なみあし
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なみあしは身体操作法、動作法の一つ[1]。
小田伸午、木寺英史で構成される常歩研究会が提唱している。歩行を中心とした動作法[2]。
京都大学の馬術部の馬の歩法 (馬術)「常歩」からヒントを得た[3]。
中心技術
[編集]中心となる技術は以下の5つである。
- 二軸感覚(動的安定) 地面に接している脚(接地脚)ではなく、浮いている側の脚(遊脚)側に「軸」を常に移動させようとする感覚のこと[4]。
- 膝関節の抜き 膝関節を瞬間的に屈曲させ、抜重すること[5]。
- 足関節の背屈(抜き) 底屈(蹴る動作)は用いず、ただ身体を支えるだけの操作[6]。
- 股関節の外旋 膝、足関節の抜きを容易にするために、接地脚全体を外側に回すように股関節を操作すること[7]。
- 踵荷重 身体の重心から見て一番後ろにある接地脚の踵に荷重することで、身体は前向きに倒そうとするモーメントを強く働かせること。(後退する場合は爪先荷重)[8]
スポーツとの関連
[編集]剣道、野球、サッカー、陸上競技、スキーなどで活用が試みられている[9]。小田らはこの特徴とコンタクトスポーツ上級者の共通点を主張し[10]、二足歩行ロボットHRP-2を用いた研究で高速歩行時の体幹周りのモーメントを相殺して足裏の滑りを軽減する効果を報告している[11]。低学年の子どもたちは2本のレールを左右の足で踏むように、一直線をまたぐように走り(二直線走法)、学年が進むと一直線上を走る(一直線走法)ようになる。トップアスリートは低学年の子どもたちのように,一直線をまたぐ傾向にあり、股関節が外旋位にあるときが大きな力を出せると木寺は主張している[12]。 歩行研究の観点からは、二直線歩行は太腿の内側の筋肉の衰えのサインとされ[13]、乳児の歩行における股関節の外旋の大きさは、複雑な運動制御を行うことが困難な赤ちゃんが[14]これを用いて安定な足踏みから前進するためと言われている[15]。 サッカーにおける研究では、反証可能性を満たさず疑似科学であるとも指摘されている[16]。
脚注
[編集]- ^ 大崎満 2016, p. 143.
- ^ 水口慶高 & 木寺英史 2017, p. 119.
- ^ 小田伸午 2011, p. 7.
- ^ 大崎満 2015, p. 124.
- ^ 藤波努, 青山賢作 & 市川大祐 2006, p. 126.
- ^ 小田伸午 2005, p. 246.
- ^ 上田淳 et al. 2003, p. 86.
- ^ 小田伸午 2005, p. 249.
- ^ 常歩研究会編、常歩式スポーツ上達法、スキージャーナル社、2007年6月20日
- ^ 林祐一郎 et al. 2015, p. 2.
- ^ 上田淳 et al. 2005, p. 464.
- ^ 木寺英史 2009, p. 4.
- ^ 岡本勉 & 岡本香代子 2004, p. 40.
- ^ 石井陽一朗, 成岡健一 & 細田耕 2009, p. 1.
- ^ 上田剛史, 田熊隆史 & 細田耕 2007, p. 2.
- ^ 布目寛幸 2008, p. 499.
外部リンク
[編集]- なみあし身体研究所
- 上田淳、池田篤俊、白栄健司、竹村裕、小笠原司、小田伸午「8B22 股関節の外旋モーメントを利用した歩行及び運動の解析」『福祉工学シンポジウム講演論文集』第3巻、日本機械学会、2003年、85-88頁、doi:10.1299/jsmewes.2003.3.85、ISSN 24243035、NAID 110002481996、CRID 1390001205947065088、2022年9月27日閲覧。
- 岡本勉、岡本香代子『老化予防のウォーキング』歩行開発研究所、2004年、40頁。ISBN 9784902473018 。2022年10月1日閲覧。
- 小田伸午「身体運動における主観と客観のずれ : 対立から対応へ」『物性研究』第84巻第2号、物性研究刊行会、2005年、241-251頁、ISSN 05252997、NAID 110006409985、国立国会図書館書誌ID:7375588、2022年9月27日閲覧。
- 上田淳、白榮健司、小田伸午、小笠原司「コンタクトスポーツ上級者の骨盤回旋運動を規範にしたヒューマノイドロボットのモーメント補償高速歩行」『日本ロボット学会誌』第23巻第4号、日本ロボット学会、2005年、457-465頁、doi:10.7210/jrsj.23.457、ISSN 0289-1824、NAID 10015728202、国立国会図書館書誌ID:7361302、2022年10月1日閲覧。
- 藤波努、青山賢作、市川大祐「A24 アメリカンフットボールのスローイングが野球の投球フォームに与える影響について」『ジョイント・シンポジウム講演論文集:スポーツ工学シンポジウム:シンポジウム:ヒューマン・ダイナミックス』、日本機械学会、2006年、125-129頁、doi:10.1299/jsmesports.2006.0_125、ISSN 24331309、NAID 110006639048、国立国会図書館書誌ID:9597550、2022年9月27日閲覧。
- 上田剛史、田熊隆史、細田耕「股関節外旋位を利用した周期的二足歩行」『第8回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集』CD-ROM、計測自動制御学会、2007年、1-2頁、2022年10月1日閲覧。
- 布目寛幸「サッカーに関する二軸動作(理論)の科学性の検証--二軸の非科学性を問う」『体育学研究』第53巻第2号、日本体育学会、2008年、491-500頁、doi:10.5432/jjpehss.a530213、ISSN 04846710、NAID 110007028126、国立国会図書館書誌ID:9770412、2022年9月27日閲覧。
- 木寺英史「アクセスナウ!/動きの「錯覚」を解く」『こどもと体育』第150号、光文書院、2009年、4-5頁、ISSN 2187-9761、CRID 1130000793631382656、2022年10月1日閲覧。
- 石井陽一朗、成岡健一、細田耕「2A1-F09 筋骨格系赤ちゃんロボットの股関節外旋を利用した歩行創発」『ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集』第2009巻第2009号、日本機械学会、2009年、1-4頁、doi:10.1299/jsmermd.2009._2a1-f09_1、ISSN 2424-3124、NAID 110008698145、CRID 1390001205936261632、2022年10月1日閲覧。
- 小田伸午「頭で理解して、感覚で実践する」『Reed』第26号、関西大学、2011年、7-8頁、2022年9月27日閲覧。
- 林祐一郎、長谷和徳、内藤尚、西澤教之「神経振動子のフィードバック式変化によるナンバ歩行様式の生成と評価」『日本機械学会論文集』第81巻第824号、日本機械学会、2015年、1-11頁、doi:10.1299/transjsme.14-00644、ISSN 2187-9761、NAID 130005066591、CRID 1390001205515666176、2022年10月1日閲覧。
- 大崎満「足の裏の哲学」『サステナnew』第36号、東京大学、2015年、123-139頁、国立国会図書館書誌ID:029226048、2022年9月27日閲覧。
- 大崎満「神のエキス」『サステナnew』第40号、東京大学、2016年、122-211頁、国立国会図書館書誌ID:029226052、2022年9月27日閲覧。
- 水口慶高、木寺英史『要は「足首から下」~足についての本当の知識~』実業之日本社、2017年、119頁。ISBN 9784408026176 。2022年9月27日閲覧。