アカゲザル
アカゲザル | ||||||||||||||||||||||||||||||
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アカゲザル Macaca mulatta
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保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Macaca mulatta (Zimmermann, 1780)[3] | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
アカゲザル[3] | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Rhesus macaque[3] Rhesus monkey[3] | ||||||||||||||||||||||||||||||
在来の分布域
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アカゲザル(赤毛猿、Macaca mulatta)は、哺乳綱霊長目オナガザル科マカク属に分類されるサルの一種。実験動物として利用されるほか、日本では野生化している外来種である[4]。
形態
[編集]頭胴長47-64cm、尾長19-30cm、体重5-9kg[5][6]。体毛は褐色で、上半身はより灰色がかり、下半身は赤色または黄色がかる[3]。種小名''mulattaは「混血の」の意[3]。尾は太く、頭胴長の半分程度の長さがある[3]。
分布
[編集]アフガニスタン東部からインド北部、中国南部(海南省南湾猿島自然保護区など)にかけて分布する。原産地では、森林、湿地林、標高3000m近くの山など幅広い環境に生息している[6]。
日本では千葉県の房総半島に外来種として定着している[5][6]。
アメリカ合衆国のフロリダ州のシルバースプリングス州立公園に生息している[7]。
生態
[編集]昼行性で、10-50頭の群れで生活する。主に地上で活動するが、樹上も利用する。雑食性で果実や樹皮、鳥の卵などを食べる[6]。
野生での寿命は平均して約15年、飼育下では26年から30年程度とされる[8]。長寿記録は京都市動物園で飼育されていたイソコで、43歳4か月である[9]。
天敵としてトラ、ヒョウ、ウンピョウ、ドール、クロコダイル属、ニシキヘビがいる。
人間との関係
[編集]ヒンドゥー教ではアカゲザルは神聖な動物とされている。Rh式血液型の「Rh」は、アカゲザルの英名 rhesus macaque に由来している。
英名や仏名などのrhesusは、かつて利用されていた種小名が一般名として定着したものであり、ギリシア神話のレソスに由来する[3]。
実験動物
[編集]本種は実験動物として広く利用されている動物である。初めて宇宙飛行を行った霊長類はアカゲザルであり、その後も何度かアカゲザルが打ち上げられている(宇宙に行ったサルを参照)。また2017年には中国の研究グループが霊長類として初めてアカゲザルのクローンを作成した[11]。
[いつ?][誰?][どこ?]部屋をガラスで区切り各々1匹ずつアカゲザルを入れて、片方に食事は出るがもう片方のアカゲザルに電気ショックが流れるレバーを設置した実験では、ほぼ全個体がすぐにレバーを引くのをやめて絶食を選んだ[12]。
日本での野生化
[編集]日本では、1960年代に千葉県県南地域の私営観光施設で飼育されていた本種が施設の閉鎖に伴い逃げ出し、野生化したものが1995年から千葉県房総半島で確認されている[5][13]。2005年度の調査では、350-380頭の生息が推定されている[14]。これにともない、本種と近縁なニホンザルとの交雑が2004年に確認され[15]、遺伝子汚染の問題が広がりつつある[5][14][16]。また、柿などの農業被害も報告されている[5]。そのため、外来生物法により特定外来生物に指定されており、飼育には特別な許可が必要となる[5][4]。同様の問題は、和歌山県に定着したタイワンザルでも発生しており、根絶へ向けて一定の成果を上げた[5][17]。千葉県は在来種のニホンザルの消滅の危機として[18]、市町村や環境省、学会らと連携しての対策を進めている[4]。
出典
[編集]- ^ Singh, M., Kumar, A. & Kumara, H.N. 2020. Macaca mulatta. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T12554A17950825. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-2.RLTS.T12554A17950825.en. Accessed on 02 August 2023.
- ^ CITES, 2023. Appendices I, II and III valid from 21 May 2023. Accessed on 02 August 2023.
- ^ a b c d e f g h 岩本光雄「サルの分類名(その1:マカク)」『霊長類研究』第1巻 1号、日本霊長類学会、1987年、45-54頁。
- ^ a b c “房総のニホンザル 守れ 外来種との交雑対策 県が本腰”. 東京新聞. (2017年4月22日) 2018年4月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g 多紀保彦(監修)、財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7。
- ^ a b c d 財団法人自然環境研究センター編著 『最新 日本の外来生物』、平凡社、2019年、39頁。ISBN 978-4-582-54260-8
- ^ “危険ウイルスもつ外来サルが勢力拡大、フロリダ”. (2018年11月15日) 2020年3月7日閲覧。
- ^ “特定外来生物・特定(危険)動物へのマイクロチップ埋込み技術マニュアル” (PDF). 環境省. p. 7 (2006年4月). 2023年7月26日閲覧。
- ^ “アカゲザル(イソコ)の死亡について”. 京都市動物園 (2021年9月12日). 2023年7月26日閲覧。
- ^ 荒俣宏『普及版 世界大博物図鑑 5 哺乳類』平凡社、2021年(原著1988年)、61頁。
- ^ “中国の研究所、クローン猿作成に初成功”. BBC. (2018年1月26日) 2018年4月21日閲覧。
- ^ ヘルムート・F・カプラン『死体の晩餐』同時代社、2005年。
- ^ “外来ザルと交雑3割 DNA鑑定、57頭処分 老朽フェンス損傷で 富津・高宕山動物園”. 千葉日報. (2017年2月21日) 2018年4月21日閲覧。
- ^ a b 川本芳、川本咲江、川合静ほか「房総半島に定着したアカゲザル集団におけるニホンザルとの交雑進行」『霊長類研究』第23巻第2号、2007年、81-89頁、doi:10.2354/psj.33.017。
- ^ 川本芳・萩原光・相澤敬吾「房総半島におけるニホンザルとアカゲザルの交雑」『霊長類研究』第20巻 2号、日本霊長類学会、2004年、89-95頁。
- ^ “ニホンザル3割が交雑種 千葉・富津、57頭駆除”. 産経新聞. (2017年2月22日) 2018年4月21日閲覧。
- ^ “特定外来生物「タイワンザル」、和歌山で根絶宣言へ”. 朝日新聞. (2017年11月24日) 2018年4月21日閲覧。
- ^ “交雑浸透で消滅の恐れ 房総“純粋”ニホンザル 外来種アカゲザルと”. 千葉日報. (2013年3月3日) 2018年4月21日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ZOONET アカゲザルの映像
- 哺乳類頭蓋の画像データベース(第2版)(MCPA2)
- Eudey, A. & Members of the Primate Specialist Group 2000. Macaca mulatta. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.