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ウーリーモンキー属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウーリーモンキー属
フンボルトウーリーモンキー
フンボルトウーリーモンキー
Lagothrix lagotricha
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
: クモザル科 Atelidae
亜科 : クモザル亜科 Atelinae
: ウーリーモンキー属 Lagothrix
学名
Lagothrix É. Geoffroy 1812[1][2]
タイプ種
Simia lagotricha Humboldt, 1812[3]
和名
ウーリーモンキー属[2][4]

ウーリーモンキー属(ウーリーモンキーぞく、Lagothrix)は、哺乳綱霊長目クモザル科に分類される属。

分布

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エクアドルコロンビアブラジルペルーベネズエラボリビア北部

形態

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体長39-65cm。尾長41-77cm。体重5-8kg。メスよりもオスの方が大型になる。全身は短い灰色や暗緑色、黒の体毛で密に覆われる。属名Lagothrixは「ウサギの毛」の意[2]

頭部は特に体毛が密集する。小型の第1指がある[2]

分類

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以前は以下の2種で本属を構成していた[2]。分類・和名・英名は、岩本 (1988) に従う[2]

2001年にヘンディーウーリーモンキーを独立した属Oreonaxに分類し、コモンウーリーモンキーの亜種を独立した種として分割する説が提唱された[1]。以下の分類・和名・英名は、日本モンキーセンター霊長類和名リスト(2018)に従う[4]

一方で2014年にはミトコンドリアDNAのCOI・COII遺伝子を用いた分子系統解析から、ヘンディーウーリーモンキーの属やコモンウーリーモンキーの種としての分割を認めない説も提唱されている[5]。以前の分類や2014年の研究ではコモンウーリーモンキーは4亜種(2001年の分類における4種)を含むとされたが、2005年の分類ではハイイロウーリーモンキーの亜種としてL. c. tschudiiが認められており[1]、2019年の研究でもコモンウーリーモンキーの亜種としてL. l. tschudiiを認める説も提唱されている[6]

生態

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熱帯雨林等に生息する。樹上棲で、森林の上層部で生活する。昼行性。複数の雌雄が混じった10-20頭程の小規模な群れを形成して生活する。オマキザル科の他種と混群を形成することもある。

食性は植物食で、主に果実を食べるが植物の葉、種子等も食べる。

決まった繁殖時期時期はない。 メスは12日から49日ほどの発情周期がある。 1回の出産で1子。

人間との関係

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生息地では食用とされることもある。開発による生息地の破壊や、食用の狩猟等により生息数は減少している。

日本では2021年の時点でラゴトリクス属(ウーリーモンキー属)単位で特定動物に指定されており、2019年6月には愛玩目的での飼育が禁止された(2020年6月に施行)[7]

出典

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  1. ^ a b c Colin P. Groves, "Order Primates," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 111 - 184.
  2. ^ a b c d e f 岩本光雄「サルの分類名(その5:オマキザル科)」『霊長類研究』第4巻 1号、日本霊長類学会、1988年、83 - 93頁。
  3. ^ José E Serrano-Villavicencio, Sam Shanee, Víctor Pacheco, Lagothrix flavicauda (Primates: Atelidae), Mammalian Species, Volume 53, Issue 1010, American Society of Mammalogists, 2021, Pages 134–144.
  4. ^ a b 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2018年11月版」(公開日2018年12月16日・2021年8月1日閲覧)
  5. ^ Manuel Ruiz-García, Myreya Pinedo-Castro and Joseph Mark Shostell, “How many genera and species of woolly monkeys (Atelidae, Platyrrhine, Primates) are there? The first molecular analysis of Lagothrix flavicauda, an endemic Peruvian primate species,” Molecular Phylogenetics and Evolution, Volume 79, Elsevier, 2014, Pages 179-198.
  6. ^ Manuel Ruiz-García, Aymara Albino, Myreya Pinedo-Castro, Horacio Zeballos, Aurita Bello, Norberto Leguizamon and Joseph Mark Shostell, “First Molecular Phylogenetic Analysis of the Lagothrix Taxon Living in Southern Peru and Northern Bolivia: Lagothrix lagothricha tschudii (Atelidae, Primates), a New Subspecies,” Folia Primatologica, Volume 90, Issue 4, Brill, 2019, Pages 215-239.
  7. ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理)環境省・2021年8月1日に利用)
  • 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、29頁。
  • 伊谷純一郎監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科3 霊長類』、平凡社1986年、52-57、61頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 動物』、小学館2002年、136頁。

関連項目

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