アレクサンドル・オベチキン
アレクサンドル・オベチキン | |
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2018年5月21日 | |
生誕 出生地 |
1985年9月17日(39歳) ソビエト連邦 ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国モスクワ |
身長 体重 |
6 ft 2 in (1.88 m) 230 lb (100 kg; 16 st 6 lb) |
ポジション | レフト・ウィング |
シュート | 右打ち |
所属チーム | ワシントン・キャピタルズ |
過去所属 | HCディナモ・モスクワ |
代表 | ロシア |
NHLドラフト | 1位(2004年) ワシントン・キャピタルズ |
プロ選手期間 | 2001年 – 現在 |
アレクサンドル・ミハイロヴィチ・オベチキン(ロシア語: Александр Михайлович Овечкин, ラテン文字転写: Alexander Mikhailovich Ovechkin、1985年9月17日 - )は、ソビエト連邦モスクワ出身のロシアのプロアイスホッケー選手。ポジションはレフト・ウィング。ナショナルホッケーリーグ(NHL)のワシントン・キャピタルズに所属し、キャプテンも務める。愛称はオビー(Ovi)。
経歴
[編集]アマチュア時代
[編集]母タチヤナによれば、オベチキンがアイスホッケーに興味を持ったのは2歳の時だったという。ある時、母親に連れて行かれた玩具店で2歳のオベチキンはおもちゃのアイスホッケースティックをつかむと、買ってもらうまで離さなかった[1]。幼年時はテレビでアイスホッケーの試合を欠かさず見るようになり、両親がチャンネルを変えようとすると嫌がった [1]。8歳の時にアイスホッケースクールに通い始める[1]。 少年時代の好きなチームはピッツバーグ・ペンギンズとHCディナモ・モスクワだった。好きな選手はペンギンズのマリオ・ルミューとディナモのアレクサンドル・マリツェフであった[2][1]。
両親は仕事で忙しく、息子をスケートリンクまで送迎できないことがあり、アイスホッケーを断念せざるを得ない状況になったことがあった。だが、オベチキンの才能を見抜いていたコーチと兄セルゲイは両親を説得し、オベチキンはアイスホッケーを続けることができた[2]。
その後、HCディナモ・モスクワのアイスホッケースクールに誘われる[2]。
プロ入りとディナモ・モスクワ時代
[編集]2000年にディナモのトップチームに加入した[2]。
2001年に当時16歳でロシア・スーパーリーグデビュー。2001-02年シーズンは21試合に出場し2ゴール2アシストを記録した。
2002年の第13回U-18アイスホッケー選手権で自身初めてロシア代表に選出された。同大会で8試合に出場し、14ゴール4アシストを記録し。ロシアを優勝に導いた[2] [3]。
2002-03シーズンはディナモの定期試合で15ポイント(8ゴール7アシスト)を記録。シーズン中の2002年12月から2013年1月にかけて開催された第27回世界ジュニアアイスホッケー選手権のロシア代表に選出された。
2003年は4月に開催された第14回U-18アイスホッケー選手権のロシア代表に選出された。6月にはNHLドラフトでフロリダ・パンサーズはオベチキンを獲得しようとしたが、当時のNHLの規則で18歳の誕生日に2日足りなかったため、移籍は実現しなかった[2]。
キャピタルズ時代
[編集]2004年のNHLドラフト1巡目全体1位でワシントン・キャピタルズに指名され、NHL入り。しかし、NHLはロックアウトに突入。2004-05シーズンは開催されなかったため、NHLで試合に出場することは無かった。8月から9月に開催された第2回ワールドカップ・オブ・ホッケーのロシア代表に選出された。
2004年12月から2005年1月に開催された第29回世界ジュニアアイスホッケー選手権のロシア代表に選出された。4月から5月に開催された第69回アイスホッケー選手権のロシア代表にも選出された。
2005-06年シーズンは開幕戦でデビューを果たし、アリーナの壁の部分の金属支柱を吹っ飛ばす「フィジカルプレー」を見せた。それだけでなく、2ゴールを決め、ド派手なデビューを果たした。その後も順調にゴールとアシストを決めたオベチキンは新人としては最多の106ポイントをあげ、シドニー・クロスビーとの熾烈な「カルダーカップ(最優秀新人)」争いを制した。また、シーズン中の2月に開催されたトリノオリンピックのアイスホッケー男子ロシア代表に選出された。5月に開催された第70回アイスホッケー世界選手権のロシア代表にも選出された。
2006-07年シーズンは92ポイントと不振で、クロスビーに差をつけられたが、それでも46ゴールをマークした。4月から5月に開催された第71回アイスホッケー世界選手権のロシア代表に選出された。
2007-08年シーズンはまさに「オベチキン・イヤー」ともいえる活躍で、65ゴールをあげた。彼の112得点はNHL1位となり、2位のエブゲニ・マルキンとともにロシア人でNHL得点ランキングのワンツーフィニッシュを果たした。また、チームもオベチキンの活躍などでプレーオフに進出。5月に開催された第72回アイスホッケー世界選手権のロシア代表に選出された。
2008-09年シーズンは成績が多少なりとも落ちるのは予想されていたが、それでも50ゴール100得点を突破、2年連続の得点王とはいかずも、2年連続MVP受賞で、「リーグ最強選手」として名を上げつつある。
2009-10年シーズンは開幕から好調で1試合1個近いペースでゴールを量産。しかし怪我を煩う。復帰後は勢いは落ちたが、安定して貢献している。12月にはトレードされたクリス・クラークに代わりキャプテンに任命された。2007年までは「オベチキン一人のチーム」といった感じで、チームもプレーオフとは無縁であったが、彼にスコアリングチャンスを与えられるアレクサンドル・セミンやニクラス・ベックストローム、マイク・グリーンといった面々が台頭してきて、チームもプレーオフ争いに参加できるようになった。また、2月に開催されたバンクーバーオリンピックのアイスホッケー男子ロシア代表に選出された。また、5月に開催された第74回アイスホッケー世界選手権のロシア代表に選出された。
2011年4月から5月に開催された第75回アイスホッケー世界選手権のロシア代表に選出された。
2012年5月に開催された第76回アイスホッケー世界選手権のロシア代表に選出された。
2012-2013年シーズンはロックアウトの影響でキャピタルズのチームメイトのベックストロームと共に古巣のHCディナモ・モスクワでプレーした。KHL初出場を果たした。ロックアウト終了後、ベックストロームと共にキャピタルズに復帰。 5月に開催された第77回アイスホッケー世界選手権のロシア代表に選出された。
2014年2月に開催されたソチオリンピックのアイスホッケー男子ロシア代表に選出された。5月に開催された第78回アイスホッケー世界選手権のロシア代表に選出された。
2015年5月に開催された第79回アイスホッケー選手権のロシア代表にも選出された。
2016年5月に開催された第80回アイスホッケー選手権のロシア代表にも選出された。
2016-17年シーズンはシーズン開幕前の9月に開催された第3回ワールドカップ・オブ・ホッケーのロシア代表に選出された。シーズンでは2017年1月11日にピッツバーグ・ペンギンズとの試合において試合開始35秒で先制点を記録。このゴールはオベチキンにとってNHLでの通算1,000ポイント目となった。またNHLで84人目となる1,000ポイントプレイヤーとなった[4]。
2017-2018シーズンはチームが1998年以来となるスタンレー・カップ・ファイナルに進出[5]。オベチキンにとっては初となるスタンレー・カップ・ファイナルとなった。ベガス・ゴールデンナイツとのスタンレー・カップ・ファイナルでチーム初となるスタンレー・カップ優勝を果たし[6]、スタンレー・カップ・ファイナルでの活躍が評価され、コーン・スマイス賞を受賞した[7]。
2019年5月に開催された第83回アイスホッケー選手権のロシア代表に選出された。
2021年7月27日に5年総額$47,500,000でキャピタルズと契約延長した[8]。
2021-2022年シーズンは2022年2月3日にNHLオールスターゲームに選出されたが、COVID-19に感染したため辞退している[9]。
人物
[編集]父のミハイル・オベチキンはサッカー選手、母のタチアナ・オビチキナはバスケットボール選手で1976年モントリオール五輪と1980年モスクワ五輪の2大会で金メダルを獲得している。
2012年12月にテニス選手のマリア・キリレンコと婚約した[10]が、2014年7月に婚約解消を発表した[11]。
EAスポーツのNHLシリーズでは「NHL07」と「NHL 21」でカバーを務めた。
元プロアイスホッケー選手であるイリヤ・ニクーリンとは同郷の出身という事もあって親友であり、彼はオベチキンの息子の名付け親でもある。
詳細情報
[編集]レギュラーシーズンとプレーオフでの成績
[編集]Bold indicates led league
レギュラーシーズン | プレーオフ | |||||||||||||
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シーズン | クラブ | リーグ | GP | G | A | Pts | PIM | GP | G | A | Pts | PIM | ||
2001–02 | ディナモ2-モスクワ | RUS-3 | 19 | 18 | 8 | 26 | 20 | — | — | — | — | — | ||
2001–02 | HCディナモ・モスクワ | RSL | 21 | 2 | 2 | 4 | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
2002–03 | HCディナモ・モスクワ | RSL | 40 | 8 | 7 | 15 | 29 | 5 | 0 | 0 | 0 | 2 | ||
2003–04 | HCディナモ・モスクワ | RSL | 53 | 13 | 11 | 24 | 40 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | ||
2004–05 | HCディナモ・モスクワ | RSL | 37 | 13 | 13 | 26 | 32 | 10 | 2 | 4 | 6 | 31 | ||
2005–06 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 81 | 52 | 54 | 106 | 52 | — | — | — | — | — | ||
2006–07 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 82 | 46 | 46 | 92 | 52 | — | — | — | — | — | ||
2007–08 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 82 | 65 | 47 | 112 | 40 | 7 | 4 | 5 | 9 | 0 | ||
2008–09 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 79 | 56 | 54 | 110 | 72 | 14 | 11 | 10 | 21 | 8 | ||
2009–10 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 72 | 50 | 59 | 109 | 89 | 7 | 5 | 5 | 10 | 0 | ||
2010–11 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 79 | 32 | 53 | 85 | 41 | 9 | 5 | 5 | 10 | 10 | ||
2011–12 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 78 | 38 | 27 | 65 | 26 | 14 | 5 | 4 | 9 | 8 | ||
2012–13 | HCディナモ・モスクワ | KHL | 31 | 19 | 21 | 40 | 14 | — | — | — | — | — | ||
2012–13 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 48 | 32 | 24 | 56 | 36 | 7 | 1 | 1 | 2 | 4 | ||
2013–14 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 78 | 51 | 28 | 79 | 49 | — | — | — | — | — | ||
2014–15 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 81 | 53 | 28 | 81 | 58 | 14 | 5 | 4 | 9 | 6 | ||
2015–16 | ワシントン・キャピタルズ | NHL | 79 | 50 | 21 | 71 | 53 | 12 | 5 | 7 | 12 | 2 | ||
RSL 合計 | 151 | 36 | 33 | 69 | 106 | 21 | 2 | 4 | 6 | 35 | ||||
KHL 合計 | 31 | 19 | 21 | 40 | 14 | — | — | — | — | — | ||||
NHL 合計 | 839 | 525 | 441 | 966 | 567 | 84 | 41 | 41 | 82 | 38 |
国際大会での成績
[編集]年 | チーム | 大会 | 結果 | GP | G | A | Pts | PIM | |
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2002 | ロシア | U18 | 8 | 14 | 4 | 18 | 0 | ||
2003 | ロシア | WJC | 6 | 6 | 1 | 7 | 4 | ||
2003 | ロシア | U18 | 6 | 9 | 4 | 13 | 6 | ||
2004 | ロシア | WJC | 5 | 6 | 5 | 2 | 7 | 25 | |
2004 | ロシア | WC | 10 | 6 | 1 | 1 | 2 | 0 | |
2004 | ロシア | WCH | 6 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | |
2005 | ロシア | WJC | 6 | 7 | 4 | 11 | 4 | ||
2005 | ロシア | WC | 8 | 5 | 3 | 8 | 4 | ||
2006 | ロシア | OG | 4 | 8 | 5 | 0 | 5 | 8 | |
2006 | ロシア | WC | 5 | 7 | 6 | 3 | 9 | 6 | |
2007 | ロシア | WC | 8 | 1 | 2 | 3 | 29 | ||
2008 | ロシア | WC | 9 | 6 | 6 | 12 | 8 | ||
2010 | ロシア | OG | 6 | 4 | 2 | 2 | 4 | 2 | |
2010 | ロシア | WC | 9 | 5 | 1 | 6 | 4 | ||
2011 | ロシア | WC | 4 | 5 | 0 | 0 | 0 | 4 | |
2012 | ロシア | WC | 3 | 2 | 2 | 4 | 2 | ||
2013 | ロシア | WC | 6 | 1 | 1 | 1 | 2 | 0 | |
2014 | ロシア | OG | 5 | 5 | 1 | 1 | 2 | 0 | |
2014 | ロシア | WC | 9 | 4 | 7 | 11 | 8 | ||
2015 | ロシア | WC | 2 | 1 | 1 | 2 | 0 | ||
2016 | ロシア | WC | 6 | 1 | 1 | 2 | 2 | ||
ジュニア合計 | 32 | 41 | 15 | 56 | 39 | ||||
シニア合計 | 92 | 42 | 31 | 73 | 77 |
表彰
[編集]- ハート記念賞:3回
- テッド・リンジー賞:3回
- コーン・スマイス賞:1回(2018年)
- アート・ロス記念賞:1回(2008年)
- モーリス・"ロケット"・リシャール賞:9回
- カルダー記念賞(2006年)
- オールルーキーチーム(2006年)
記録
[編集]背番号
[編集]- 8(2005年 - )
代表歴
[編集]- 2002年世界U-18アイスホッケー選手権ロシア代表
- 2003年世界ジュニアアイスホッケー選手権ロシア代表
- 2003年世界U-18アイスホッケー選手権ロシア代表
- 2004 ワールドカップ・オブ・ホッケー ロシア代表
- 2005年世界ジュニアアイスホッケー選手権ロシア代表
- 2005年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2006年オリンピックアイスホッケーロシア代表
- 2006年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2007年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2008年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2010年オリンピックアイスホッケーロシア代表
- 2010年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2011年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2012年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2013年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2014年オリンピックアイスホッケーロシア代表
- 2014年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2015年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2016年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
- 2016 ワールドカップ・オブ・ホッケー ロシア代表
- 2019年アイスホッケー世界選手権ロシア代表
脚注
[編集]- ^ a b c d Building Project Starts With One Stick
- ^ a b c d e f JockBio.com Alex Ovechkin Biography
- ^ 2002 IIHF World U18 Championship
- ^ Alex Ovechkin gets to 1,001 points in Capitals win
- ^ Rosen, Dan (23 April 2018). “Capitals shut out Lightning again in Game 7, reach Stanley Cup Final”. NHL.com. 24 April 2018閲覧。
- ^ Shpigel, Ben (7 June 2018). “The Washington Capitals, After Years of Frustration, Win the Stanley Cup”. The New York Times 1 October 2018閲覧。
- ^ “NHL Conn Smythe Trophy Winners”. 2019年10月5日閲覧。
- ^ “Ovechkin signs five-year, $47.5 million contract with the Capitals”. NHL.com. July 27, 2021閲覧。
- ^ Satriano, David (January 13, 2022). “2022 NHL All-Star Game rosters, captains announced” (英語). NHL.com. February 18, 2022閲覧。
- ^ “オベチキンとキリレンコが婚約=NHL、テニスの人気選手同士”. 時事ドットコム. (2013年1月1日)
- ^ “テニス=キリレンコ、NHLのオベチキンと婚約解消”. Reuters. (2014年7月22日)
外部リンク
[編集]- NHL.com, or Eliteprospects.com, or Eurohockey.com, or Hockey-Reference.com, or The Internet Hockey Database
- アレクサンドル・オベチキン - Olympedia
- RussianProspects.com Alexander Ovechkin Profile
- Alexander Ovechkin (@aleksandrovechkinofficial) - Instagram
- Alex Ovechkin (@ovi8) - X(旧Twitter)