「性的同意年齢」の版間の差分
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国際連合は2014年11月、[[国際連合決議]]を採択し、加盟国すべてに対し児童婚を禁止し、それを防ぎ、違反者に罰則を設ける法律を可決し、これを実施することを義務付けた。国連総会の人権委員会は、この決議を採択することで、すべての国に対して、子供に対する結婚の強制を完全に止めさせるための真剣な措置を取るよう求めている。 |
国際連合は2014年11月、[[国際連合決議]]を採択し、加盟国すべてに対し児童婚を禁止し、それを防ぎ、違反者に罰則を設ける法律を可決し、これを実施することを義務付けた。国連総会の人権委員会は、この決議を採択することで、すべての国に対して、子供に対する結婚の強制を完全に止めさせるための真剣な措置を取るよう求めている。 |
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2020年5月には、'''性交同意年齢'''を13歳からとしていた[[韓国]]では、通信アプリのチャットルームで、脅迫などにより行わせた女性のわいせつな動画や画像を提供して暴利を得た[[n番部屋事件]]に中学生とみられる被害者が含まれていたことをきっかけとして、年齢を16歳に引き上げた<ref>{{Cite news|title=女性に性的暴行、身体に虫を入れさせる動画を…史上最悪のデジタル性犯罪「n番ルーム事件」、“懲役42年”の意味|newspaper=週刊文春|date=2021-10-19|last=菅野|first=朋子|url=https://bunshun.jp/articles/-/49385?page=3|access-date=2022-9-18|page=3}}</ref>。 |
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==フランス== |
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{{See also|性的同意年齢法に反対するフランスの請願}} |
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2022年10月24日 (月) 08:00時点における版
性的同意年齢(せいてきどういねんれい)は、性的行為に対して同意する能力があるとみなされる年齢。性交同意年齢とは、性行為の同意能力があるとみなされる年齢の下限をさす。片方が下限以下の年齢の場合は、交際関係などにあって互いに性的行為に同意していても、法的に「いかなる性行為への同意もできない」と定められている[1][2]。
概説
性交同意年齢は、法域ごとに大きく幅がある。おおむね16 - 18歳に設定され、12歳や21歳[3]とする法も存在している。
イスラエルでは、被後見者及び直系子孫との関係における性的同意年齢を21歳としているが、法域の中には近親相姦そのものを違法化している場合もある。
多くの法域では、性交同意年齢は「精神的・機能的に発達した年齢であることを意味するもの」と解釈される。性的虐待は同意年齢に満たない者に対してなされるものであるから、あらゆる年齢に被害者がいることになる。法的な婚姻以外の性行為を一切禁じる法域もある。この同意年齢は、性行為の形式や行為主体の性別、責任のある立場の濫用など他の制限によっても変わりうる。
同意年齢に達していない者への性行為は認められていない。法を犯したことに対する罪は、「未成年者略取」程度の軽いものから、「法定強姦」まで幅がある。
アメリカ合衆国
州によって異なるが、16歳にするのかそれとも18歳にするのかで意見がよく割れる。18歳まで上げた州は少なくない。
実際に13歳の時に40歳前後の男と交際していた映画監督・ジェニファー・フォックス(en)は実体験を「ジェニーの記憶」という映画にしたが、長期間恋愛関係だと認識していたが現在では大人が子供を操るグルーミングであり、児童への性的虐待だったと理解しているように、多くの被害者が理解までに時間がかかることが多いと言われている[4]。
日本
日本の刑法176条(強制わいせつ罪)及び177条(強制性交等罪)の規定においては、性交同意年齢は男女とも13歳以上に設定されている[5]。性交同意年齢未満(12歳まで)の相手と姦淫または猥褻をした場合は法定強姦等(法定強制性交等、法定強制わいせつ等)に該当する。旧刑法346条の規定においては男女とも12歳以上であったが、女子の発育の状況を考慮した結果、現行刑法は1歳引き上げられた。13歳という年齢は明治40年(1907年)から変更されていない。
性的被害に遭ったのが13歳以上である場合、日本においては「暴行脅迫要件」があり、望まない性行為を犯罪として処罰するには「同意していないこと」だけでなく、加害者から暴行や脅迫を加えられるなどして「抵抗困難なほどの暴行・脅迫があった」ことを被害者側が具体的に説明し、立証しなければ罪に問うことができない。
なお、監護者の立場に乗じて18歳未満の男女にこれらの行為を働いた場合(同意を問わない)にも監護者性交等罪、監護者わいせつ罪に問われる。
2008年に、国際連合は日本に対して性交同意年齢の引き上げを勧告する所見を採択している。12歳での初交経験割合は3%程度である。
児童福祉法は18歳未満を児童と規定し、「児童に淫行を“させる”行為」について刑事罰を規定している。また、単に自己の性的欲求を満たすことを目的にした18歳未満との性的行為に対しては、淫行条例(東京都や大阪府、愛知県、神奈川県や千葉県では2年以下の懲役)で刑事罰が規定されている。
風俗営業法では性風俗関連特殊営業の従事者と客は18歳以上と規定されており、年齢違反を把握しながら対処をしない事業者には罰則が規定されている。出会い系サイト規制法ではインターネット異性紹介事業を利用して、18歳未満の児童を性交等の相手方となるように誘引することを禁止し、違反者には罰則が規定されている。
なお、民法上の婚姻可能年齢は、男女共に18歳である[6]。女性は2022年3月31日まで16歳であったが、2022年4月1日に引き上げた。民法の成人年齢引き下げと連動して刑法の未成年者略取誘拐罪の客体対象が18歳未満に引き下げられたため、18歳・19歳と20歳以上の性的行為は完全に合法化した。
2016年に日本弁護士連合会は、「性犯罪の罰則整備に関する意見書」において13歳以上の者は性交の意味を理解することが可能であるから、相手方が監護者であるからといって直ちに真摯な同意がないとみなすことはできないとして年齢の引き上げに反対しているが[7]、被害者団体より抗議されている[8]。2021年5月には立憲民主党・本多平直議員が性犯罪刑法の改正を検討する党内のワーキングチームにおいて、50歳近くの成年と14歳の少女が同意があって性交しても捕まることがおかしいと年齢引き上げに異論を唱えたことが報じられた[9][10]。のち議員は興奮状態であり記憶がないが発言を撤回するとしたが、世論の批判を受けて辞任した[11]。
日本でも引き上げによる議論が行われているが、政党によって賛否が割れている[12]。日本は、アメリカ、ドイツ、イギリス、スウェーデンなど14~18歳とする各国のなかで、性交同意年齢が最も低い13歳のままとなっている[13][14]。
古典イスラーム法(シャリーア)
古典イスラーム法(およびそれによって導かれる保守的イスラーム)では、結婚以外の性交は基本的に死罪(絞首刑、石打ち、斬首刑)に値すると定められているため、婚姻最低年齢が事実上近代イスラーム法における性交同意年齢となる。
イスラーム法では、預言者ムハンマドが9歳の少女アーイシャと結婚を行ったとするハディース[注 1]に従い、女子の婚姻最低年齢を9歳とする解釈がある。
男児は地域によっても違いがあるが、おおむね10 - 14歳で結婚が可能とされる。このため、現代においては医学的に見て児童の範疇に属する少女と成人男性との婚姻も、イスラーム法上は合法(ハラール)である場合が少なからず見られる[注 2]。ただしこれは前近代の他の地域の法体系も同様であり、社会的な人権保障の水準が現在とは比べ物にならないほど低かったことを示すもので、イスラームの特殊性に帰せられるものではない。
このような行為は児童性的虐待に分類されるのが通常であり、現代社会においては肉体的・倫理的観点からして現代イスラーム社会の国において人道上の人権侵害と認識され、性的同意年齢は非イスラーム諸国同様の水準に落ち着いている。しかし一部にはイスラーム法の厳格な適用を行う国家がいまだに存在しており、十二イマーム派のイランやワッハーブ派のサウジアラビアでは女児の結婚最低年齢(性的同意年齢)は9歳である。そして実際にそのような早婚もあり、国際連合からも強い批判がある[15][16]。
国際連合は2014年11月、国際連合決議を採択し、加盟国すべてに対し児童婚を禁止し、それを防ぎ、違反者に罰則を設ける法律を可決し、これを実施することを義務付けた。国連総会の人権委員会は、この決議を採択することで、すべての国に対して、子供に対する結婚の強制を完全に止めさせるための真剣な措置を取るよう求めている。
フランス
フランスも性犯罪事件をうけて、15歳に引きあげられた。しかし、反対運動を行う者も存在する。
フィリピン
世界で最も性交同意年齢が低い国のひとつだったフィリピンは2022年3月、性交同意年齢を12歳から16歳に引き上げる法改正が成立した。パートナー間の年齢差が3歳未満かつ同意があれば処罰対象とならないとしている[17]。
ポリネシア社会等の前近代社会例
伝統的な旧ポリネシア社会では、12歳を過ぎると性行為の同意能力があるとみなされ、多くの女性が12歳から15歳の間に最初の出産を経験していた。先住民族のヤノマミ族の出産も早い。現代でも一部の地域ではこの土俗的な社会通念が通用しており、ピトケアン諸島少女性的暴行事件のような事例もある。サブサハラアフリカにおいても同様の状況にあると言われている。
脚注
注釈
出典
- ^ 「フランス、性行為の同意年齢を15歳に 15歳未満相手は強姦扱い」『BBCニュース』。2022年10月24日閲覧。
- ^ Peaches (2021年6月20日). “未成年と交際→結婚したセレブたち【ピーチズのOM(F)G!】”. ELLE. 2022年10月24日閲覧。 “実際には彼女が12歳のときに出会い、極秘交際。15歳で妊娠発覚し、交際を明らかにしたという流れのよう。(今年ようやく性的同意年齢の下限を15歳に制定)”
- ^ “The law is not equal in Bahrain, with the age of consent for same-sex intercourse being 21 years old.”. www.sbs.com.au. www.sbs.com.au. 2020年12月18日閲覧。
- ^ “13歳で40歳と“交際”、『ジェニーの記憶』監督が子供の性的虐待は「ファンタジーにするようなものではない」”. FRONTROW (2020年12月15日). 2021年6月20日閲覧。
- ^ 上谷, さくら (2021年6月23日). “「真摯な恋愛も…」性的同意年齢の13歳からの引き上げに反対するオトナのおかしな論理”. 週刊文春: p. 1 2022年9月17日閲覧。
- ^ “「18歳成人」民法改正案を閣議決定 女性の結婚年齢上げ”. 日本経済新聞. (2018年3月13日) 2022年9月17日閲覧。
- ^ “性犯罪の罰則整備に関する意見書” (PDF). 日本弁護士連合会 (2016年9月15日). 2021年6月20日閲覧。
- ^ 小川たまか (2016年11月15日). “性犯罪の厳罰化に日弁連が一部反対の意見書 被害者支援57団体が抗議へ”. Yahoo!ニュース 個人 2022年9月17日閲覧。
- ^ 岩下明日香 (2021年6月14日). “「50代が14歳と性交」発言の立憲議員は「怒鳴るように高圧的」 招かれた大学教授が激白”. AERA dot. 2022年9月17日閲覧。
- ^ “成人と中学生の恋愛は…議論白熱”. 日本テレビ. (2021年6月6日) 2022年9月18日閲覧。
- ^ “立民・本多氏が認める 性交同意年齢めぐる「50歳が14歳と」発言”. 産経新聞. (2021年6月7日) 2022年9月18日閲覧。
- ^ 赤木智弘 (2021年6月10日). “性交同意年齢の引き上げは、本当に子供のためなのか?”. 論座 2022年9月18日閲覧。
- ^ 松崎浩子; 白井綾乃 (2020年7月3日). “性交同意年齢 「13歳」のYES それは本物?”. NHK みんなでプラス 2022年9月18日閲覧。
- ^ 國崎万智 (2020年6月11日). “性交同意年齢13→16歳に変更求め。性犯罪の刑法改正案、人権団体が叩き台を公表。”. ハフポスト 2022年9月18日閲覧。
- ^ 世界の児童婚における弊害 ParsToday誌 2021年8月9日
- ^ サウジで10歳の少年と9歳の少女が結婚!! ただしこの場合児童同士の結婚であり、成人男子と女児との結婚と同列には議論できない。
- ^ “フィリピン、性交同意年齢を16歳に引き上げ”. AFP通信. (2022年3月8日) 2022年9月18日閲覧。