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インフィニティ・FX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

インフィニティ・FX (INFINITI FX) およびインフィニティ・QX70 (INFINITI QX70) は、日産が製造、インフィニティブランドで販売されていたクロスオーバーSUVである。

概要

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インフィニティが2003年に北米市場へ送り出した、スポーツカーとプレミアムSUVのクロスオーバーをコンセプトとしたモデル。BMW・X5ポルシェ・カイエンなどのハイパフォーマンスSUVをライバルとしている。

2001年デトロイトショーを皮切りに、FXのコンセプトモデルを2台送り出し、市販化に漕ぎ着けている。インフィニティブランドでは、CV35型インフィニティ・G35クーペに続き成功を収めたモデルであり、一時期北米市場では月販6,000台を超える台数を記録するなど、インフィニティのブランドイメージをさらに高めたモデルである。

アメリカカナダ、中東、韓国、ロシア、中国、台湾、EU諸国(フランス、イタリア、ポーランドなど)に輸出されている。初代モデルでは左ハンドル仕様専用設計だったため、左側通行の諸国には投入されなかったが、2代目となるS51型系は右ハンドル仕様も用意されており、イギリスなどへの輸出が2009年4月以降に開始された。ただし日本市場への投入は未定である。

2014年モデルより、インフィニティが発表した全ラインアップに対する新ネーミング戦略によって、「インフィニティ・FX」から「インフィニティ・QX70」へと車名が変更された。

初代 S50型系

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インフィニティ・FX(初代)
S50型
前期型FX45(2003-2004年モデル)
前期型FX45 リア
概要
販売期間 2002年11月 - 2008年2月
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
エンジン位置 フロント
駆動方式 後輪駆動 / 四輪駆動
プラットフォーム FR-Lプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 4.5 Lガソリン車
VK45DE型 4,494 cc V型8気筒DOHC
3.5 Lガソリン車
VQ35DE型 3,498 cc V型6気筒DOHC
最高出力 VK45DE型
239 kW (324 PS) / 6,000 rpm
VQ35DE型
209 kW (284 PS) / 6,200 rpm
2003年 - 2007年モデル
205 kW (279 PS) / 6,200 rpm
2008年モデル
最大トルク VK45DE型
454 N·m (46.3 kgf·m) / 4,000 rpm
VQ35DE型
366 N·m (37.3 kgf·m) / 4,800 rpm
2003年 - 2007年モデル
363 N·m (37.1 kgf·m) / 4,800 rpm
2008年モデル
変速機 5速AT
前:ストラット
後:マルチリンク
前:ストラット
後:マルチリンク
車両寸法
ホイールベース 2,850 mm
全長 4,803 mm
全幅 1,925 mm
全高 1,651 - 1,674 mm
車両重量 1,840 - 1,982 kg
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2003年に発売。製造は平塚市日産車体湘南工場で行われた。

デザイン

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スタイリングのテーマは「バイオニックチーター」。野性のチーターが持つ躍動感と優美さを狙っている。デザインは、日産テクニカルセンター、設計開発は、日産車体株式会社テクノセンターで行われた。2001年に初めて発表されたFXコンセプトは、翌2002年には大きく姿を変えており、市販車のスタイリングは2002年のものをベースとしている。

2005年リアコンビランプLED+クリアーレンズに変更され、2006年にはフロントグリルと20インチアルミホイールのデザインが変更されている。

メカニズム

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プラットフォームは、V35型Gシリーズと同じFR-Lプラットフォームを採用。サスペンションは、フロント:マクファーソンストラット、リア:マルチリンクとなっている。フロントサスペンションの形式がストラットになった背景には、V8エンジン+4WDの組合せのためのスペース確保がある。

当初からFX45には、20インチアルミホイールが設定(FX35にはオプション)されており、大径ホイールを履きこなせるサスペンションの設定がなされている。

トランスミッションは5速ATのみの設定で、駆動方式はFR4WDがあり、後者はATTESA E-TSを採用している。なお、FX45は4WDのみの設定である。

2代目 S51型系

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インフィニティ・FX(2代目)
インフィニティ・QX70
S51型
フロント(FX30d)
リア (FX30d)
コクピット
概要
販売期間 2008年3月 - 2013年3月(FX)
2013年4月 - 2017年(QX70)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
エンジン位置 フロント
駆動方式 後輪駆動 / 四輪駆動
プラットフォーム FR-Lプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 5.0 Lガソリン車
VK50VE型 5,026 cc V型8気筒DOHC
3.7 Lガソリン車
VQ37VHR型 3,696 cc V型6気筒DOHC
3.5 Lガソリン車
VQ35HR型 3,498 cc V型6気筒DOHC
3.0 Lディーゼル車
V9X型 2,993 cc V型6気筒DOHC
最高出力 VK50VE型
291 kW (395 PS) / 6,500 rpm
VQ37VHR型
239 kW (324 PS) / 7,000 rpm
VQ35HR型
226 kW (307 PS) / 6,800 rpm
V9X型
175 kW (238 PS)
最大トルク VK50VE型
500 N·m (51.0 kgf·m) / 4,400 rpm
VQ37VHR型
360 N·m (36.7 kgf·m) / 5,200 rpm
VQ35HR型
355 N·m (36.2 kgf·m) / 4,800 rpm
V9X型
550 N·m (56.1 kgf·m) / 1,750 - 2,500 rpm
変速機 7速AT
前:ダブルウィッシュボーン
後:マルチリンク
前:ダブルウィッシュボーン
後:マルチリンク
車両寸法
ホイールベース 2,885 mm
全長 4,860 mm
全幅 1,925 mm
全高 1,680 mm
車両重量 1,885 - 2,067 kg
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2008年3月4日、ジュネーブモーターショープレスデーにて新型「FX50」が発表された。従来モデル同様、スポーツカーとSUVの要素とを融合させた上級クロスオーバーモデルであり、2008年6月より米国、同年10月より欧州にて発売された。また、製造は栃木工場に移管された。

尚、2014モデルより北米を皮切りに順次「インフィニティ・QX70」に改名。アメリカにおいては2017モデルを最後に廃止となった。

デザイン

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ロングノーズ・ショートオーバーハング、大径21インチホイール&タイヤの採用によりスポーツカーらしいプロポーションを表現。エレガントさと力強さを兼ね備えたボディラインの流れと、ダイナミックなアーチ型ルーフのキャビン形状が大きな特徴となっている。大胆な形状を持つフロントグリルや象徴的な形状のヘッドランプやリヤコンビランプを採用し、個性をより際立たせている。

最近のインフィニティ車に共通するダブルウェーブの流れを持つインストルメントパネル形状を特徴とし、力強い形状のセンタークラスターや上質な仕立てのシートで快適性とスポーティ感を両立させている。

メカニズム

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日産自動車として初の7速オートマチックトランスミッションに、アダプティブシフトコントロール(ASC)やシンクロレブコントロールが採用された。

プラットフォームは初代同様FR-Lプラットフォームが採用された。サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクで、新開発のコンティニュアスダンピングコントロール(電子制御式ショックアブソーバー)とリヤアクティブステア(HICAS)が採用されている。

その他

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アラウンドビューモニター」、「インテリジェントクルーズコントロール(全車速追従機能付)」、「スクラッチシールド」などを標準装備。北米向けにはV6エンジンのFX35も同時に発表され、FX50と同様、6月から販売されている。

また、欧州向けでは、2008年10月よりFX37およびFX50が発売された。加えて2010年夏には欧州市場に、そして2012年2月には韓国市場においてもV9X型ディーゼルエンジンを搭載したFX30dを発売開始した。インドネシアへも、2011年のインフィニティブランド投入にあわせ右ハンドル仕様のFXがラインナップされた。

2012年3月にはFX50をベースに、F1ドライバーのセバスチャン・ベッテルの意見を取り入れた「セバスチャン・ベッテル・バージョン」を限定200台にて発売。エンジン出力を420psとするなど、スペシャルチューンが施されている。

関連項目

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外部リンク

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