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レジナルド・ゴリッジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レジナルド・ジョージ・ゴリッジ
Reginald George Golledge
生誕 1937年12月6日
オーストラリアの旗 オーストラリアニューサウスウェールズ州ダンゴッグ
死没 (2009-05-29) 2009年5月29日(71歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州ゴリータ
居住 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野 地理学
研究機関 カリフォルニア大学サンタバーバラ校オハイオ州立大学ブリティッシュコロンビア大学
出身校 アイオワ大学
主な業績 アンカー・ポイント理論
プロジェクト:人物伝
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レジナルド・ジョージ・ゴリッジ(Reginald George Golledge、1937年12月6日 - 2009年5月29日)は、アメリカ合衆国地理学者オーストラリアニューサウスウェールズ州ダンゴッグ(Dungog)生まれ[1]レジナルド・ゴレッジとも表記する。アメリカのカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)で地理学教授を務めた。2009年に教授能力研究講師(Faculty Research Lecturer)に指名された。同年にカリフォルニア州ゴリータで逝去[2]。生涯に16冊の書籍を執筆・編集し、100篇の寄稿を行い、150以上の学術論文を発表した。

概要

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ゴリッジは行動地理学の先駆的な研究者である[3][4]1970年代に行動地理学が人文主義地理学的アプローチと分析的アプローチに分裂したときには、後者の主たる提唱者となった[5]1984年視覚障害者となり[6]、研究の焦点を障害の地理学(geography of disability)に移した。また、視覚障害者のためのグローバル・ポジショニング・システム(GPS)の1つであるUCSBパーソナルガイダンスシステム(UCSB Personal Guidance System)を心理学者のジャック・ルーミス(Jack Loomis)やロベルタ・クラスキー(Roberta Klatzky)とともに開発した。

学術的経歴

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名誉職歴

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主要な業績

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共著

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  • 『地理学における科学的研究入門』(An Introduction to Scientific Reasoning in Geography)Amedeo, D.との共著.New York: John Wiley and Sons. 2nd printing by Krieger, Melbourne, FL, 1986. ISBN 0471025372 1975年
  • 『都市・空間・行動』(Cities, Space and Behavior)King, L. J.との共著.Englewood Cliffs, NJ: Prentice-Hall. ISBN 0131346016 1978年
  • 『分析的行動地理学』(Analytical Behavioural Geography).Stimson, R.との共著. London: Croom Helm. ISBN 0709938446 1987年
    • 日本語による書評:山田浩久(1988)"ゴレッジ&スティムソン:分析的行動地理学"経済地理学年報(経済地理学会).34(1):56-59.
  • 『空間的行動:地理学的展望』(Spatial Behavior: A Geographic Perspective).Stimson, R. J.との共著.New York: Guilford Press. ISBN 1572300507 / ISBN 1572300493 1997年
  • 『人間環境行動調査:空間と環境の調査活動と経験』(Person-Environment-Behavior Research: Investigating Activities and Experiences in Spaces and Environments).Amedeo, D. & Stimson, R. J.との共著.New York: Guilford Press. ISBN 1593858701 / ISBN 159385871X 2009年

編著・共編

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  • 『地理学における行動の諸問題:シンポジウム』(Behavioral Problems in Geography: A Symposium).Cox, K. R.との共編.Evanston, IL: Northwestern University Press. 1969年
  • 『空間的選択と空間的行動』(Spatial Choice and Spatial Behavior). Rushton, G.との共編. Columbus, OH: Ohio State University Press. ISBN 0814202411 1976年
  • 『空間認知:理論・調査・方法』(Environmental Knowing: Theories, Research and Methods).Moore, G. T.との共編.Stroudsburg, PA: Dowden, Hutchinson & Ross. Paperback edition, 1978. ISBN 0879330600 1976年
  • 『地理学における行動の諸問題 改訂版』(Behavioral Problems in Geography Revisited).Cox, K. R.との共編.New York: Methuen. ISBN 0416724302 / ISBN 041672440X 1981年
    • 日本語訳書:『空間と行動論:地理学における行動論の諸問題』ケビン・R.コックス,レジナルド・G.ゴレッジ著、寺阪昭信監訳、地人書房、1986年12月、332pp. ISBN 4-88501-056-X
  • 『近接と選好:大規模データセットの多次元解析の問題』(Proximity and Preference: Problems in the Multidimensional Analysis of Large Data Sets).Rayner, J. N.との共編.Minneapolis, MN: University of Minnesota Press. ISBN 0816610428 1982年
  • 『地理学における行動モデリングと計画』(Behavioural Modelling in Geography and Planning).Timmermans, H.との共編.London: Croom Helm. ISBN 0709938535 1988年
  • 『一般的調査のための基礎』(A Ground for Common Search).Couclelis, H., & Gould, P.との共編.Goleta, CA: The Santa Barbara Geographical Press. ISBN 0008860904 1988年
  • 『行動と環境:心理的・地理的アプローチ』(Behavior and Environment: Psychological and Geographical Approaches).Gärling, T.との共編.Amsterdam: North Holland, Elsevier Science Publishers. ISBN 0444896988 1993年
  • 地理情報システムの空間的・時間的論究』(Spatial and Temporal Reasoning in Geographic Information Systems).Egenhofer, M. J.との共編.New York: Oxford University Press. ISBN 0195103424 1998年
  • ウェイファインディングの行動:地図の認知と他の空間的プロセス』(Wayfinding Behavior: Cognitive Mapping and Other Spatial Processes). ゴリッジ単編. Baltimore, MD: Johns Hopkins University Press. ISBN 080185993X 1999年

アンカー・ポイント理論

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アンカー・ポイント理論

アンカー・ポイント理論(アンカー・ポイントりろん、英語: anchor-poiot theory)は、レジナルド・ゴリッジが提案した人間空間学習の過程を示した理論。アンカー・ポイントとは、(いかり)という意味である[7]

この理論は、新しい土地にやってきた住民が周辺の環境をどう認知するか、というもので、段階を追うごとにメンタルマップの中の地図)が発達するというものである[8]。第1段階では主要な結節点である自宅職場学校)・商店などの位置と、そこへ至る経路を、第2段階では第1段階で習得した結節点や経路の周辺にある新しい結節点・道路を、第3段階ではこれらを核にレクリエーション施設や他の商店などを、それぞれ学習することで、メンタルマップが大きく複雑になっていく、と説明した[8][9]。メンタルマップの発展は、各人にとって生活上の重要度に応じて段階的に拡大する[10]。ゆえに、人々の空間認識の広がりと、結節点と経路のつながりの複雑化や広がりには関係がある[9]

脚注

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  1. ^ Golledge; R. G. (2002): You don't have to have sight to have vision. In: Gould, P. and F. R. Pitts (Eds.): Geographical voices: fourteen autobiographical essays. Syracuse: Syracuse University Press. p. 125.
  2. ^ Institute of Australian Geographers: June 2009 Newsletter, p. 2
  3. ^ Renowned Geographer Reginald Golledge Dies in Santa Barbara”. UCSB (2009年6月2日). 2022年11月10日閲覧。
  4. ^ Loomis et al. 2010, p. 678.
  5. ^ Kitchin, R. (2004): Reginald Golledge. In: Hubbard, P., R. Kitchin and G. Valentine (Eds.): Key thinkers on space and place. London: Sage Pubn Inc. pp. 136–142.
  6. ^ 若林・鈴木 2005, p. 43.
  7. ^ 寺本(2010):1ページ
  8. ^ a b 松岡ほか 編(2007):96ページ
  9. ^ a b 津川 2003, p. 8
  10. ^ 伊藤悟"金沢市中心部の空間イメージ-金沢大学-"(2011年8月25日閲覧。)

参考文献

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  • 寺本 潔(2010)"単元ごとの反復学習で47都道府県を習得する"こどもと地図(帝国書院).2010年4月号:1-4.
  • 松岡憲知・田中博・杉田倫明・村山祐司・手塚章・恩田裕一 編『地球環境学―地球環境を調査・分析・診断するための30章―』古今書院、2007年4月10日、130pp. ISBN 978-4-7722-5203-4
  • 津川康雄『地域とランドマーク――象徴性・記号性・場所性――』古今書院、2003年。ISBN 4-7722-5078-6 
  • 若林芳樹、鈴木晃志郎「Reginald Golledgeの視覚障害者研究」『地理科学』第60巻第1号、2005年、40-53頁、doi:10.20630/chirikagaku.60.1_40 
  • Jack M. Loomis; Daniel R. Montello; Roberta L. Klatzky (2010). “Reginald G. Golledge (1937-2009)”. Progress in Human Geography 34 (5): 678-690. doi:10.1177/0309132510362433. 

関連項目

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外部リンク

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