まついのりこ
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まつい のりこ(松井紀子[1]、1934年3月17日 - 2017年2月12日[1])は、日本の絵本作家、紙芝居作家[1]。
絵本の代表作は『じゃあじゃあびりびり』[1][2]、『かずのほん』[3][4]、『とけいのほん』[1][2][3]など。紙芝居では『おおきくおおきくおおきくなあれ』[5][2][4]などを発表し、紙芝居の普及に努めた。
経歴
[編集]1934年3月17日[4]、和歌山県[5][3]和歌山市[6][7]生まれ。和歌山大学学芸学部を卒業後、東京で小学校教員(図工[4])となる[3]。
子育ての中で絵本に関心を持ち[3]、28歳で絵を学ぶべく武蔵野美術大学に入学[3]、卒業[5][3]。
自分の子供に手作りの絵本を作ったことが、のちに絵本作家に進む出発点となる[5][3][4]。絵本作家となる[5]。1976年、『ころころぽーん』でボローニャ世界児童図書展エルバ賞を受賞[5][2][4]。
また紙芝居でも作品を発表[5]、「観客参加型紙芝居」[4]を確立したと評される[2]。「紙芝居文化の会」代表を務め、紙芝居の普及に当たる[6]。1991年から始めたベトナムへの紙芝居普及支援について「ベトナム文化功労賞」を受賞している[6]。
夫は数学教育者の松井幹夫で、算数に関する共著書もある。長女は松井エイコ(壁画家)[1]、次女は松井朝子(パントマイミスト)[1]。
作品
[編集]絵本は2007年8月までに67冊が出版された[8]。
絵本
[編集]- 『たしざん』福音館書店 1971
- 『あいうえおのほん』フクインカン 1972
- 『かずのほん』遠山啓監修 福音館書店 かがくのとも傑作集 1972
- 『ひきざん』フクインカン 1972
- 『ひらがなのほん』福音館書店 かがくのとも傑作集 1972
- 『とけいのほん』福音館書店 1973
- 『あかちゃんのほん [1] (あめふり)』偕成社 1974[3]
- 『あかちゃんのほん [2] (おたんじょうび)』偕成社 1974
- 『あかちゃんのほん [3] (おはよう)』偕成社 1974
- 『ころころぽーん』福音館書店 1975 - 1976年、ボローニャ世界児童図書展エルバ賞[5][1][2][4]
- 「ちっちゃなちっちゃなおばけ」偕成社、1976[3][4]
- 1、ぴーちゃんにじにのる
- 2、ぴーちゃんくもにとぶ
- 3、ぴーちゃんほしのことあそぶ
- 『おうちができた』偕成社 かんじのえほん 1980
- 『ふしぎなかがみ』偕成社 かんじのえほん 1980
- 『みんなでうたおうよ』小作久美子作曲 偕成社 かんじのえほん 1980
- 『じどうしゃくるるん』作・絵 偕成社 1981
- 『すうじの本』岩波書店 ぼくのさんすう・わたしのりか 1981
- 『カタカナのほん』偕成社 1982
- 『九九のほん』偕成社 1982
- 『じゃあじゃあびりびり』(偕成社)1983
- 『ばいばい』偕成社 1983
- 『みんなでね』偕成社 1983
- 『クリスマスケーキをさあどうぞ』トモ企画 まついのりこクリスマスえほん 1984
- 『はじめてのたしざん』偕成社 1984
- 『はじめてのひきざん』偕成社 1984
- 『ひらがなあいうえお』偕成社 1984
- 「行事こびとのえほん」童心社
- おしょうがつこびとのおはなし 1986
- おつきみこびとのおはなし 1986
- こいのぼりこびとのおはなし 1986
- たなばたこびとのおはなし 1986
- ひなまつりこびとのおはなし 1986
- まめまきこびとのおはなし 1986
- 『くりあがりのたしざん』偕成社 1986
- 『サンタといっしょにメリークリスマス』トモ企画 まついのりこクリスマスえほん 1986
- 『サンタにてがみがとどいたよ』トモ企画 まついのりこクリスマスえほん 1986
- 『おおきくなった!』偕成社 1987
- 『おかあさんだ』偕成社 1987
- 『じょうずじょうず』偕成社 1987
- 「どんぐりくんのことばえほん」講談社 1987
- どんぐりひろばの12つき
- ぼーるころころぽーん 1987
- くいしんぼうのどんぐりくん 1990
- どんぐりくんのかくれんぼう 1990
- 「まるちゃんのたからもの」偕成社
- ふしぎなくるま 1988
- ふしぎなプロペラ 1988
- ふしぎなほし 1988
- ぴかぴかぴかっ 2009
- ぶるるんぶるるん 2009
- 『こびとくんなにしてるの かずとあそぼう』童心社 さんすうあそびえほん 1992
- 『とびらをとんとんとん みぎひだりとあそぼう』童心社 さんすうあそびえほん 1992
- 『トンネルにはいろう かたちとあそぼう』童心社 さんすうあそびえほん 1992
- 『クリスマスケーキをさあどうぞ』童心社 まついのりこクリスマスえほん 1995
- 『サンタといっしょにメリークリスマス』童心社 まついのりこクリスマスえほん 1995
- 『サンタにてがみがとどいたよ』童心社 まついのりこクリスマスえほん 1995
- 『いじわるあくまだどうしよう』童心社 ひらがなあそびえほん 1996
- 『うちゅうじんがやってきた』童心社 ひらがなあそびえほん 1996
- 『おばけくんなかないで』童心社 ひらがなあそびえほん 1996
- 『うしろにいるのはだあれ』童心社 2003
- 『とっとことっとこ』童心社 2003[2]
- 『あの日の空の青を』松井エイコ絵 童心社 2005
- 『きゅるきゅるきゅる』偕成社 まるちゃんのたからもの 2009
- 『とんとんとんこんにちは!』童心社 2009
- 『ぶたちゃんりんごちゃん』童心社 2009
紙芝居
[編集]- 『おおきくおおきくおおきくなあれ』(童心社) - 1983年、高橋五山賞[5][2][4]
- 『たからさがし』脚本・画 童心社 よいこの12か月 1983
- 『ごきげんのわるいコックさん』ひょうしぎ共脚本・画 童心社 とびだすせかい 1985
- 『ふしぎなくるま』脚本・絵 童心社 2000
- 『かりゆしの海』脚本・絵 横井謙典写真 童心社 かみしばいとびだすせかい こども参加 2008
- 『ひーらいたひーらいた』脚本・絵 童心社 2010
- 『UFOがやってきた 目の不自由な人といっしょに』脚本・絵 童心社 障がいを理解する紙しばい いっしょにあるこうね 2012
- 『みんなでぽん! 手話ってすてきなことば』脚本・絵 童心社 障がいを理解する紙しばい いっしょにあるこうね 2012
評論
[編集]- 『紙芝居・共感のよろこび』童心社 1998
- 『紙芝居の演じ方Q&A』作・絵 童心社 2006
共著
[編集]- 『絵でおぼえる漢字の本』下村昇著 偕成社、1977-78[3]
- 『わかるわりざん』松井幹夫共著 岩波書店 算数と理科の本 1979
- 『さんすう絵本 1・2年生のさんすうたんけん』松井幹夫共著 偕成社 1995
- 『大きな数のかけ算』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2006
- 『わり算わかったよ』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2006
- 『2けたのたしざんひきざん』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2006
- 『3けた4けたのたしざんひきざん』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2006
- 『9までのたしざんひきざん』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2006
- 『かけざんとかけざん九九』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2006
- 『くりあがりくりさがり2けたのたしざんひきざん』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2006
- 『くりあがりのたしざんくりさがりのひきざん』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2006
- 『大きな数でわるわり算』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2008
- 『小数のかけ算の秘密』松井幹夫共著 偕成社 算数たんけん 2012
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j “「じゃあじゃあびりびり」の作家死去 まついのりこさん”. 朝日新聞. (2017年2月24日) 2017年2月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “自作を語る『ぴーちゃんの誕生記』”. メルヘンハウス (2011年12月). 2017年2月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “まついのりこ”. デジタル版 日本人名大辞典+Plus(コトバンク所収). 2017年2月24日閲覧。
- ^ a b c “まついのりこ”. 絵本ミュージアム2010. 特定非営利法人 子ども文化コミュニティ. 2017年2月24日閲覧。
- ^ “和歌山県民の友WEB版12月号”. 和歌山県 (2004年12月). 2017年2月24日閲覧。
- ^ “自作を語る『ぴーちゃんの誕生記』”. メルヘンハウス (2007年8月). 2017年2月24日閲覧。