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アフリカトガリネズミ目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アフリカトガリネズミ目
テンレック
テンレック Tenrec ecaudatus
地質時代
中新世 - 現代
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
上目 : アフリカ獣上目 Afrotheria
階級なし : アフリカ食虫類 Afroinsectiphilia
: アフリカトガリネズミ目 Afrosoricida
学名
Afrosoricida Stanhope et al., 1998[1]
シノニム[2][3]
  • Zalambdodonta Gill, 1883
  • Tenrecoidea McDowell, 1958
和名
アフリカトガリネズミ目[4]
[5]

アフリカトガリネズミ目(アフリカトガリネズミもく、Afrosoricida)は、哺乳綱に分類される目。別名アフリカジネズミ目[6]

分布

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アフリカ大陸およびマダガスカル島[6]

分類

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かつては食虫目(あるいは無盲腸目)にテンレック形亜目(テンレック亜目)Tenrecomorphaとして含められていたが[7]、キンモグラ類のみで独立した目を構成する説もあった[6]。また上顎大臼歯の形態から食虫目を双波歯亜目Dilambdodontaと単波歯亜目Zalambdodontaの2群に分け、テンレック類とキンモグラ類を後者にまとめる説もあった[8][9]分子系統学的解析により、テンレック類とキンモグラ類のどちらも主要な食虫類(現在の真無盲腸目モグラ類ハリネズミ類トガリネズミ類ソレノドン類を含む)が属するローラシア獣上目ではなく、アフリカ獣上目の系統であることが明らかになった[10]分岐群としてのAfrosoricidaは、1998年にMichael J. Stanhopeらによって提唱された[1]。この名称はのちに発表された分類体系において目名として受け入れられているものの[5][6]、トガリネズミ類の1属として記載されたAfrosorexと紛らわしいという指摘もある[5][2]。テンレック類とキンモグラ類をまとめる分類群としては先述したようにテンレック形亜目や単波歯亜目などが先行して提唱されており、そのうち1958年にテンレック上科として提唱されたTenrecoideaを有効名とする提案も2010年に行われている[2][3]

ケープキンモグラChrysochloris asiatica(キンモグラ科)

以下の現生する分類群は、Bronner & Jenkins (2005) に従う。和名は川田ら (2018) に従う。

出典

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参考文献

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  • Michael J. Stanhope, Victor G. Waddell, Ole Madsen, Wilfried de Jong, S. Blair Hedges, Gregory C. Cleven, Diana Kao & Mark S. Springer, “Molecular evidence for multiple origins of Insectivora and for a new order of endemic African insectivore mammals,” Proceedings of the National Academy of Sciences (U.S.A.), Volume 95, Issue 17, National Academy of Sciences, 1998, Pages 9967–9972.
  • Theodore Gill, “On the Classification of the Insectivorous Mammals,” Bulletin of the Philosophical Society of Washington, Volume 5, Philosophical Society of Washington, 1883, Pages 118–120.
  • Samuel Booker McDowell, “The Greater Antillean insectivores,” Bulletin of the American Museum of Natural History, Volume 115, American Museum of Natural History, 1958, Pages 115–213.
  • 茂原信生「食虫類の分類の最近の傾向—ツパイの問題を中心にして—」『哺乳類科学』23巻 1号、日本哺乳類学会、1983年、31-47頁。doi:10.11238/mammalianscience.23.1_31
  • 花村肇「食虫類臼歯の咬頭の発生および歯の交換」『哺乳類科学』29巻 2号、日本哺乳類学会、1989年、1-12頁。doi:10.11238/mammalianscience.29.2_1
  • 冨田幸光『絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2002年。ISBN 4-621-04943-7 
  • Andrew Wroot 著、今泉吉晴 訳「食虫目総論」、D.W.マクドナルド 編『動物大百科 6 有袋類ほか』今泉吉典 監修、平凡社、1986年、6-11頁。 
  • Gary N. Bronner & Paulina D. Jenkins, “Order Afrosoricida,” Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 71 - 81.
  • 遠藤秀紀 著「哺乳綱」「哺乳類分類表」、松井正文 編『バイオディバーシティ・シリーズ 7 脊椎動物の多様性と系統』岩槻邦男・馬渡峻輔 監修、裳華房、2006年、314-332, 350-355頁。 
  • Robert J. Asher & Kristofer M. Helgen (2010), “Nomenclature and placental mammal phylogeny,” BMC Evolutionary Biology, Volume 10, Article number 102.
  • S. Blair Hedges, “On the use of high-level taxonomic names,” Zootaxa, Volume 2867, No. 1, Magnolia Press, 2011, Pages 67-68.
  • 長谷川政美『新図説 動物の起源と進化 書き換えられた系統樹』八坂書房、2011年。ISBN 978-4-89694-971-1 
  • 川田伸一郎他 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。doi:10.11238/mammalianscience.58.S1

関連項目

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