コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

定速運転

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。ShunKikuchi219 (会話 | 投稿記録) による 2007年11月28日 (水) 05:09個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (定速運転の方法)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

定速運転(ていそくうんてん)とは鉄道の列車の運転に於いて、任意の速度を設定速度としてその速度を維持するよう自動的に列車速度の加減速を行うものである。車両工学上では「定速制御」とも言われ、自動車のクルーズコントロールに相当する。

概要

一般的な列車の運転では駅を発車した後、一定の速度まで加速して惰行(惰性走行)するが優等列車などの場合次の停車駅まで距離があることが多く、惰行中に速度が低下する為再加速を行い、下り勾配の区間を通過する時には加速しないようブレーキを微調整しながら通過するが前述の通り駅間距離が長い場合この作業を繰返し行うことになり、運転士の運転疲労の原因となる。そこでこれらの制御を自動化することになったもので、これが定速運転である。

VVVFインバータ制御方式が登場するまでは複巻整流子電動機の分巻コイルの界磁電流を磁気増幅器、可変抵抗器、サイリスターなどで制御を行う方式が主流であったが、VVVFインバータ制御方式は周波数を固定することにより簡単に定速運転を得ることができるため急速に普及した

定速運転の方法

定速運転は加速制御(JRは加速制御のみが多い)と抑速制御を自動化したもので運転士の操作で入・切の操作がされる。入(定速運転開始)の操作は、次の方式がある。

  1. マスコンハンドルを「定速」と書かれたノッチに合わせる(「定速」と書かれたボタンを押す)。
    このタイプは優等列車専用車に多い。(東武鉄道 100系200系・250系京成電鉄AE100形京阪電気鉄道 8000系3000系JRの一部車両等)
  2. マスコンハンドルを一定の力行ノッチに合わせる。この場合ノッチそのものには「定速」とは書かれていないが暫く入れ続けることで定速運転になる。
    このタイプは1.とは逆に通勤形の車輛に多い。(東武50000系東京都交通局都営地下鉄10-300形阪急電鉄8000系以降の阪急全車種、9000系以降の東京急行電鉄全車種等)
  3. マスコンハンドルを定速運転したい速度に合わせる。
    このタイプは初期(特に1960年代-1970年代東洋電機製造が製造した物)の定速運転可能車両に多い。(京阪700形AE形(廃車)、阪急2000系(現在は定速運転機能なし)等)
  4. マスコンハンドルを「力行」の最大ノッチに合わせて「定速」と書かれたボタンを押す。
    このタイプはJRに多い。(E231系E233系815系817系他)

定速運転を切る(定速運転終了)には一旦「N(惰行)」に合わせるなど、定速ノッチ以外にハンドルを動かすことで切れる。 また1.の方式の場合、定速運転を切らずに設定速度を調整できる場合が多い。この場合定速ノッチの前後に速度調整用ノッチ(通常、+や-と書かれる)があり、これを使って設定速度を調整する(設定速度を調整するのは、ポイントや徐行区間などの速度制限区間通過による一時的な減速のため)。

なお、ある程度速度が出ていない(鉄道車両にもよるが概ね60Km/h以上)と定速運転が働かないことがある。また電車区に設置されている車両洗浄機を通過する際に概ね10~25km/h以下でも定速運転ができる様、「低定速運転」機能を設けている車両もある(都営5300形等)。その際の操作は通常の定速運転と同じであると思われる。

その他

  • 阪急電鉄では、定速制御のことを8000系以降は「惰行制御」と称している。
');