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{{言語学}} |
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'''通訳'''(つうやく、{{lang-en-short|interpreting}} または {{lang-en-short|interpretation}})とは、書記言語ではない二つ以上の異なる[[言語]]を使うことが出来る人が、ある[[言語]]から異なる言語へと変換することである。つまり一般的には、異なる言語を話す人たちの間に入り、双方の言語を相手方の言語へと変換し伝えることである。 |
'''通訳'''(つうやく、{{lang-en-short|interpreting}} または {{lang-en-short|interpretation}})とは、書記言語ではない二つ以上の異なる[[言語]]を使うことが出来る人が、ある[[言語]]から異なる言語へと変換することである。つまり一般的には、異なる言語を話す人たちの間に入り、双方の言語を相手方の言語へと変換し伝えることである。 |
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通訳とは一般に、異なった[[音声言語]]を話す人たちの間に入って、一方の言葉を他方の言葉へ(例えば、[[英語]]から[[日本語]]へ、[[中国語]]から[[フランス語]]へ、[[アラビア語]]から[[オランダ語]]へそれに加えて逆向きにオランダ語からアラビア語へ 等々)変換して[[音声]]で伝えることである。さらに、[[手話]]の話者と音声言語の話者の間に入って双方の言葉を変換することも通訳と呼ぶことがある。 |
通訳とは一般に、異なった[[音声言語]]を話す人たちの間に入って、一方の言葉を他方の言葉へ(例えば、[[英語]]から[[日本語]]へ、[[中国語]]から[[フランス語]]へ、[[アラビア語]]から[[オランダ語]]へそれに加えて逆向きにオランダ語からアラビア語へ 等々)変換して[[音声]]で伝えることである。さらに、[[手話]]の話者と音声言語の話者の間に入って双方の言葉を変換することも通訳と呼ぶことがある。 |
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{{Main|手話通訳}} |
{{Main|手話通訳}} |
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異言語間の仲介を果たすという意味で[[翻訳]]と同列に語られる場合があるが、翻訳の対象は[[書記言語]]であり、技能的には全くの別物である。通常、翻訳者は ''translator'' と呼ばれるのに対し、通訳者は ''interpreter'' と呼ばれる。 |
異言語間の仲介を果たすという意味で[[翻訳]]と同列に語られる場合があるが、翻訳の対象は[[書記言語]]であり、技能的には全くの別物である。通常、翻訳者は ''translator'' と呼ばれるのに対し、通訳者は ''interpreter'' と呼ばれる。 |
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ひとことで通訳と言っても、逐次通訳、同時通訳、ウィスパリング通訳などの違いがある。 |
ひとことで通訳と言っても、逐次通訳、同時通訳、ウィスパリング通訳などの違いがある。 |
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通訳者は、通訳を行う場所や場面によって、求められているスキルにそれなりの違いがあり、一般的に言えば、それぞれ専門性を持って活動している。代表的なそれとしては、会議通訳(者)、商談通訳、エスコート通訳などがある。 |
通訳者は、通訳を行う場所や場面によって、求められているスキルにそれなりの違いがあり、一般的に言えば、それぞれ専門性を持って活動している。代表的なそれとしては、会議通訳(者)、商談通訳、エスコート通訳などがある。 |
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== 活動領域 == |
== 活動領域 == |
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通訳者は、主に次のような分野で活動している。特に(1)~(3)においては、複数の領域をまたいで活動している通訳も多い。 |
通訳者は、主に次のような分野で活動している。特に(1)~(3)においては、複数の領域をまたいで活動している通訳も多い。 |
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; (1) 会議通訳 (conference interpreter) |
; (1) 会議通訳 (conference interpreter) |
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; (6) 通訳案内業 (multi-lingual tour guide) |
; (6) 通訳案内業 (multi-lingual tour guide) |
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: 訪れた地域の言語がわからない外国人の旅行者などに観光地を案内したり、その地域の社会や文化について紹介したりする職業である。実質的には「[[添乗員|ツアーコンダクター]]」の様な業務であり、正確には通訳とは一線を画するが一定レベルの通訳業務も含まれる。日本では正式名称を「[[通訳案内士]]」といい、[[ |
: 訪れた地域の言語がわからない外国人の旅行者などに観光地を案内したり、その地域の社会や文化について紹介したりする職業である。実質的には「[[添乗員|ツアーコンダクター]]」の様な業務であり、正確には通訳とは一線を画するが一定レベルの通訳業務も含まれる。日本では正式名称を「[[全国通訳案内士]]」といい、[[観光庁]]長官が実施する[[国家試験]]に合格してライセンスを取得する必要があったが、現在で免許なしでの業務も可能になった。 |
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== 通訳のプロセス == |
== 通訳のプロセス == |
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:日本の[[国語審議会]]は2000年末に、通訳・翻訳の重要性を指摘し、次のように提案した。「通訳は、高い母国語能力と外国語能力、言葉の文化的背景を含む幅広い教養など高度な能力を要する[[専門職]]である。今後は教育を充実し、国際化に対応するための日本の人的資源として、高度に訓練された職業通訳者及び高い見識を有する通訳理論の研究者を養成することが望まれる」 |
:日本の[[国語審議会]]は2000年末に、通訳・翻訳の重要性を指摘し、次のように提案した。「通訳は、高い母国語能力と外国語能力、言葉の文化的背景を含む幅広い教養など高度な能力を要する[[専門職]]である。今後は教育を充実し、国際化に対応するための日本の人的資源として、高度に訓練された職業通訳者及び高い見識を有する通訳理論の研究者を養成することが望まれる」 |
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:通訳に関する公的資格は無いが、プロとしての技能を身につけるには通訳スクールに行くことが通例である。受講に必要な語学レベルは、通訳訓練を行うための語学力を高める基礎コースであっても非常に高く、英語の場合[[国際コミュニケーション英語能力テスト|TOEIC]]で最低900点程度は必要とされる。しかし、通訳に必要な語学力はTOEICで測れるものではないため、資格に関係なく入塾テストが課せられる。また、最近では大学院などで通訳を理論面、実践面から学ぶコースが開講されている。しかし実際には大学院の授業だけで通訳者に必要な能力を身に付けるのは難しく、やはり大学院に通いながら民間の通訳スクールに通うのが一般的である。 |
:通訳に関する公的資格は無いが、プロとしての技能を身につけるには通訳スクールに行くことが通例である。受講に必要な語学レベルは、通訳訓練を行うための語学力を高める基礎コースであっても非常に高く、英語の場合[[国際コミュニケーション英語能力テスト|TOEIC]]で最低900点程度は必要とされる。しかし、通訳に必要な語学力はTOEICで測れるものではないため、資格に関係なく入塾テストが課せられる。また、最近では大学院などで通訳を理論面、実践面から学ぶコースが開講されている。しかし実際には大学院の授業だけで通訳者に必要な能力を身に付けるのは難しく、やはり大学院に通いながら民間の通訳スクールに通うのが一般的である。 |
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<!--POV,NOR : ===日本=== |
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日本では通訳を含む語学に関する国家資格は、2009年3月現在、国土交通省管轄の「[[通訳案内士]]試験」のみであり、通訳技能を判定する国家資格は存在しない。 |
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{{宣伝|section=1|date=2012年10月}} |
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しかしながら、特定非営利活動法人[[通訳技能向上センター]](CAIS)が主催する資格試験は存在している。過去には、株式会社である[[日本通訳協会]]が独自の資格試験を実施していたが、2008年11月の検定試験が試験日直前に中止され、その後、同年12月末日に同社の事務所を閉鎖することが同社のホームページ上で発表された。 |
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--> |
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<!--POV,NOR : ====大学・大学院における通訳教育==== |
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日本においても[[日本通訳学会]]の創設や、外国語教育への通訳訓練法の利用が注目されるようになってから、大学学部・大学院で通訳のコースが開設されるようになったり、通訳・翻訳を専門研究分野とする専任教員も増加傾向にあり、大学院レベルでの研究指導も行われるようになっている。 |
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しかし、その一方で、特に学部レベルで通訳教育に関しては、多くの場合、学生の語学力が不足しているなどの問題も抱えている。 |
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日本通訳学会の行った調査によれば、これらのコースを担当している教員の98パーセントが通訳の実務経験を有しており、その70パーセント弱が10年以上の経験を積んだベテランレベルの実務家である。 |
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{{宣伝|section=1|date=2012年10月}} |
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以下に通訳・通訳論・通訳研究を専門としている大学専任教員の一部を挙げる(2006年4月現在)。いずれの人物も現役も含む通訳者経験を有していながらも国内外で研究成果を発表している。 |
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; 相澤啓一 |
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: [[筑波大学]][[大学院]]人文社会科学研究科言語・文化専攻准教授。専門研究分野は通訳・[[翻訳]]論、[[ドイツ]]研究。 |
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; 浅野輝子 |
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: [[名古屋外国語大学]][[現代国際学部]]現代英語学科准教授。専門研究分野は通訳研究(司法通訳論) |
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; 笠原多恵子 |
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: [[京都創成大学]][[経営情報学部]]経営情報学科教授。専門研究分野は通訳研究、秘書学。 |
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; 小松達也 |
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: [[明海大学]]大学院応用言語学研究科教授。専門研究分野は通訳研究、第二言語習得論。 |
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; 近藤正臣 |
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: [[大東文化大学]]大学院経済研究科教授。専門研究分野は通訳研究(経済通訳論・通訳理論)、開発経済学。 |
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; 染谷泰正 |
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: 青山学院大学文学部英米文学科教授。専門研究分野は通訳研究(通訳教育方法論・通訳理論)、英語ビジネスコミュニケーション論、コーパス言語学、英語教育学、認知言語学。 |
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; 玉井健 |
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: [[神戸市外国語大学]][[外国語学部]]国際関係学科教授。専門研究分野は通訳研究(通訳教育論)、第二言語習得。 |
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; 津田守 |
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: [[大阪大学]]グローバルコミュニケーションセンター教授。専門研究分野は通訳研究、社会福祉論、経済政策論。 |
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; 鶴田知佳子 |
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: [[東京外国語大学]]大学院通訳専修コース教授。専門研究分野は通訳研究(通訳教育論)、異文化間教育学。 |
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; [[鳥飼玖美子]] |
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: [[立教大学]]大学院異文化コミュニケーション研究科教授、[[日本通訳学会]]会長。専門研究分野は通訳翻訳論(文化論・オーラル・ヒストリー)、英語教育学、[[異文化コミュニケーション]]論。 |
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; 長尾ひろみ |
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: [[神戸女学院大学]]文学部英文学科准教授。専門研究分野は通訳研究、公共福祉論。 |
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; 永田小絵 |
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: [[獨協大学]][[国際教養学部]]言語文化学科専任講師。専門研究分野は通訳翻訳理論、会議通訳法、通訳訓練法の外国語教育への応用など。 |
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; 西村友美 |
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: [[京都橘大学]]文学部英語コミュニケーション学科教授。専門研究分野は通訳研究、英語教育学。 |
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; 船山仲他 |
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: 神戸市外国語大学英米学科教授。専門研究分野は通訳研究、認知言語学、英語学。 |
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; 本郷好和 |
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: [[国際基督教大学]][[教養学部]](メディア・コミュニケーションと文化メジャー)准教授。専門研究分野は通訳研究、コミュニケーション論。 |
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; 松縄順子 |
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: 神戸女学院大学文学部英文学科教授。専門研究分野は通訳研究、国際関係論、アメリカ研究。 |
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; 水野的 |
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: 立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科特任教授。専門研究分野は通訳研究(通訳理論・通訳研究史)、翻訳研究、認知言語学。 |
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; 水野真木子 |
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: [[金城学院大学]][[文学部]]英語英米文化学科教授。専門研究分野は通訳研究、法言語学。 |
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== 日本会議通訳者協会(JACI: Japan Association of Conference Interpreters) == |
== 日本会議通訳者協会(JACI: Japan Association of Conference Interpreters) == |
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AIICは会議通訳者を代表する連盟である。1953年に設立され、会議通訳者を代表し、職業上の倫理規定を定め、メンバーが守るべき基準を定めている。本部はジュネーブにある。加入をするのに試験などを受ける必要はないが、通訳者としての活動時間とスポンサーシップ(既存の会員が、加入希望者の実力等を保証すること)が求められる。 |
AIICは会議通訳者を代表する連盟である。1953年に設立され、会議通訳者を代表し、職業上の倫理規定を定め、メンバーが守るべき基準を定めている。本部はジュネーブにある。加入をするのに試験などを受ける必要はないが、通訳者としての活動時間とスポンサーシップ(既存の会員が、加入希望者の実力等を保証すること)が求められる。 |
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== 著名な |
== 著名な通訳者 == |
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=== 同時通訳者 === |
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;世界 |
;世界 |
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{{節スタブ|section=1|2022年4月}} |
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;日本 |
;日本 |
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* [[井上久美]] |
* [[井上久美]] |
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職業名の記事で個人の経歴をだらだらと書くのは百科事典の記事としてはありえない。宣伝でしかない。ウィキペディアでは宣伝は禁止されている。 |
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もしも井上久美について詳説したいのなら、[[井上久美]]という記事を立てるのがウィキペディアでは筋。特筆に値する人物なら、躊躇せず記事を立ててよい、というのがウィキペディアのきまり。逆に特筆に値しない人物なら、当記事でも詳説してはならない。 |
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<ref>※現在のサイトではないので注意 https://web.archive.org/web/20090326201242/http://www.hereandnow.co.jp/</ref> |
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:Aクラス会議通訳者<ref group="注釈">※公式にはAクラスが最高位とされるが、実際は「特A」クラスが存在し、井上久美も特Aクラスだった</ref><ref>※現在のサイトではないので注意 [https://web.archive.org/web/20160324102023/https://www.alc.co.jp/listening/article/application_hm/04.html アルクHP「1000時間ヒアリングマラソン歴代コーチ紹介・アーカイブ]</ref>、[[教育|教育者]]・[[学者|研究者]]、[[実業家]] |
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:①.経歴 |
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::[[斎藤美津子]]に師事し、[[慶応義塾大学]]英米文学科在学中より通訳活動を開始。通訳活動と並行して、[[タレント|タレント活動]](『[[ザ・パンチ・パンチ・パンチ]]』などに出演)を行っており、卒業後も[[リポーター]]などの仕事が決まっていたが、[[フルブライト・プログラム|フルブライト奨学生]]に選出され[[ミネソタ大学ツインシティー校|ミネソタ大学院]]([[地域研究|アメリカ研究修士]]) への留学を機に、タレント活動は引退し、通訳活動に専念。帰国後はトップクラスの通訳者として活躍する傍ら、[[教育|教育活動]]にも尽力する<ref>株式会社here&now HPアーカイブ</ref>。 |
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:②.通訳者として<ref name="web.archive.org">※現在のサイトではないので注意 https://web.archive.org/web/20090402030039/http://www.kouenirai.com/search/detail-200708-3063.html</ref> |
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::[[産学連携|産官学各会]]のトップクラスの通訳者として、[[ユネスコ]]・[[OECD]]・[[BIS]]{{要曖昧さ回避|date=2021年9月}}・[[WTO]]などの国際会議・国際ビジネスの場で同時通訳を行う<ref name="web.archive.org"/>。「通訳者は、正確かつ[[共感|共感的]]に『話し手』のメッセージを聴いて受けとめ、『聞き手』に理解してもらうために最善を尽くす『[[コミュニケーション|コミュニケーションスペシャリスト]]』である」との信念を持ち、「'''人と人とが[[コミュニケーション|意思疎通]]でき、[[共感]]できたら、大きな[[幸福|喜び]]と[[動機づけ|力]]を与えてくれる。通訳者として、[[人間]]として、世界中の多種多様な人たちと[[共感]]することの素晴らしさを体感し、いく通りもの人生を演じ、[[人生の意義|人生を何倍も楽しませてもらえた]]'''」としている<ref>ヒア&ナウHP→メッセージ</ref>。通訳業務時の愛用品は[[アロマオイル]]・[[チョコレート]]・[[指圧|ツボ押し棒]]<ref>※現在のサイトではないので注意 |
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https://web.archive.org/web/20130727040750/http://hereandnow.co.jp/material/journal/1.pdf https://web.archive.org/web/20130727050248/http://hereandnow.co.jp/material/journal/2.pdf https://web.archive.org/web/20130727045241/http://hereandnow.co.jp/material/journal/3.pdf https://web.archive.org/web/20130727045425/http://hereandnow.co.jp/material/journal/4.pdf https://web.archive.org/web/20130727050539/http://hereandnow.co.jp/material/journal/5.pdf</ref>。 |
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:③.教育者として |
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::大学で教鞭をとる他、自身の事業(株式会社ヒア&ナウ<ref>※現在のサイトではないので注意 https://web.archive.org/web/20090227040119/http://www.hereandnow.co.jp/inc.html</ref>)において、個人向け講座・企業研修を行い、メディア出演、書籍出版・教材開発も精力的に行った。トップ通訳者として得た実践的コミュニケーション術と、研究者としての学術的知見を統合させた独自の教育・訓練法 (※後述)を開発した。「人の一生はコミュニケーションに始まり、コミュニケーションに終わる。[[信頼|長期的な信頼関係]]を築く為には『[[マインドコントロール|相手に気に入られる為のコミュニケーション術]]』のような表面的なスキルではなく、『'''[[人格|人格に裏打ちされた、内から湧き出てくる誠実なメッセージの伝達]]』が不可欠'''」という理念<ref>ヒア&ナウHP→会社概要</ref> のもと、単なる[[スキル]]や[[知識]]の伝播ではなく、生徒に[[動機付け|内的刺激]]を与え、豊かな[[情操教育|情操]]・[[感性]]を育むことも大切にした<ref>通訳学校へ行こうハイキャリア http://test-hicareer.rdy.jp/inter/school/index02.html</ref>。 |
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:([[教育研究|教育研究の専門分野]]) |
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: ・[[翻訳研究|翻訳通訳論・通訳教育]]、[[異文化|異文化間コミュニケーション論]]<ref group="注釈">特に、日米の[[広告|広告表現]]・[[詩|ポエトリー]]における[[言語]]・[[非言語コミュニケーション|非言語メッセージ]]の比較</ref><ref><research map> https://researchmap.jp/read0076717</ref> |
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:([[教育方法学|教育方法]]<ref name="web.archive.org"/>) |
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: ・[[異文化コミュニケーション|異文化コミュニケーションから学ぶ英会話]]<ref group="注釈">NHK「英会話 エンジョイ!スピーキング」にて、異文化間コミュニケーションの手段としての「世界の英語」を紹介</ref>、[[交渉|異文化間交渉とビジネス・コミュニケーション]]<ref>※現在のサイトではないので注意 https://web.archive.org/web/20090226224138/http://www.tsuhon.jp/naru2009/inoue.html</ref>、 |
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: ・[[第二言語習得|同時通訳訓練メソッドを活用した英語訓練]]、[[態度価値|Feel Good English]]<ref>https://www.amazon.co.jp/中学英語で話せるようになる6種類の口ぐせ-井上-久美/dp/4901203401 https://www.ibcpub.co.jp/ladder/level5/9784794601469.html</ref> |
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:(主な実績<ref name="web.archive.org"/>) |
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: ・[[バース大学|英国バース大学大学院]]にて、欧州初の「日英通訳・翻訳 修士・ディプロマ・プログラム」の構築・指導 |
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: ・[[ストックホルム商科大学|ストックホルム商科大学欧州日本研究所(EIJS)]]にて、アカデミック・ディレクター兼講師 |
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: ・[[TED (カンファレンス)#TEDx|TEDxUTokyoSalon]]にて「[http://tedxutokyo.com/speaker/kumi-inoue 真のパートナーとは]」を講演(2014年7月20日) |
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: ・自身の事業において「[[講座|会議通訳コミュニケーション講座]]」を1998年より開設 |
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: ・[[上智大学]][[外国語学部|外国語学部英語学科]]にて2007年まで約30年間に渡り教鞭を持つ(99年~は[[教授|教授職]]) |
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: ・[[国際基督教大学]]、[[東京工業大学]]、[[北陸先端科学技術大学院大学]]などでも客員教授・非常勤講師などとして指導を行う<ref>https://ja-jp.facebook.com/tedxutokyo/photos/a.310043062503499.1073741829.305348022973003/453970961444041/</ref> |
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: ・「[[英会話 エンジョイ!スピーキング]]」講師(2003年) |
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: ・企業([[東京海上日動火災保険|東京海上火災保険会社]]、[[ボルボ]]、[[三菱自動車工業|三菱自動車工業株式会社]]など)における英語・日本語での講演・研修 など他多数 |
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:④.関連人物 |
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::[[斎藤美津子]]、[[石井敏]]、[[中村雅俊]]<ref group="注釈">慶応義塾大学ESS仲間</ref><ref>ぴいぷるZAKZAK http://www.zakzak.co.jp/people/archive/20071226.html</ref>、[[神田昌典]]<ref>https://ja-jp.facebook.com/KandaandFriends/photos/本日午後%EF%BC%93時%EF%BC%93%EF%BC%93分仕事上のパートナーでいらっしゃった井上久美先生がご永眠されました井上先生は日本の同時通訳界の草分けでメジャーサッチャー英国首相マハティールマレ/700800193329302/</ref> |
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* [[國弘正雄]] |
* [[國弘正雄]] |
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* 原不二子 |
* [[原不二子]] |
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* [[西山千]] |
* [[西山千]] |
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* [[村松増美]] |
* [[村松増美]] |
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* [[小松達也]] |
* [[小松達也]] |
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* [[斎藤美津子]] |
* [[斎藤美津子]] - 井上久美の師にあたる |
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* [[鳥飼玖美子]] |
* [[鳥飼玖美子]] |
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* [[米原万里]] |
* [[米原万里]] |
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=== その他の通訳者 === |
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* [[水原一平]] - [[大谷翔平]]専属の通訳 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
2023年3月9日 (木) 08:28時点における版
言語学 |
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基礎分野 |
言語の変化と変異 |
理論 |
応用分野 |
関連項目 |
通訳(つうやく、英: interpreting または 英: interpretation)とは、書記言語ではない二つ以上の異なる言語を使うことが出来る人が、ある言語から異なる言語へと変換することである。つまり一般的には、異なる言語を話す人たちの間に入り、双方の言語を相手方の言語へと変換し伝えることである。
また、それを行う職業を指す場合もあり、さらには、それを行っている人を指す場合もある。ただし、翻訳(という行為)と「翻訳者」「翻訳家」という語の関係を見れば、人に関しては通訳者・通訳士・通訳人などと呼ばれるべきであるとも指摘されており、実際、国語審議会などの公的文書ではそのように記載されている。
概説
通訳とは一般に、異なった音声言語を話す人たちの間に入って、一方の言葉を他方の言葉へ(例えば、英語から日本語へ、中国語からフランス語へ、アラビア語からオランダ語へそれに加えて逆向きにオランダ語からアラビア語へ 等々)変換して音声で伝えることである。さらに、手話の話者と音声言語の話者の間に入って双方の言葉を変換することも通訳と呼ぶことがある。
異言語間の仲介を果たすという意味で翻訳と同列に語られる場合があるが、翻訳の対象は書記言語であり、技能的には全くの別物である。通常、翻訳者は translator と呼ばれるのに対し、通訳者は interpreter と呼ばれる。 ひとことで通訳と言っても、逐次通訳、同時通訳、ウィスパリング通訳などの違いがある。 通訳者は、通訳を行う場所や場面によって、求められているスキルにそれなりの違いがあり、一般的に言えば、それぞれ専門性を持って活動している。代表的なそれとしては、会議通訳(者)、商談通訳、エスコート通訳などがある。
通訳の形式
通訳は、その方式や形態によって逐次通訳、同時通訳、ウィスパリング通訳など数種類に区分される。以下にその一般的な区分を示す。
逐次通訳 (consecutive interpreting)
話者の話を数十秒~数分ごとに区切って、順次通訳していく方式であり、一般に通訳技術の基礎とされる。話者が話している途中、通訳者は通常記憶を保持するためにノートを取り、話が完了してから通訳を始める。そのため、後述の同時通訳と比べてほぼ2倍の時間がかかってしまうが、訳の正確性が高まるため需要は多い。
同時通訳 (simultaneous interpreting)
同時通訳は、話者の話を聞くとほぼ同時に訳出を行う形態であり、通訳の中でもいわゆる花形的な形式である。異言語を即座に訳す能力が必要とされるほか、相手の発言内容をある程度予測する必要もある。通例通訳者は、ブースと呼ばれる会場の一角に設置された小部屋に入り、その中で作業を行う事になる。通訳者の音声はブース内のマイクを通して聴衆のイヤフォンに届けられる。同時通訳作業は非常に重い負荷を通訳者に要求するため、2人ないしは3人が同時にブースに入り15分程度の間隔で交代する。頭を非常に使うため、休憩時はチョコレートのような糖分の高いものを即座に口に入れるという。時にはブース内の控えの通訳者が、単語の提供など訳出の協力もする。多言語間通訳が行われる国際会議で特に多用されるが、多言語地域であるヨーロッパでは通訳の需要のほとんどが同時通訳である。原則的に国際会議の場では、訳出し後の言語(アウトプット言語)は通訳者の母語であることが求められているが、日本人通訳者のみ例外的に他言語へのアウトプットも行い、それが認められている。日本語×他言語のハイレベルな通訳者が世界的に不足しているためである。
ウィスパリング通訳 (whispered interpreting)
方式的には同時通訳と同一であるが、通訳者はブース内ではなく、通訳を必要とする人間の近くに位置して聞き手にささやく程度の声で通訳をしていく。自らの声やその他の音が障害となるため、正確な通訳を長時間行う事は非常に難しいとされる。高価な通訳設備の用意が必要ないため、企業内の会議などで使用される事が多い。
活動領域
通訳者は、主に次のような分野で活動している。特に(1)~(3)においては、複数の領域をまたいで活動している通訳も多い。
- (1) 会議通訳 (conference interpreter)
- 同時通訳者ともいう、同時通訳の技術を習得している。主に国際会議などで通訳を務める。エージェントに所属している場合は実力や経験年数による格付けが行われる。高度な学術的内容を扱う会議においての同時通訳を行う事は、すべての通訳の最上位に位置するとされる。
- ヨーロッパではAIIC([注釈 1] 国際会議通訳者協会)やアメリカのTAALS([注釈 2] アメリカ言語専門家協会)など、歴史のある団体がある。日本には会議通訳者の職能団体として日本会議通訳者協会がある。
-
通訳ブース群に入った各言語の通訳者たち
-
通訳ブースで仕事をしている通訳者たち
- (2) 商談通訳 (business interpreting)
- 表敬訪問、商談など民間企業内で行われる通訳をまとめてビジネス通訳と呼ぶ。企業内で通訳者を独自に雇用する場合とフリーランスの通訳者を必要に応じて雇う場合とに分かれる。日本では1990年代以降企業の国際的連携が拡大したため、需要が高くなっている。
- (3) 放送通訳 (broadcast interpreting)
- 国際報道の最前線で活躍し、相手は一般視聴者なので、子どもから高齢者までの幅広い年齢層に、わかりやすい言葉で必要な情報をもらさず正確に伝える能力が必要とされる。
- 日本では「海外のテレビ報道などを訳出して視聴者に届ける」および「日本のニュースを訳出して海外に届ける」の双方を行う。民放では英語←→日本語間の通訳ばかりがやたらと多いが、NHKワールド JAPANでは20を超える言語で通訳を行っている。定時のニュースの通訳は放映後、通訳者が数回録画映像を目にしてから訳出するため「時差同通(時差同時通訳)」と呼ばれ、通訳と翻訳の中間とされるが、基本的には1回聞いただけで内容を理解する力が求められる。突発的な事故や出来事・生中継のニュースを訳出する場合は「生同通」と呼ばれる。同時通訳の技術をマスターしていることが必要である。
- (4) エスコート通訳 (escort interpreting)
- 外国から来たアーティストやプロスポーツ選手に随行して記者会見やインタビュー、テレビ出演などでの通訳をはじめ、イベント等での通訳(通訳コンパニオン)等をエスコート通訳と呼ぶ。外国人アーティストやプロスポーツ選手に対しては日常生活の世話やスケジュール管理なども行う事もあるが、芸能関係の仕事のほとんどはエージェントからの派遣は少なく、関係者のコネクションなどが多い。そのため、通訳者を目指し勉強をしていた人ではなく芸能会社の社員や字幕翻訳家が抜擢される事も頻繁にある。仕事内容は会場案内やエスコートや専門性の低い交渉など日常レベルのコミュニケーションを主とする場合が多い。通訳の対象者について行動するために随行通訳(リエーゾン通訳)とも呼ばれる。
- (5) コミュニティー通訳 (community interpreting)
- その国の公共サービスの場 (医療や福祉、教育、司法など) でその国における外国人をサポートする通訳である。アメリカやオーストラリアなど通訳者の国家資格がすでに整備されている国ではこの種の通訳がプロフェッショナルの仕事であるという観点から、公共サービス通訳者 (public service interpreter) と呼ばれることがある。中でも「医療通訳」および「司法通訳」が代表的である。司法通訳は、警察の捜査・取り調べ・拘置所・留置所での勤務などを行う「警察通訳」と裁判の場で通訳を行う「法廷通訳」に分類される。警察通訳の場合は、公務員として雇用されて働くケースもある。医療通訳は医師が使う医療の専門用語の理解も必要でありまた普通の人が使う「身体感覚」的なニュアンスに満ちた日常表現を的確に異言語に置き換え医師に伝える必要もあり専門性は高い。
- 日本に長期滞在している外国人の数は2020年時点ですでに250万人を超えており[1]、それらの人々は日本で医療や司法を利用する場面もあり、実際には需要はそれなりにある。だが日本という国はそもそも人権意識が非常に低い劣悪な状態が放置された国であり[2]、外国人を軽視・蔑視しているせいなのか、公共サービス通訳の重要性を直視してこなかった。日本では今までのところ公共サービス通訳の資格制度が無く、報酬が会議の通訳などよりはるかに低く、さらに言うと、日本の行政制度が外国人軽視・蔑視せいなのか公共通訳の報酬の額すら決めていないせいで、結果として従来は無報酬で(その状況に陥った外国人の悲惨な状況を見かねて「ボランティア」で)行われる場合が多く、通訳の質についても全く保障されていなかった。しかしながら、特に医療や司法の通訳は他者の人生を左右する可能性が高く、内容の専門性も高いため、通訳に際しての倫理規定の制定や、通訳者の質及び報酬を保証するための資格制度の必要だと指摘されている。日本では(1)~(3)の通訳は英語の需要が圧倒的に高いのに比べ、コミュニティ通訳では他言語の需要が高い。
- (6) 通訳案内業 (multi-lingual tour guide)
- 訪れた地域の言語がわからない外国人の旅行者などに観光地を案内したり、その地域の社会や文化について紹介したりする職業である。実質的には「ツアーコンダクター」の様な業務であり、正確には通訳とは一線を画するが一定レベルの通訳業務も含まれる。日本では正式名称を「全国通訳案内士」といい、観光庁長官が実施する国家試験に合格してライセンスを取得する必要があったが、現在で免許なしでの業務も可能になった。
通訳のプロセス
通訳は起点言語(原語 the source language:SL)を音韻的に認知・受容 (audition) し、さらに語彙と文法による表層構造の理解(記号の解読 decoding)および世界知識・背景知識・場の知識によって内包や外延をふくむ発言内容の深層構造の理解 (comprehension) に達し、その理解にもとづいて目標言語(訳出語 the target language:TL)へ転換(再記号化 encoding)し、最終的な音韻表現として表出する (re-formulate) 行為である。
[要出典]訳出する際には起点言語と目標言語とにおける、話者が伝えようとする内容に対しての忠実性(fidelity)・聞き手が得る内容に対しての等価性 (equivalence) を重視すると共に、文化的な差異なども考慮に入れねばならない。これはたとえば、長さをメートルからフィートに換算することも含まれる。
通訳者育成
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一部の国ではオーストラリアのNAATI(国家翻訳・通訳認定局)など、資格が整備されている。
日本における通訳者育成
- 日本の国語審議会は2000年末に、通訳・翻訳の重要性を指摘し、次のように提案した。「通訳は、高い母国語能力と外国語能力、言葉の文化的背景を含む幅広い教養など高度な能力を要する専門職である。今後は教育を充実し、国際化に対応するための日本の人的資源として、高度に訓練された職業通訳者及び高い見識を有する通訳理論の研究者を養成することが望まれる」
- 通訳に関する公的資格は無いが、プロとしての技能を身につけるには通訳スクールに行くことが通例である。受講に必要な語学レベルは、通訳訓練を行うための語学力を高める基礎コースであっても非常に高く、英語の場合TOEICで最低900点程度は必要とされる。しかし、通訳に必要な語学力はTOEICで測れるものではないため、資格に関係なく入塾テストが課せられる。また、最近では大学院などで通訳を理論面、実践面から学ぶコースが開講されている。しかし実際には大学院の授業だけで通訳者に必要な能力を身に付けるのは難しく、やはり大学院に通いながら民間の通訳スクールに通うのが一般的である。
日本会議通訳者協会(JACI: Japan Association of Conference Interpreters)
JACIは通訳者の技能向上、通訳者の社会的地位向上、情報交換等を目的として2015年に設立された日本最大の通訳者団体である。業界最大規模を誇る日本通訳フォーラムと、世界唯一の日本語・英語の同時通訳グランプリを毎年開催。認定会員は厳しい認定基準を満たした業界トップクラスの会議通訳者である(試験はなく、実績と推薦者の保証で評価される)。
国際会議通訳者連盟(AIIC: International Association of Conference Interpreters)
AIICは会議通訳者を代表する連盟である。1953年に設立され、会議通訳者を代表し、職業上の倫理規定を定め、メンバーが守るべき基準を定めている。本部はジュネーブにある。加入をするのに試験などを受ける必要はないが、通訳者としての活動時間とスポンサーシップ(既存の会員が、加入希望者の実力等を保証すること)が求められる。
著名な通訳者
同時通訳者
- 世界
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- 日本