コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

さんピンCAMP

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

さんピンCAMP(さんピンキャンプ、THUMPIN' CAMP)は、1996年7月7日に日比谷野外音楽堂で開催されたヒップホップイベント。提唱者のECDを始め、YOU THE ROCK★LAMP EYEZEEBRAキングギドラ)、RHYMESTERDEV LARGEBUDDHA BRAND)、SHAKKAZOMBIESOUL SCREAM等の日本のヒップホップアーティストが多数集結した。

概要

[編集]

それまでの日本のヒップホップシーンにおいて、ECD主催の「CHECK YOUR MIKE」や、YOU THE ROCK★主催の「ブラック・マンデー」、のイベント「亜熱帯雨林」などといった、クラブイベントをベースとする複数のアーティストが参加したイベントは数多く開催されていたものの、大会場を使用するほどの大規模なイベントは開催されていなかった。その意味でさんピンCAMPは、日本で初めて大会場で開催されたヒップホップイベントとして位置づけられている。

さんピンCAMPのステージではRHYMESTER「耳ヲ貸スベキ」、BUDDHA BRAND「人間発電所」、キングギドラ「未確認飛行物体接近中」「空からの力」、MURO「バスドラ発スネア行」、LAMP EYE証言」など、後に「クラシック」として分類される曲が多数披露された。

後にこのイベントを収録したビデオ、及びDVDがリリースされている(DVDはカッティング・エッジより。ASIN B0000E6YWQ)。当日のライブ映像だけではなく、当時の日本のヒップホップシーンの盛り上がりを伝える映像も収録されている。ディレクターを務めたのはスチャダラパーBOSEの実弟である光嶋崇。また、このイベント名を冠したコンピレーションCDも発売された ASIN B0000E6YWR)。

J-RAPという呼称へのアンチテーゼ

[編集]

当時、日本語ラップを表現する言葉として、m.c.A・Tが考案した「J-RAP」が使われていたが、主催者のECDがイベントの冒頭で「J-Rapは俺が殺した!」と宣言している[1]ことから、当時偏見視されがちであった日本のヒップホップシーンの確立を念頭に置いていたことは考慮に難くない。少なくとも、J-RAPというPOPなセルアウト枠にはめられることへのアンチテーゼとしてこのイベントが位置づけられていた。この側面も、当イベントの重要性の一因として捉える根拠の一つとなっている。

主な出演者

[編集]

グループと単体(客演など)の両方で出演したアーティストは、グループでの出演として数える。

エピソード

[編集]
  • このイベントの1週間後に、同会場でスチャダラパーを中心としたリトル・バード・ネイションによる「大LB夏まつり」が行われている。さんピンの出演者には、LBに対して挑発的な発言をする者も存在した[2]。またスチャダラパー自身も観客として見に来ていた。
  • 四街道ネイチャーMC JOEのみ、「大LB夏まつり」「さんピン」の両方に出演している他、「THUMPIN' CAMP」のロゴマークを「大LBまつり」出演者である、キミドリのKURO-OVIが手がけている。また、VHSのディレクターを務めたのは、スチャダラパー Boseの実弟の光嶋崇である。

さんピンCAMP20

[編集]

1996年のさんピンCAMPから20年の時を経て、同じ場所である日比谷野外大音楽堂にて「さんピンCAMP20」と題した復活イベントを2016年7月10日に開催[3]

さんピンCAMP20の出演者

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 『Bounce』228号、2001年12月25日刊行より。参考 Archived 2008年6月4日, at the Wayback Machine.
  2. ^ 『Bounce』同記事を参照のこと
  3. ^ “ニトロ再集結!20年ぶり「さんピンCAMP」6時間の全容”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2016年7月16日). https://amp.natalie.mu/music/news/194790 2021年6月6日閲覧。