レオミュール度
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レオミュール度(レオミュールど、英語: Réaumur scale、記号: °Ré)は、レオミュール温度目盛による温度を計測・表示する単位である。
列氏温度(れっしおんど)ともいう。
概要
[編集]1730年にフランスの物理学者のルネ・レオミュールが発表した[1]。
水の凝固点を0°Réとして、これを温度基準点とし、このときのアルコール体積を1000単位としてアルコール体積が1単位増加するごとに温度も1度ずつ増えるとする[1]。このように加熱していくと沸騰水に浸した開管の中のアルコールが沸騰し始める値は+80となる(沸点は80°Ré)[1]。
セルシウス度で知られるアンデルス・セルシウスが水の氷点と沸点の2個の温度基準点を元に分割により目盛りを定めたのに対し、ルネ・レオミュールは温度基準点を氷点の1個のみに置きアルコールの体積増加を基準に目盛りを定めた[1]。
2個の温度基準点の分割で目盛りを定めたわけではなく、ルネ・レオミュールが予め沸点を80度に定めたというのは誤伝とされている[1]。
レオミュール度は現在ほとんど使われていない。
℃と°Fを併用した温度計はいくつかの国で見られたが、日本の幕末の江戸幕府の軍艦から回収された温度計には°Fと°Réとの併用が見られ、これは珍しい例とされている[1]。
一覧表
[編集]レオミュール度から | レオミュール度へ | |
---|---|---|
セルシウス度 | [°C] = [°Ré] × 5⁄4 | [°Ré] = [°C] × 4⁄5 |
ファーレンハイト度 | [°F] = [°Ré] × 9⁄4 + 32 | [°Ré] = ([°F] − 32) × 4⁄9 |
ケルビン | [K] = [°Ré] × 5⁄4 + 273.15 | [°Ré] = ([K] − 273.15) × 4⁄5 |
ランキン度 | [°R] = [°Ré] × 9⁄4 + 491.67 | [°Ré] = ([°R] − 491.67) × 4⁄9 |
温度の間隔は以下のようになっている。 1 °Ré = 1.25 °C = 2.25 °F 他の温度の単位への換算 |
ケルビン | セルシウス度 | ファーレンハイト度 | ランキン度 | ドリール度 | ニュートン度 | レオミュール度 | レーマー度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
絶対零度 | 0 | −273.15 | −459.67 | 0 | 559.725 | −90.14 | −218.52 | −135.90 |
地球表面の最低気温(※1) | 183.95 | −89.2 | −128.56 | 331.11 | 283.8 | −29.436 | −71.36 | −39.33 |
ファーレンハイトの寒剤 | 255.37 | −17.78 | 0 | 459.67 | 176.67 | −5.87 | −14.22 | −1.83 |
水の融点(標準状態下) | 273.15 | 0 | 32 | 491.67 | 150 | 0 | 0 | 7.5 |
地球表面の平均気温 | 288 | 15 | 59 | 518.67 | 127.5 | 4.95 | 12 | 15.375 |
人間の平均体温 | 309.95 | 36.8 | 98.24 | 557.91 | 94.8 | 12.144 | 29.44 | 26.82 |
地球表面の最高気温(※2) | 329.85 | 56.7 | 134.06 | 593.73 | 64.95 | 18.711 | 45.36 | 37.268 |
水の沸点(標準状態下) | 373.15 | 100 | 212 | 671.67 | 0 | 33 | 80 | 60 |
チタンの融点 | 1941 | 1668 | 3034 | 3494 | −2352 | 550 | 1334 | 883 |
太陽の表面温度 | 5800 | 5526 | 9980 | 10440 | −8140 | 1823 | 4421 | 2909 |