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山田栄子

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やまだ えいこ
山田 栄子
プロフィール
本名 久村 栄子
ひさむら えいこ
出生地 日本の旗 日本神奈川県
生年月日 (1954-06-13) 1954年6月13日(70歳)
血液型 AB型
所属 フリー
活動
活動期間 1979年 -
デビュー作 アン(『赤毛のアン』)
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

山田 栄子(やまだ えいこ、1954年6月13日 - )は日本の女性声優。かつては青二プロダクションに所属。神奈川県横浜市生まれ。本名:久村 栄子(ひさむら えいこ 旧姓:山田)。

代表作に『赤毛のアン』(アン役)、『愛の若草物語』(ジョオ役)などの世界名作劇場シリーズ、『キャプテン翼(昭和版)』(岬太郎役)、『アニメ三銃士』(アラミス役)、『忍者ハットリくん』(影千代役)など。

人物紹介

特色

主に1980年代を中心に活躍。女性としては低めの声質だが、役柄によっては高音域も使用する。

役に入り込み、感情を理解した上で演じることを信念としており、可憐な美少女から少年、魔女、動物、コンピューター、人魂など担当分野は広い。数は少ないが、『ドラゴンボール』のマイ、『らんま1/2 熱闘編』の紅つばさなど、ギャグ色の強いキャラクターも演じる。

世界名作劇場シリーズへの多数の出演が知られる他(後述)、『忍者ハットリくん』(影千代役)、『ビリ犬』(ガリ犬役)など、藤子不二雄作品にも繋がりが深い。

経歴

1979年に『赤毛のアン』のアン・シャーリー役でデビュー。当初は女性の役が多かったが、1980年の『太陽の使者 鉄人28号』(金田正太郎役)以降、少年役を演じる機会も増加。1983年から放送された『キャプテン翼(昭和版)』での岬太郎役は、特に高評価を受けた。

1985年の『小公女セーラ』では、主人公セーラのいじめ役・ラビニアを担当。以降、小悪魔的な要素も多く見られるようになる。また『小公女セーラ』以後、世界名作劇場シリーズへの出演がより増えてゆくこととなった。

1988年、出産・育児により短期間休業。これにより、『ビックリマン』のフッド役を途中降板している。またガリ犬役を担当していた『ビリ犬』では、休業中はガリ犬の出番を無くす対処がなされた。その後活動を再開し、1990年代前半頃まで活発な活動を行った。

2002年頃、青二プロダクションを退団。その後NHK教育人形劇には、結婚後の本名である久村姓で出演したが、ゲームやインタビューなどかつての出演に関連する仕事では、現在でもほぼ一貫して山田姓を使用している。

2007年4月、三ツ矢雄二が自身公式HPの中で、山田を「引退した」という言葉を付け紹介。しかし久村姓では、前述した人形劇に出演している。2008年には、復活版・世界名作劇場の第2作『ポルフィの長い旅』に数話ゲスト出演。山田姓での出演及びアニメ作品本編への出演は、2000年代ではこれが初となった。また、2009年放送開始の名作劇場の新作『こんにちは アン 〜Before Green Gables』の放映開始前、番宣CMにも出演した。

エピソード

  • 前述の信念から、泣きの演技で本当に感極まって泣いてしまうこともしばしばあったという(『ナンとジョー先生』収録時など)。
  • 仲の良い声優に三田ゆう子がいる。
  • 伝説巨神イデオン』の監督・富野由悠季は、演技を改善する為に何回でもリテイクを許した。放送当時の出演声優達による座談会の中で、山田はこれを嬉しかったと話している。
  • 2008年1月27日放送の『大胆MAP』(テレビ朝日系)の「人気アニメキャラの声やってる人の素顔全部見せます!ベスト20」(6位 アン・シャーリー)で顔出し出演。顔出しでのテレビ出演は約20年ぶり(ただし遠目を条件での出演だった)。
  • 娘の久村夏里奈が、『ポルフィの長い旅』第24話で声優デビューを果たした。

山田と世界名作劇場

世界名作劇場シリーズでは、地上波で放送された23作品中、全声優中最多となる10作品に出演[1]している。このうち『赤毛のアン』、『愛の若草物語』の2作品で主人公を担当し、堀江美都子松尾佳子折笠愛と共に、シリーズにおいて複数の作品で単独主演を果たした声優[2]の1人となった。

また、出演作品数だけでなく役柄も、シリーズ内だけで多くの系統を担当。夢見がちキャラ、陰湿キャラ、少年、男勝り系少女、妙齢の女性、母親、動物などを演じた。特に1985年の『小公女セーラ』から1988年の『小公子セディ』までは、4年連続レギュラー・準レギュラーとして登場し、その都度系統の異なるキャラクターを演じた。

これらから潘恵子堀江美都子吉田理保子中西妙子らと共に、名劇を代表する声優の1人に数えられ、その中でも最も繋がりが深いとされる。また、逆に山田の経歴が語られる際にも、シリーズはほぼ触れられる存在となっている。

同シリーズは、登場人物の生活をきちんと描写することを重視し、台詞も多いとされる。この為、自分をキャラクターの心情と完全に一致させようとする山田とは、相性が良かったとも言われている。

『愛の若草物語』でジョオ役、『小公女セーラ』でラビニア役を担当した縁から、後にはそれぞれの外画版吹き替えにおいても、役を引き継いでいる[3]。ただし外画版『赤毛のアン』では、アンを演じる機会は無かった。

アン

デビュー作『赤毛のアン』では、主役の最終候補に山田と島本須美が残っていた。この際、純粋に演技力とイメージの近さを評価されていたのは島本であり、山田は「演技が大げさ気味でたどたどしく、イメージとも少しずれている」という評価だったという。

レイアウトなどを担当していた宮崎駿は、特に強く島本を支持したが[4]、演出の高畑勲は「破天荒で空想がちなアンを演じるには、少しイメージを崩したほうが良い」と考え、あえて山田を起用。結果として水が合い、以後シリーズの常連となるに至ったというエピソードがある。

ラビニア

小公女セーラ』では、前述の通りラビニアを担当。放送当時、作中でラビニアとミンチンによるセーラへのいじめが苛烈を極めた際、視聴者からの非難が殺到した。

結果、それぞれを演じた声優までが恨みを買い、山田とミンチン役の中西妙子宛てにカミソリ入りの手紙が送られる事態が発生[5]、また一部の山田ファンからは、「あんな役をやってほしくない」と降板依頼の手紙が届いたという。これらに加え、山田は執拗に陰湿な行為を行うラビニアの内面を理解出来ず、前述の信念とぶつかり苦悩する結果となった。 収録時、涙を流しながらセーラをいじめていたほどだった、と島本談。

これらから、中西共々「こんな役は2度とやりたくない」と漏らしていたという。ただしその一方で、ラビニアが演技の幅を更に広げる転換点となり、役者としては良い経験となったとも発言している。

主な出演作品

太字は主役

テレビアニメ

OVA

劇場版アニメ

ゲーム

吹き替え

実写

ラジオ

  • ハマラジ(現:FMヨコハマ)ライドオンオートバックス

CD・カセット

その他

脚注

  1. ^ デビュー後に限れば19作品中。ただし、10作品のうち『私のあしながおじさん』のサディは数話のみの登場。
  2. ^ ただし、『あらいぐまラスカル』をスターリングだけでなくラスカルも、『愛の若草物語』をジョオだけでなく他の姉妹も主人公と捉えるなら、野沢雅子潘恵子も2度主演していることになる。また、『ナンとジョー先生』をナンだけでなくジョーも主人公と捉えた場合、山田は主演数で堀江と並ぶ3回となり、1位タイとなる。
  3. ^ テレビ放送版のみであり、現在視聴はほぼ不可能。
  4. ^ 起用されなかった理由が「声が綺麗すぎる」だったといわれるが、これには奥歯に物の挟まった言い方との意見がある。
  5. ^ セーラを演じた島本が、『小公女セーラ』LDにおけるインタビューの中で発言。

関連項目

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