アルビノス
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アルビノス(古希: Ἀλβῖνος Albinos 英: Albinus 2世紀ごろ[1])は、ローマ帝国期の哲学者。中期プラトン主義の代表的人物。
中期プラトン主義者のガイオス(ガイウス)に師事し、おそらくスミュルナ(現トルコのイズミル)などで講義した[1][2]。受講生に医学者のガレノスがいた[3]。
著作として、プラトン対話篇の短い入門書『エイサゴーゲー[4]』が現存する。本書中の対話篇の分類法は、ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』プラトン伝の分類法とは異なっている[1]。
「アルキノオス」という人物に帰されるプラトン対話篇の長い講義書『ディダスカリコス』は、1870年代からフロイデンタールによって「アルビノス」の誤記と判断され、アルビノスの著作とされていたが、1970年代から複数の研究者により、やはりアルビノスでなくアルキノオスの著作とされるようになった[5][6][7]。
脚注
[編集]- ^ a b c 鎌田雅年 解説
- ^ ガレノス De Libris Propriis 97.6ff.
- ^ 内山勝利 著「総論 地中海世界の叡知」、内山勝利 編『哲学の歴史 第2巻 帝国と賢者 古代2』中央公論新社、2007年。ISBN 9784124035193。40頁。
- ^ 金澤修. “ガイウス学派におけるプラトン解釈およびその自然観の解体と再生”. KAKEN(科学研究費助成事業データベース). 2022年3月24日閲覧。
- ^ 久保徹 解説
- ^ 小島和男「アプレイウスにとっての哲学とは何か?」『学習院大学文学部研究年報』第64巻、2017年、2頁。
- ^ 堀江聡(書評)「熊田陽一郎著『プラトニズムの水脈』世界書院 1996」『中世思想研究』40、1998年。193頁。
参考文献
[編集]- アルビノス他著 / 中畑正志編 / 鎌田雅年;久保徹;國方栄二;脇條靖弘;木下昌巳;村上正治訳『プラトン哲学入門』京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、2008年。ISBN 9784876981809
- アルビノス著、鎌田雅年訳・解説 『プラトン序説 - 対話篇入門』 ※『エイサゴーゲー』の日本語訳
- アルキノオス著、久保徹訳・解説『プラトン哲学講義』 ※『ディダスカリコス』の日本語訳
- 金澤修. “ガイウス学派におけるプラトン解釈およびその自然観の解体と再生”. KAKEN(科学研究費助成事業データベース). 2022年3月24日閲覧。