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アベバ・アレガウィ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アベバ・アレガウィ
አበባ አረጋዊ
Portal:陸上競技
選手情報
国籍  スウェーデン
エチオピアの旗 エチオピア
競技 陸上競技
種目 1500m
所属 Hammarby IF
生年月日 (1990-07-05) 1990年7月5日(34歳)
生誕地 エチオピアの旗 エチオピアティグレ州アディグラト英語版
居住地 エチオピアの旗 エチオピアアディスアベバ
身長 169 cm (5 ft 6+12 in)[1]
体重 48 kg (106 lb)[1]
自己ベスト 1500m:3分56秒54(2012年)
獲得メダル
女子陸上競技
 スウェーデン
世界選手権
2013 モスクワ 1500 m
世界室内選手権
2014 ソポト 1500 m
ヨーロッパ選手権
2014 チューリッヒ 1500 m
エチオピアの旗 エチオピア
陸上競技
オリンピック
2012 ロンドン 女子 1500 m
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アベバ・アレガウィ・ゲブレツァディクアムハラ語: አበባ አረጋዊラテン文字表記:Abeba Aregawi Gebretsadik、1990年7月5日 - )は、エチオピア生まれの陸上競技選手。中距離走、特に1500mを専門とし、2012年12月よりスウェーデン代表として競技している[2]

アレガウィは、エチオピアティグレ州にある小さな町・アディグラト英語版で生まれ育ち、陸上競技大会に初出場したのは16歳と遅めであった[3]。2012年までは母国のエチオピア代表として競技に取り組んできた[4]2009年スウェーデンを拠点に生活するエチオピア人男性のエノク・ウェルデゲブリエル(Henok Weldegebriel)と結婚し[3]、2012年までストックホルムに居住した。その後、マラソン選手のイエマネ・アドハネ・ツェガエ英語版と再婚し、生活拠点をアディスアベバに移した。

ストックホルムに拠点を置くハンマルビーIF(Hammarby IF)に所属し、その代表的な選手である[4]。2012年6月にスウェーデン国籍を取得し、同年12月からスウェーデン代表として大会に出場するようになった[2][5][6]。このため、ロンドンオリンピックにはエチオピア代表として出場した[3]

経歴

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2009 - 2011年

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アレガウィは2009年のエチオピア選手権で800mに出場し、同種目で3度優勝経験を持つメスタワト・タデッセ(Mestawat Tadesse)を破って金メダルに輝く快挙を成し遂げ、鮮烈なデビューを果たす[7]。その後、ヨーロッパでの大会を数多く経験し、モロッコタンジェで自己新記録2分01秒98をマークする。800mは同年のアフリカジュニア選手権が最高潮に達し、キャスター・セメンヤを追って銅メダルを獲得した[8]

2010年になってアレガウィは1500mに転向、ソレントゥナグランプリとナイトオブアスレチックスを制し、特にナイトオブアスレチックスでは自己新記録4分01秒96をマークした。この年に初めてダイヤモンドリーグに参戦し、DNガランで4位、ヴェルトクラッセチューリッヒで7位に入賞した。

2011年は室内競技会で好成績を収め、デュッセルドルフ英語版フランダース国際英語版バーミンガム英語版ストックホルム英語版の4大会を制覇、ストックホルムでは4分01秒47の自己新記録も樹立した。しかし屋外での大会には、怪我の影響で1度しか出場できなかった[9]

2012年

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2012年のダイヤモンドリーグでは1500mで世界のトップ選手の1人として浮上し、最終的に年間優勝を収めた。上海ゴールデングランプリではゲンゼベ・ディババに次ぎ2位に入り、自己新記録3分59秒23を出した[10]。そしてゴールデンガラでは3分56秒54を叩き出し、エチオピア記録をも破ってディババを下した[11]。スウェーデン国籍を取得する直前にはビスレットゲームズで勝利を収めた[12]

同年6月20日に開かれたスウェーデンチーム選手権では、所属するハンマルビーIF代表として出場、800mと1500mの2冠を果たした。エチオピア代表として臨んだロンドンオリンピックでは、予選・準決勝とも全競技者中、最も良い記録を出して決勝進出を決めた。決勝ではゆっくりとした、選手間の駆け引きのあるレース展開となり、最終コーナーまでは優勝したアスル・チャクル・アルプテキン英語版に付けていたが、最後の直線で加速され、付いていけなかったアレガウィは5位に沈んだ。のちに1位アスル・チャクル・アルプテキンと2位のガムゼ・ブルトにドーピングが発覚し、繰上げで銅メダルを獲得した。

2013年 -

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2013年はイェーテボリで開かれたヨーロッパ室内選手権で、スウェーデン代表としての開幕試合を迎え金メダルを獲得した。同年のダイヤモンドリーグは最初の5つの大会で優勝した時点で残り2大会を残して年間優勝を決めた。ダイヤモンドリーグ第1戦のカタールスーパーグランプリで3分56秒60のスウェーデン新記録(前年に自身が樹立したエチオピア記録より0秒06遅い)を樹立し、4週間後にはオランダヘンゲローで開催されたファニー・ブランカース=クン・ゲームズ英語版で800mのスウェーデン新記録1分59秒20をマークした。どちらもマリン・エベルロフ=クレープ英語版が約15年前に樹立した記録を更新したものであった。

モスクワで開催された世界選手権では1500mで金メダルを獲得し、スウェーデン勢として初めて中距離走種目でのメダル獲得を果たした[3]

エリクソングローブで開かれた、2014年のXLガランでは3分57秒91をマークし、ヨーロッパ室内記録を更新した。世界室内選手権では、ゲレテ・ブルカ英語版の持つ大会記録まであと1秒の4分00秒61で優勝した[13]ヨーロッパ選手権では同じエチオピア出身のシファン・ハッサン(オランダ)と優勝争いを展開し、2位に入った[14]

主な成績

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大会 開催地 結果 記録 備考
エチオピアの旗 エチオピア代表
2012 オリンピック イギリスの旗 イギリス ロンドン 3位[15] 4:11.03
ダイヤモンドリーグ 年間優勝 1500m
 スウェーデン代表
2013 ヨーロッパ室内選手権  スウェーデン イェーテボリ 1位 4:04.47
世界選手権 ロシアの旗 ロシア モスクワ 1位 4:02:67
ダイヤモンドリーグ 年間優勝 1500 m
2014 世界室内選手権 ポーランドの旗 ポーランド ソポト 1位 4:00.61
ヨーロッパ選手権 スイスの旗 スイス チューリッヒ 2位 4:05.08

主な優勝歴

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= IAAFダイヤモンドリーグの1競技会

2014

個人記録

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区分 種目 記録 開催地 大会 備考
屋外 800 m 1:59.20 オランダの旗 オランダ ヘンゲロー ファニー・ブランカース=クン・ゲームズ 2013年6月8日 NR( スウェーデン
1500 m 3:56.54 イタリアの旗 イタリア ローマ ゴールデンガラ 2012年5月31日 NR(エチオピアの旗 エチオピア
3:56.60 カタールの旗 カタール ドーハ カタールスーパーグランプリ 2013年5月10日 NR( スウェーデン
室内 1500 m 3:57.91  スウェーデン ストックホルム XLガラン 2014年2月6日 NR( スウェーデン

脚注

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  1. ^ a b Sven Gustavsson (2013年8月15日). “Guld till Abeba Aregawi”. DN.SPORT. 2013年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  2. ^ a b アレガウィが女子1500メートル制す、第14回世界陸上”. AFPBB (2013年8月16日). 2014年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  3. ^ a b c d Abeba Aregawi: a new champion in new colours” (2013年8月15日). 2013年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  4. ^ a b Abeba Aregawi Sveriges stora guldhopp” (スウェーデン語). SVT (2013年8月15日). 2013年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  5. ^ Här blir hon historisk” (スウェーデン語). Aftonbladet (2013年8月16日). 2013年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  6. ^ Aregawis debut nära världsrekordet” (スウェーデン語). DN.se SPORT. Dagens Nyheter (2013年2月21日). 2013年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  7. ^ Elshadai Negash (2009年3月3日). “Ahmed and Kebede sprint for victory"”. IAAF. 2012年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  8. ^ Lionel Peters & Tomas Magnusson (2012年12月1日). “African Championships 2009”. World Junior Athletics History. 2013年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  9. ^ Abeba Aregawi”. Tilastopaja. 2014年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  10. ^ Len Johnson (2012年5月19日). “Liu Xiang and G. Dibaba the standouts in rainy Shanghai”. IAAF. 2012年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  11. ^ David Martin (2012年5月31日). “Bolt’s blazing 9.76 one of seven world leads on electric night in Rome”. IAAF. 2012年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  12. ^ Mike Rowbottom (2012年6月7日). “Bolt’s 9.79 victory tops the charts In Oslo”. IAAF. 2012年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  13. ^ Phil Minshull (2014年3月8日). “Report: women's 1500m final – Sopot 2014”. IAAF. 2014年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月12日閲覧。
  14. ^ 陸上競技社 編(2014):173ページ
  15. ^ 当初は5位であったが、1位アスル・チャクル・アルプテキンと2位ガムゼ・ブルトのドーピングが発覚し、繰り上がりで銅メダルを獲得した。

参考文献

[編集]
  • 陸上競技社 編『月刊陸上競技 2014年10月号』陸上競技社・講談社、平成26年10月1日発行、9月13日発売、282p.

外部リンク

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