ウクライナワイン
ウクライナワイン は、東ヨーロッパに位置するウクライナで生産されるワインである。
ウクライナにおけるワイン醸造は長い伝統により充分に確立されている。同国産のいくつかのワイン銘柄は、隣国や欧州連合各国および北アメリカへ輸出される。
歴史
[編集]現在のウクライナに存在するワイン文化は、既に紀元前4世紀のクリミア南岸にあった。ブドウ圧搾機とアンフォラがその時期に作られた。一方でウクライナ北部(キエフとチェルニーヒウ周辺)のワインブドウ栽培は11世紀に修道士により始まった。
エカチェリーナ2世(1729年 - 1796年)の治世にあった1783年に、クリミアはロシア帝国の一部になった。ミハイル・ボロンツォフ(en:Mikhail Vorontsov)伯爵は、最初のワインブドウ園を1820年ヤルタ近郊で始め、大規模ワイナリーを建設した。ブドウ栽培研究機関のマガラッチ(en:Magarach)は、その後1828年に設立された。
有名な発泡性ワインの創始者はレフ・ゴリツイン(en:Lev Golitsyn)王子である。王子は、クリミア戦争(1854年から1856年)後にヤルタ近郊の所有地ノーヴィ・スヴェット(en:Novyi Svet)で、「ロシアのシャンパーニュ」を初めて製造した。後に、最後のロシア皇帝ニコライ2世(1868年 - 1918年)の治世下、現在マッサンドラ(en:Massandra)にある国営ワイナリーは設立された。
ソビエト連邦の時代、2,500km²のウクライナはソビエト連邦最大のワイン供給国であった。1986年、およそ800km²のワインブドウ園が破壊されるという惨事が起き、それはミハイル・ゴルバチョフがソビエト連邦のアルコール消費制限キャンペーンを開始した当時であった。
2000年以降、ワインの生産だけでなく輸出も急速に増加している。
ブドウ木栽培の主要地域
[編集]ブドウ品種ごとのワインの特徴
[編集]主要なモノ・セパージュ(単一のブドウ品種で造ったワイン。fr:Mono-cépage)は、アリゴテ(en:Aligoté)、マスカット、イザベラ(en:Isabella)、トラミネール(en:Traminer)、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、フェテアスカ(en:Fetească)、ピノ・ノワール、ピノ・グリ(en:Pinot Gris)、ルカツィテリ(en:Rkatsiteli)。
白ワイン
[編集]- アリゴテ: オリジナルワイン。色調は、明るい麦わら色から黄金色。洗練されて心地よく、スミレのニュアンスが独特の風味。
- ピノ・グループ(ピノ・グリ(Pinot gris)とピノ・ブラン): ワインは黄金の色合いと調和の取れた繊細な風味。
- リースリング: 1年半寝かせた後、特有の新鮮さを保ち、優雅で、華やかな香りがあり、モミと松ヤニの色合いが心地よい。
- シャルドネ: 色調は明るい黄金色。
- トラミネール: バラとロサ・カニナの葉の色味が全体を占める。
赤ワイン
[編集]- カベルネ・ソーヴィニヨン: 赤ワインの王。色は、強烈なダーク・レッド。重厚なボディで黒スグリと黒スグリの葉の香りと味わい。
- メルロー: スイートチェリーとチェリー、またはチェリーの色調、そのワインは余韻が長い。
- ピノ・ノワール: ブレンドワインのベースに使用される。
発泡性ワイン
[編集]ソビエト・シャンパーニュ(en:Sovetskoye Shampanskoye)のような発泡性ワインの生産が増加している。ほとんどの発泡性ワインは、キエフ、アルチョーモフスク(en:Artemivsk)、リヴィウ、オデッサ、ハルキウといった大都市で造られる。そのほとんどがピノ・ブラン、アリゴテ、リースリング、フェテアスカをベースにしている。
主要ワイナリー
[編集]- シャーボ
- コロニスト
- チザイ
- コトナール
- トルベツキー公ワイナリー
- ヤルタ近郊のマガラッチ・ワインインスティチュート。3,200種類のブドウ木に起源がある20,000種類のワインサンプルがあるという。
- マサンドラ・ワイナリー