アイ・アム (メヘル・バーバー関連のアルバム)
『アイ・アム』 | ||||
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ピート・タウンゼント、ロニー・レーンほか の スタジオ・アルバム | ||||
レーベル | Universal Spiritual League | |||
ピート・タウンゼント、ロニー・レーンほか アルバム 年表 | ||||
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『アイ・アム』(I Am)は、イングランドのユニヴァーサル・スピリチュアル・リーグ(Universal Spiritual League)[1]が1972年に限定販売したチャリティー・アルバム[2]。インド出身の導師メヘル・バーバー(1894年 - 1969年)[3]の信奉者であるロック・ミュージシャンのピート・タウンゼント、ロニー・レーンらが制作した。
解説
[編集]経緯
[編集]本作は、1931年にイングランドで教示活動を行ない始めたバーバーの教えを広めるために1949年にロンドンに設立されたユニヴァーサル・スピリチュアル・リーグ[1]が、1969年2月に他界したバーバーの三回忌を記念して制作したアルバムで、1972年2月にバーバーの信奉者に向けて1500部が限定発売された。
本作は1970年2月の彼の75回目の誕生日を祝って制作されたアルバム『ハッピー・バースデイ』[4]の続編に相当し、タウンゼンド、レーン、カウンセラーのマイク・ダ・コスタ(Mike Da Costa)[5]は『ハッピー・バースデイ』に引き続いての参加になった。レーンは、当時在籍していたスモール・フェイセズのキーボーディストのイアン・マクレガンの協力を仰いだ。
ビリー・ニコルスは1968年にデビュー・アルバムWould You Believe[注釈 1]を発表したイングランドのシンガー・ソングライターである[注釈 2]。
ニコルスと'Forever's No Time At All'を共作したケイト・マッキナニーは、タウンゼントにバーバーの教えを知るきっかけを与えたイラストレーターのマイケル・マッキナニー(Michael McInnerney)の夫人である[注釈 3]。
ケイレブ・クエイはギタリストで、エルトン・ジョンのデビュー・シングル'I've Been Loving You'(1968年)をプロデュースしてギターを担当したことで知られる[注釈 4]。
内容
[編集]タウンゼントの'Baba O'Riley'は9分間以上にも及ぶインストゥルメンタルで、前年の1971年に発表されたザ・フーのアルバム『フーズ・ネクスト』に収録された同名曲の原型である。
タウンゼントの'Parvardigar'は、バーバーが教えたParvardigar Prayerという祈りについての曲であり、のちに'O Parvardigar'として様々な機会に披露された[注釈 5]。
収録曲
[編集]LP
# | タイトル | 作詞・作曲 | 名義 |
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1. | 「Forever's No Time At All」 | Billy Nicholls and Kate McInnerney | acoustic guitar Billy Nicholls, drums and bass electric guitar Caleb Quaye |
2. | 「How To Transcend Duality And Influence People」 | poem written and performed by Mike Da Costa | |
3. | 「Affirmation」 | Mike Da Costa | sax and vocal Mike Da Costa, guitar and drums Pete Townshend, bass Ronnie Lane, piano Ian McLagan |
4. | 「Baba O'Riley」 | Pete Townshend | Performed by Pete Townshend |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 名義 |
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1. | 「This Song Is Green」 | Billy Nicholls | guitar and vocals Billy Nicholls, ARP synthesized flute Pete Townshend |
2. | 「Everywhere I Look This Morning」 | Hank Mindlin | arrangement Hank Mindlin, violes Connie Ehmke and David Lawson, cello Loel Miller, flute Stephanie Getz, clarinet Little Remer, piano Bernie Schwartz, bass guitar George Turner, drums Dave Overton, voices Judy Ardine, Neal Crockett, Carol Leigh Duce, Sonya Lawson and Marty Lewis |
3. | 「Dragon」 | David Hastilow | guitar and vocals David Hastilow, synthesizer David Hastilow and Pete Townshend, organ Roger Seiji |
4. | 「Parvardigar」 | Pete Townshend | Performed by Pete Townshend |
CD
Avatar(Eel Pie Recording Productions Ltd, 1999年)[6][7]及びJai Baba(EPR 011, 1999年)[8]に収録された。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ニコルスはレーンやマクレガンのスモール・フェイセズと同じレコード会社に所属しており、このアルバムの制作にはスモール・フェイセズの全メンバーが参加した。
- ^ この後、長きに渡って、タウンゼントのソロ活動や再結成した後のザ・フーの活動に様々な形で携わった。
- ^ タウンゼントは1967年にマッキナニーが持っていたCharles Purdom著のThe God-Man: The Life, Journeys & Work of Meher Baba with an Interpretation of His Silence & Spiritual Teachingを読んでバーバーの教えを知った。マッキナニーは、ザ・フーのアルバム『トミー』(1969年)のジャケット・デザインを担当した。
- ^ クエイは、ジョンにとって初めてのプロフェッショナルな活動の場であったブルース・バンドのブルーソロジー(Bluesology)のギタリストだった。彼はジョンのシングル'Lady Samantha'とデビュー・アルバム『エンプティ・スカイ (エルトン・ジョンの肖像)』(いずれも1969年)の制作にも、ギタリストとして参加した。
- ^ 2001年に発表されたEPのO' Parvardigarには、スタジオ録音版、1972年にインドの信奉者の集まりで録音された版、European Baba Centreの開設を記念して制作されたドイツ語版が収録された。Raphael Ruddとの共演ライブのCDであるThe Oceanic Concert(2001年)にも収録された。
出典
[編集]- ^ a b “meherbaba.co.uk”. 2023年7月26日閲覧。
- ^ Neill & Kent (2007), p. 300.
- ^ Townshend (2012), pp. 139–140.
- ^ Neill & Kent (2007), p. 253.
- ^ “meherbabatravels.com”. 2023年8月24日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2023年7月26日閲覧。
- ^ “meherbabatravels.com”. 2023年8月4日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2023年7月26日閲覧。
引用文献
[編集]- Neill, Andy; Kent, Matt (2007). Anyway Anyhow Anywhere: The Complete Chronicle of The Who 1958-1978. London: Virgin Books. ISBN 978-0-7535-1217-3
- Townshend, Pete (2012). Who I Am. London: HarperCollins. ISBN 978-0-00-747916-0