コンテンツにスキップ

Windows プレインストール環境

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Windows プレインストール環境
開発者 Microsoft
OSの系統 Microsoft Windows
ソースモデル プロプライエタリ
最新安定版 10.0.16299.0 / 2017年10月17日 (6年前) (2017-10-17)
プラットフォーム x86, x64, IA-64(3.1まで), ARM(4.0から),ARM64(10.0.16299.0から)
カーネル種別 ハイブリッドカーネル
ライセンス マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項
ウェブサイト http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=263961
テンプレートを表示

Microsoft Windows プレインストール環境 (Windows Preinstallation Environment, Windows PE, WinPE) は、大手企業などが多数台のワークステーションサーバWindowsをインストールするための、軽量版Windowsである。またPCメーカーが製造過程で自社製PCにOEM版Windowsをプレインストールするためにも利用される。

軽量であるがゆえハードディスクドライブのみならずコンパクトディスクUSBメモリからもブートでき、フロッピーディスクからブートできたMS-DOSに代わるOSの選択肢の1つとして利用可能である。

概要

[編集]

WinPEは当初、Microsoft Windowsオペレーティングシステムをインストールするプラットフォームとしてのみ利用することを意図していた。後のバージョンは下記のような目的のためのプラットフォームに発展した。

  • 大企業でのワークステーションやサーバへのWindowsインストール
  • PCメーカーがエンドユーザーに販売するワークステーションやサーバへのOEM版Windowsプレインストール
  • 大手PCメーカーの修理部門や、その他Windowsリカバリーを行いたい場面で使用される、リカバリープラットフォーム
システム診断時や回復インストール時にユーザーが使用するユーティリティOSとして、MS-DOS(NTFSが扱えない)からの置き換え。
起動CD/DVDは、開発テスト技術者やシステム管理者のためのリカバリーCD/DVDとしてカスタマイズ可能である。インターネットを利用できるそれらの人々は目的に合わせ異なるサードパーティアプリケーションを含むWinPEの起動CD/DVDを作成することが多い。

歴代バージョン

[編集]

以下のバージョンの存在が知られている。最小必要メモリ容量が次第に大きくなり、バージョン2.0では512MBに近づいた。現行版のバージョンは5.1であり、Windows 8.1のカーネルをベースとしている。

Windows PE 1.0

[編集]

Windows XP Professionalの初期バージョンを元にした構築作業を要する。

Windows PE 1.1

[編集]

Windows XP Professional Service Pack 1 (SP1)を元にした構築作業を要する。

Windows PE 1.2

[編集]

Windows Server 2003ファミリーを元にした構築作業を要する。

Windows PE 2004 (1.5)

[編集]

Windows XP Professional Service Pack 2 (SP2)を元にした構築作業を要する。

Windows PE 2005 (1.6)

[編集]

Windows Server 2003 Service Pack 1 (SP1)を元にした構築作業を要する。

Windows PE 2.0

[編集]

Windows Vistaを元に構築された。

このバージョン以降と以前のバージョンに比して以下の特徴がある。

  • ツールキットのインストーラ自体からファイルが生成されるため、ソースDVD(元となるWindowsのインストールディスク)をもはや要求してこない。代わりに、ダウンロードサイズが以前は60MB程であったが当版から900MBに増加した。
  • WMIアクセス、Windows Scripting Host (WSH)、追加ドライバ、他の32ビットアプリケーション(または64ビット版のための64ビットのアプリ)といったような、様々なプラグインを含む起動イメージを作成するよう変更可能である。
  • 当版から以降、マイクロソフトの製品であるBDD 2007を利用することにより、起動環境を生成する手順の全体に渡って、(古いシステムのユーザーになじみ深い)コマンドラインツールを排除した。
  • 再書き込み可能なRAMディスクを利用可能(WinPE 1.xバージョンは書き込みできないRAMディスクを利用していた)であり、USBメモリのような追加の周辺機器をホットプラグで利用可能である。

Windows PE 2.1

[編集]

Windows Server 2008を元に構築され、Windows Vista SP1と同じコードを基盤としている。

Windows PE 3.0

[編集]

Windows Server 2008 R2ないしWindows 7と同じコードを基盤として構築されている。

Windows PE 3.1

[編集]

Windows 7 Service Pack 1 (SP1)を元に構築された。

3.0に対する更新としてリリースされておりインストーラーは含まれておらず、手動で上書きして使用する[1]

Windows PE 4.0

[編集]

Windows Server 2012ないしWindows 8と同じコードを基盤として構築されている。

Windows PE 5.0

[編集]

Windows Server 2012 R2ないしWindows 8.1と同じコードを基盤として構築されている。このバージョンよりWindows VistaとWindows Server 2008の展開をサポートしない。

Windows PE 5.1

[編集]

Windows PE 5.0にWindows 8.1 Updateを適用したもの[2]。Windows ADK 8.1 Updateには引き続きWindows PE 5.0が含まれている。

Windows PE for Windows 10

[編集]

Windows 10と同じコードを基盤として構築されている。Windows as a Serviceに基づくWindows 10のリリースと同時期に相当する更新がリリースされる。

10.0.10240.16384

バージョン1507相当。

10.0.10586.0

バージョン1511相当。

10.0.14393.0

バージョン1607相当。

10.0.15063.0

バージョン1703相当。

10.0.16299.0

バージョン1709相当。

関連項目

[編集]

脚注

[編集]