アマースト大学
アマースト大学 | |
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アマースト大学 | |
大学設置/創立 | 1821年 |
学校種別 | 私立 |
本部所在地 | マサチューセッツ州 |
学生数 | 1,855、1,745、1,971 |
キャンパス | アマースト |
学部 | リベラルアーツ |
研究科 | なし |
ウェブサイト | https://www.amherst.edu/ |
アマースト大学(アマーストだいがく、英語: Amherst College)は、マサチューセッツ州に本部を置くアメリカ合衆国の私立大学。1821年創立、1821年大学設置。
概要
[編集]2008年度のU.S News College Rankingのリベラルアーツ大学部門で1位に選ばれた。最新の2023年度同ランキングでは、長年のライバル校であるウィリアムズ大学についで、2位につけている[1]。全米最高峰のリベラルアーツ・カレッジである。教育理念は"Terras Irradient (Let them give light to the world)"であり、社会に貢献する人物の育成を目標としている。世界中から極めて優秀な学生を迎え、経済的・文化的・人種的な面で多様性を重視した教育実践を行っている。平均クラス規模約10名という徹底した少人数による学問教育から、卒業生には4人のノーベル賞受賞者を輩出している。
なお、同大学卒業生の新島襄が設立した同志社大学では「アーモスト大学」の表記を使用している[1]。
日本の外務省は、1920年代より英語研修を命じた新人のキャリア外交官を毎年、アマースト大学に留学させている。
学生
[編集]徹底した少人数教育から、入学するのは大変困難である。2021年度の合格率は8%[2]と、Barron'sやPrinceton Reviewなどの主要な大学ランキングでも「最も入学が困難な大学(Most Competitive)」のひとつに選ばれている。各学年400人程度で専任の教授数は200人強、学生総数は約1800人で、基本的には全寮制であり、アットホームな雰囲気が持ち味である。提供されている授業の89%が10人以下である。徹底した少人数教育のため卒業生数は少ないが、著名な卒業生を多数輩出している。Carnegie Foundation によれば、2018年度卒業生として2014年に受け付けた学生の84%が高校時の成績がトップ10である。以下を参照のこと。
評判
[編集]米誌USニュース・アンド・ワールド・レポートでは、アメリカのリベラルアーツ大学として10度1位を獲得しており、現在はウィリアムズ大学に続いて2番目となっている。 2008年にフォーブス誌が学部学生をランク付けする企画を行ったが、教授の満足度や生徒の借金、卒業率など様々な点で評価された結果、アメリカで7番目に優れているとされた。2010年では、ワシントン・マンスリーにおいて研究成果や研究での賞金、卒業後の給料から大学のランク付けが発表され、アマースト大学は第5位となった。また2004年には米国の高校生の大学進学実績に基づくランキングで[2]、ブラウン大学、コロンビア大学に続いて第9位にランクされている。
特筆すべき点
[編集]特筆すべき点として、卒業生の大学院進学率が80%を超えることが挙げられる。またボーディングスクール(寄宿制私立高等学校)からの進学者数が多い大学である。そのため大学は潤沢な寄付金で充実した奨学金制度を設けている。学生一人当たりの寄付金総額がハーバード大学を上回り世界一である。また2009年には一人の卒業生が単独で125億円相当の寄付をしたことで有名である。そのため奨学金制度も手厚く、在学生の約6割が何らかの経済的支援(2013-2014年度で一人当たりの経済的支援額は平均46,809ドルに及ぶ)を大学から受けている。現在、大学からの奨学金は基本的に返済不要である。
日本から第3学年に編入を希望する学生に対して、内村スカラシップ[3]と新島スカラシップがそれぞれ隔年で募集されており、卒業までの2年間、授業料・寮費・食費がすべて支給される奨学金制度がある。
五大学コンソーシアム
[編集]アマースト大学は「五大学コンソーシアム」の一つである。学生は、近隣の4つの大学で5300の授業を無料で受けることができ、800万冊の図書館の蔵書にアクセスできる。
主な出身者
[編集]- ヘンリー・ケンドール(ノーベル物理学賞)
- エドムンド・フェルプス(ノーベル経済学賞)
- ハロルド・ヴァーマス(ノーベル生理学・医学賞)
- ジョセフ・E・スティグリッツ(ノーベル経済学賞)
- ジョン・マクロイ(世界銀行総裁)
- アルベール2世(モナコ公国大公)
- カルビン・クーリッジ(アメリカ合衆国第30代大統領)
- チャールズ・H・ヒューストン(法律家、人種隔離政策に反対、「ジム・クロウ法を殺した男」)
- ゲオルギオス・アンドレアス・パパンドレウ(元ギリシャ共和国首相)
- アントニス・サマラス(元ギリシャ共和国首相)
- チャールズ・メリル(メリルリンチ証券創業者)
- ヘンリー・フォルガー(スタンダード・オイル創業者・会長)
- チャールズ・プラット(スタンダード・オイル最高顧問)
- アーサー・デイビス(米国製鉄業界会長)
- ドワイト・モロー(JPモルガン会長)
- エリック・クリス(ベインキャピタルCEO)
- セス・ウォー(ドイツ銀行アメリカCEO)
- アーヴィング・グロウセック(ボストン・セルティックスオーナー・最高顧問)
- ベン・チェリントン(ボストン・レッドソックスゼネラル・マネージャー)
- ウェイ・クリスチャンソン(モルガンスタンレー中国支社CEO・世界女性会議代表メンバー)
- ソンジュ・キム(ソンジュ・グループ代表取締役社長・ニューズウィーク誌「世界で最も影響力のある女性7人」)
- スティーヴン・コール・クリーネ(アメリカ国家科学賞)
- ジョン・ベイツ・クラーク(経済学者、アメリカの近代経済学を創設したことをたたえて「ジョン・ベイツ・クラーク賞」が設けられている)
- タルコット・パーソンズ(20世紀のアメリカを代表する社会学者)
- ジュリアン・ハワード・ギッブス(化学者、アマースト大学学長、アメリカ物理学会よりHigh Polymer Prizeを受賞)
- カール・ウーズ(アメリカ国家科学賞)
- スコット・トゥロー(弁護士、作家、『推定無罪』著者)
- ダン・ブラウン(ダ・ヴィンチ・コード著者)
- オーテス・ケーリ(同志社大学名誉教授)
- ウイリアム・スミス・クラーク(札幌農学校初代教頭「少年よ大志を抱け」)
- 新島襄(同志社大学創立者)
- 内村鑑三(宗教家、思想家、文学者)
- 加瀬俊一(国連大使)
- 栗山尚一(駐米大使)
- 朝海和夫(EU大使)
- 加茂佳彦(UAE大使)
- 川村泰久(国連大使)
- 竹内春海(駐イタリア大使)
- 久島直人(世界平和研究所主任研究員)
- 三田村秀人(駐ニュージーランド大使)
- 本間長世(東京大学名誉教授)
- 榊原胖夫(同志社大学名誉教授)
- 児玉実英(同志社女子大学学長)
- 金田弘光(カリフォルニア大学デービス校教授)
- 藤倉皓一郎(同志社大学名誉教授、東京大学名誉教授)
- 川西進(東京大学名誉教授)
- 神田乃武(東京商科大学(現一橋大学)名誉教授、貴族院議員)
- 永田信(東京大学教授)
- 畔柳和代(東京医科歯科大学教授)
- 千葉眞(国際基督教大学教授)
- 永田傳(欧州製薬団体連合会理事長)
- 樺山愛輔(実業家、政治家。伯爵)
- デヴィッド・フォスター・ウォレス(文学者)
- ジョン・ダワー(歴史学者/ピューリッツァー賞)
- デヴィッド・スズキ(生物学者、CBCの科学番組キャスター)
- ロザンヌ・ハガティ(社会企業家、コモン・グラウンド創設者)
脚注
[編集]- ^ アーモスト大学派遣留学制度同志社大学
- ^ “College Admits Eight Percent of Applicants for Class of 2025 | 'The Amherst Student'”. The Amherst Student. 2021年4月1日閲覧。
- ^ 校祖新島㐮の足跡を訪ねて | 同志社校友会 米国中西部支部