コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

満屋裕明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Linearcollider (会話 | 投稿記録) による 2018年12月19日 (水) 01:28個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (脚注:外部リンクの追加、修正)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

満屋 裕明
生誕 (1950-08-09) 1950年8月9日(74歳)
日本の旗 日本 佐世保市
研究分野 ウイルス
出身校 熊本大学医学部(1975年卒)
主な業績 世界初のHIV治療薬 (AZT) の開発
主な受賞歴 紫綬褒章2007年
日本学士院賞(2015年)
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

満屋 裕明(みつや ひろあき、1950年8月9日[1] - )は、日本のウイルス学者。熊本大学医学部内科学の教授。アメリカ国立がん研究所内科療法部門レトロウイルス感染症部部長。国立国際医療研究センター臨床研究センター長(2012年-)。HIV治療薬の研究を行っている。獨協医科大学特任教授。

1985年アメリカ国立衛生研究所で世界初のHIV治療薬「AZT」を開発した[1]。同年にAZT開発について論文発表をしたが、アメリカでの特許は、実験に協力していたバローズ・ウェルカム社が、満屋に無断で取得してしまった[2]。満屋は同社が高価格でAZTを売り出したことに怒り、さらに新しいHIV治療薬の研究に励んだ[2]。その結果、世界で2番目と3番目のHIV治療薬(「ddI (en:Didanosine)」と「ddC (en:Zalcitabine)」)も満屋が開発した[2]。なお、満屋がライセンスを企業に与える際には、適切な価格での販売を条件にしている[2]

2006年には、アメリカの研究者との共同研究で開発したHIV治療薬「ダルナビル (en:Darunavir)」が、途上国が特許料を払わずに使える医薬品として世界で初めて国連の機関に登録された[3][4]

2007年には紫綬褒章を受勲、2015年には日本学士院賞を受賞[4]

略歴

学歴

  • 1969年 県立佐世保北高等学校卒業(第21回生)
  • 1975年 熊本大学医学部卒業[5]
  • 1982年 医学博士(熊本大学、学位請求論文『原発性免疫不全症患者末梢血リンパ球の病理病態学的解析 : 末梢血リンパ球のpokeweed mitogen,Epstein-Barrビールスでのin vitro刺激による免疫グロブリン合成』)[6]

職歴

  • 1975年 熊本大学医学部附属病院第二内科入局
  • 1980年 熊本大学医学部第二内科学講座助手
  • 1982年 熊本大学 医学博士
  • 1983年 渡米、国立衛生研究所 配属。
    1983年 アメリカ国立がん研究所客員研究員[1]
    1985年 アメリカ国立がん研究所臨床癌プログラムCancer Expert(上級研究員)
    1989年 同プログラムSenior Investigator(主任研究員)
    1991年 同研究所内科療法部門レトロウイルス感染症部部長
  • 1997年 熊本大学医学部内科学第二講座(現血液膠原病内科)主任教授
    1999年 熊本大学医学部附属病院治験支援センター長(兼任)
    2000年 同附属病院感染免疫診療部長(兼任)
    2000年 同附属病院病院長補佐
    2001年 同附属病院副病院長
    2003年 京都大学ウイルス研究所エイズ研究施設客員教授
    2004年 京都大学ウイルス研究所客員教授
    2012年 国立国際医療研究センター 臨床研究センター長・理事、京都大学ウイルス研究所客員教授、獨協医科大学特任教授
    2016年熊本大学医学部附属病院総合臨床研究部 特別招聘教授、国立国際医療研究センター 研究所 所長・理事、熊本大学名誉教授
    2017年千葉大学客員教授、獨協医科大学特別栄誉教授

受賞・叙勲

脚注

  1. ^ a b c 慶應義塾 (2007年9月26日). “第12回慶應医学賞受賞者決定”. http://www.ms-fund.keio.ac.jp/prize/news/2007release-j.pdf 2015年7月14日閲覧。 
  2. ^ a b c d “タイムスリップ 高額に義憤、第2・第3の新薬~世界初のエイズ薬、企業が無断で特許”. 朝日新聞: p. 23. (2011年2月15日). オリジナルの2011年11月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111118110329/https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/VL6j2ozUkk 
  3. ^ “第21回(2014年度)読売国際協力賞 満屋裕明・熊本大教授 途上国にエイズ薬普及 特別賞:青年海外協力隊など3団体”. 読売新聞. (2014年11月4日). https://info.yomiuri.co.jp/group/yri/k-prize/450.html 2018年12月19日閲覧。 
  4. ^ a b 国立国際医療研究センター公式サイト - お知らせ - 満屋裕明臨床研究センター長の「日本学士院賞」受賞決定について
  5. ^ 長崎緑子 (2005年9月4日). “満屋裕明さん”. 朝日新聞社. http://mytown.asahi.com/kumamoto/news.php?k_id=44000139999990327  [リンク切れ]
  6. ^ 博士論文データベース
  7. ^ 2007年4月28日薬事日報
  8. ^ 第12回慶應医学賞受賞者
  9. ^ 朝日賞 2014(平成26)年度 受賞者一覧
  10. ^ 日本学士院賞授賞の決定について”. 日本学士院. 2015年3月16日閲覧。
  11. ^ 日本学士院賞に細野秀雄氏ら9人”. サイエンスポータル. 科学技術振興機構 (2015年3月13日). 2015年3月16日閲覧。
  12. ^ 日本学士院賞に9人選ばれる”. NHLニュース. NHK (2015年3月12日). 2015年3月16日閲覧。

外部リンク

');