2003年に自主制作で5曲入りのEPを発表し、その後すぐにブルーノートと契約した。そのEPはフィラデルフィアにおいて高い売上を記録し、ノラ・ジョーンズに注目された。ノラ・ジョーンズは彼に2004年のツアーに参加するように要請した。
ミュージシャンとしての経歴
[編集]デビュー・アルバム
[編集]ノラ・ジョーンズのバンドのベーシストであったリー・アレクサンダーのプロデュースによって、エイモス・リー自身の名を冠したデビュー・アルバムが制作され、2005年3月にリリースされた。いくつかの曲にはノラ・ジョーンズも参加し、ピアノの演奏やヴォーカルを披露した。このアルバムは商業的にも大きな成功を収め、ビルボードの "Top Heatseekers" チャートでは最高位2位を記録した[3]。その月の終わりごろには『ローリング・ストーン』誌の「注目のアーティスト・トップ10」にリーの名が挙げられた[2]。アルバムのプロモーションとして、リーは 『レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』 、 『ザ・トゥナイト・ショー』 、 『トータル・リクエスト・ライブ』、『Austin City Limits』といった人気テレビ番組に次々と出演した[4]。後者は2005年8月10日の放送だが、その年の11月11日にはPBSで再放送された。2005年の3月と4月、リーはマール・ハガードとボブ・ディランの前座を務めた。リーの曲 "Colors" はテレビドラマ『House』[5]や『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』[6]第2シーズンの最終回などで使用された。この曲はリース・ウィザースプーン、マーク・ラファロ主演の映画『恋人はゴースト』(2005年)にも用いられた。リーの曲 "Colors" と "Sympathize" はABCのテレビシリーズ "Brothers & Sisters" 第1シーズンの挿入歌にもなっている。さらに "Shout Out Loud" や "Keep It Loose, Keep It Tight" がABCのドラマシリーズ "Six Degrees" で、後者の曲はNBCの "Studio 60" でも使用されている。NBCはさらに人気ドラマ番組『ER緊急救命室』のある回でもリーの "Seen It All Before" を利用している。
"Supply and Demand"
[編集]リーの2枚目のアルバム "Supply and Demand" は2006年10月3日にアメリカでリリースされた。このアルバムはナタリー・マーチャントのベーシスト、バリー・マグワイアによってプロデュースされ、ビルボード・トップ200チャートで76位に達した。収録曲 "Freedom" では、ジャズ・シンガーのリズ・ライトがバック・ヴォーカルとして参加している。このアルバムからの最初のシングルは "Shout Out Loud" である[7]。このアルバムのプロモートのため、2006年9月28日には 『ザ・トゥナイト・ショー』に出演した。収録曲 "Skipping Stone" が『ER緊急救命室』2007年2月8日放送の回( "Dying is Easy" )で演奏された。2007年12月にはAT&TのテレビCMに "Sweet Pea" が使用されている。
ライヴ録音
[編集]2006年の夏、エイモス・リーは38組のアーティストが出演した音楽ドキュメンタリー "Live from Abbey Road" のためにアビー・ロード・スタジオでライヴ・セッションを録音した。彼の演奏はランディ・クロフォードやジョー・サンプル、デヴィッド・ギルモアらが出演したのと同じ回で、アメリカのSundance Channelやイギリスのチャンネル4などで放映された。ラジオ局 KCRW からデジタルで入手可能な短いライヴ録音もあり、1つは2005年11月に、もう1つは2007年3月にリリースされた。
ディスコグラフィー
[編集]アルバム
- Amos Lee(2005年3月1日)
- Supply and Demand(2006年10月3日)
- Last Days at the Lodge(2008年)
- Mission Bell(2011年)
- Mountains Of Sorrow, Rivers Of Song(2013年)
- Spirit(2016年)
- My New Moon(2018年)
- Dreamland(2022年)
EP
脚注
[編集]- ^ Moon, Tom. "Philadelphia's emerging musical talents", The Philadelphia Inquirer, January 26, 2003. 2007年10月17日閲覧. "Lee, 25, grew up in South Philadelphia and Cherry Hill (he's A Cherry Hill East graduate)..."
- ^ a b Gitlin, Lauren (March 10, 2005.). “10 Artists to Watch: Amos Lee”. Rolling Stone
- ^ “Top Heatseekers”. Billboard. (June 10, 2006.)
- ^ “Internet Movie Database: Amos Lee”. 2006年10月3日閲覧。
- ^ “play.house” (英語). 2006年10月1日閲覧。
- ^ “ABC.com Grey's Anatomy: Music Guide”. 2006年10月1日閲覧。
- ^ “Amos Lee - Music”. 2006年10月1日閲覧。
外部リンク
[編集]- エイモス・リー オフィシャルサイト(英語)
- エイモス・リー オフィシャルサイト(日本語) - ウェイバックマシン(2005年2月24日アーカイブ分)
- ブルーノートによるサイト