コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ウミツバメ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウミツバメ科
チリーウミツバメ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ミズナギドリ目 Procellariiformes
: ウミツバメ科 Hydrobatidae
学名
Hydrobatidae Mathews1913
和名
ウミツバメ(海燕)
英名
Storm Petrels
Storm‐Petrels

ウミツバメ科(うみつばめか、学名 Hydrobatidae)は、鳥類ミズナギドリ目の科である。

ウミツバメ(海燕)と総称される[1]。全ての和名が「○○ウミツバメ」の形だが、スズメ目ツバメとは近縁ではない。

特徴

[編集]

分布

[編集]

北極海を除く全世界の海域に分布する。

形態

[編集]

全長は13–25cm[1]。上面は暗褐色や黒色の種が多い。

の上に管状の鼻が目立つ。嘴は鉤状に尖る。

生態

[編集]

非繁殖期は海上で過ごす。

海面すれすれを飛びながら、海面近くの小魚イカなどの軟体動物プランクトンなどを嘴でつかみとって捕食する。

コロニー(集団営巣地)を形成して繁殖する。地上に1個を産み、抱卵期間は40–50日である。卵は体に比べて大きい(雌の体重の25%にも及ぶことがある)。

系統と分類

[編集]

系統樹の科間は hackett et al. (2008)[2]、科内は Penhallurick & Wink (2004)[3]より。

ミズナギドリ目

アホウドリ科 Diomedeidae

ミズナギドリ科 Procellariidae

モグリウミツバメ科 Pelecanoididae

ウミツバメ亜科

ヒメウミツバメ Hydrobates

ウミツバメ属 Oceanodroma*

アシナガウミツバメ亜科

アシナガウミツバメ属 Oceanites

ヒメアシナガウミツバメ Garrodia

カオジロウミツバメ Pelagodroma

シロハラウミツバメ属 Fregetta

ノドジロウミツバメ Nesofregetta

ウミツバメ科は、北半球を中心に生息するウミツバメ亜科 Hydrobatinae と、南半球を中心に生息するアシナガウミツバメ亜科 Oceanitinae の2亜科に分かれる[4]。これらはいずれも単系統だが、これらを合わせたウミツバメ科が単系統をなすかは疑わしい。アシナガウミツバメ科 Oceanitidae を分離する説もある。

ウミツバメ亜科の大半を占めるウミツバメ属 Oceanodroma は、ヒメウミツバメ Hydrobates を内包する側系統であり、属の再編が必要である。しかし、ウミツバメ属の模式種ハイイロウミツバメ Oceanodroma furcata とヒメウミツバメが同属とされる程度に近縁であり、属名 Hydrobates のほうに先取権があるため、属名 Oceanodroma はジュニアシノニムとなり使えなくなる。そのため、ウミツバメ属全体をヒメウミツバメ属に含める提案[5]や、HydrobatesCymochoreaHalocyptenaThalobata の4属に再編する提案[6]があるが、系統関係が不確実なためもあり、広く認められた新分類はまだない。

属と種

[編集]

現生種は国際鳥類学会議 (IOC)[7]より。ただし絶滅種を加え、亜科に分類した。和名は厚生労働省[8]などより。

7属23種が現生。

アシナガウミツバメ亜科

[編集]

ウミツバメ亜科

[編集]

文化

[編集]

ロシア文学者マキシム・ゴーリキー作の自由詩海燕の歌』がある。

出典

[編集]
  1. ^ a b 長谷川博, “ウミツバメ”, 日本大百科全書, Yahoo!百科事典, 小学館, http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%83%84%E3%83%90%E3%83%A1/ 
  2. ^ Hackett, S.J.; Kimball, R.T.; Reddy, S.; Bowie, R.C.K.; Braun, E.L.; Braun, M.J.; Chojnowski, J.L.; Cox, W.A. et al. (2008), “A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History”, Science 320 (5884): 1763–1768 
  3. ^ J., Penhallurick; Wink, M. (2004), “Analysis of the taxonomy and nomenclature of the Procellariiformes based on complete nucleotide sequences of the mitochondrial cytochrom b gene”, Emu 104: 125–147 
  4. ^ Remsen, J.V.; Cadena, C.D.; Jaramillo, A.; Nores, M.; Pacheco, J.F.; Robbins, M.B.; Schulenberg; Stiles, F.G. et al., AOU, ed., A classification of the bird species of South America, 7 Oct. 2010, http://www.museum.lsu.edu/~Remsen/SACCBaseline.html 
  5. ^ Penhallurick, J. (2005), Reduce the generic name Oceanodroma Reichenbach 1853 to the synonymy of Hydrobates Boie 1822, Proposal (#190) to South American Classification Committee, http://www.museum.lsu.edu/~Remsen/SACCprop190.html 
  6. ^ Penhallurick, J. (2005), Reassign the seven species currently assigned to the genus Oceanodroma Reichenbach 1853 to different generic names., Proposal (#191) to South American Classification Committee, http://www.museum.lsu.edu/~Remsen/SACCprop191.html 
  7. ^ Gill, F.; Donsker, D., eds. (2010), “Loons, penguins, & petrels”, IOC World Bird Names, version 2.6, http://www.worldbirdnames.org/n-penguins.html 
  8. ^ 厚生労働省 動物の輸入届出制度 届出対象動物の種類名リスト 鳥類一覧

参考文献

[編集]

外部リンク  

[編集]