アイザック・ランド
アイザック・ランド(Isaac Rand、1674年 – 1743年)はイギリスの薬剤師、植物学者である。チェルシー薬草園の設立初期に植物目録の出版などの仕事を担当した[1]。
概要
[編集]薬剤師名誉協会(Worshipful Society of Apothecaries)の会員で1673年のチェルシー薬草園の設立にかかわったジェームズ・ランドの息子であったと考えられている[2]。1700年にはロンドンのヘイマーケットで薬局を営んでおり、イギリスの植物学者、レナード・プルークネットの著作に、タデ科スイバ属のRumex palustrisの発見者として言及されている。
1707年に植物収集家として知られる、ジェイムズ・ペティヴァーやジョセフ・ミラーと働き、1718年にペティヴァーが没した後、薬草園の学芸員(Demonstrator)に任じられ、その仕事を1738年まで続けた。1722年に博物学者で富豪のハンス・スローンが薬草園に隣接する土地を購入し、薬草園を支援するようになり、有名な園芸家のフィリップ・ミラーが薬草園で働くようになった。チェルシー薬草園の植物目録を王立協会紀要に定期的に発表し、1730年に"Index plantarum officinalium : quas ad materiae medicae scientiam promovendam in Horto Chelseiano ali ac demonstrati curavit Societas Pharmaceutica Londinensis."を出版した。
1739年に王立協会フェローに選ばれた。アカネ科ミサオノキ属の学名、Randiaはウィリアム・ヒューストンが、ランドに献名したもので、チェルシー薬草園を訪れたことのあるカール・フォン・リンネはその名を分類名に採用した。
著作
[編集]- Index plantarum officinalium : quas ad materiae medicae scientiam promovendam in Horto Chelseiano ali ac demonstrati curavit Societas Pharmaceutica Londinensis. London, 1730
- Horti Medici Chelseiani index compendiarius : exhibens nomina plantarum quas ad rei herbariae praecipue Materiae Medicae scientiam promovendam ali curavit Societas Pharmacopoeorum Londinensium. London, 1737
参考文献
[編集]- ^ Hunting, Penelope. “Isaac Rand and the Apothecaries' Physic Garden at Chelsea”. Garden History 30 (1 (Spring, 2002)): (abstract). doi:10.2307/1587324. "1674-1743"
- ^ Henry Field and Robert Hunter Semple, Memoirs of the Botanic Garden at Chelsea (1878), p. 12.
- ^ “Chelsea Physic Garden”. Garens of Knowledge: An Exhibit of Books About Botanical Gardens. University of Wisconsin. 2010年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月11日閲覧。