「おおさか東線」の版間の差分
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#'''道路''':[[大阪府]]の[[環状道路]]の一つで、最も外側を走る。大阪府[[池田市]]から[[高槻市]]を経由して[[泉佐野市]]に至る[[国道171号]]の一部区間及び、[[国道170号]]の全線を指す。通称:'''外環'''(そとかん)。かつては国道171号の該当区間にも「大阪外環状線」の名称板が表示されていたが、交通情報などでは専ら国道170号を外環と称しており、国道171号を「大阪外環状線」と表示するのはごく一部の地図のみとなっている。大阪府下の環状道路には他に内側から[[阪神高速道路1号環状線]]・[[大阪市道大阪環状線]]・[[国道479号|国道479号大阪内環状線]]・[[大阪府道2号大阪中央環状線|府道2号大阪中央環状線]]がある。 |
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2006年8月2日 (水) 10:46時点における版
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大阪外環状線(おおさかそとかんじょうせん)は、大阪府大阪市の新大阪駅から八尾市の久宝寺駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線である。当初2006年度の開業を予定していていたが、用地買収が難航しているため2006年度の全線開業を断念、2008年春以降に南半分の放出~久宝寺間を先行開業させる予定。なお北半分は新大阪駅付近にある南宮原踏切の混雑対策のメドが立っていなかったため工事が遅れている。
大阪から放射状に延びる各鉄道路線を連絡する路線であり、片町線の貨物支線である城東貨物線を改良し旅客線化を図るものである。第三セクター会社の大阪外環状鉄道が第三種鉄道事業者として建設を行い、施設を保有するとともに、西日本旅客鉄道が第二種鉄道事業者として旅客営業を行う。なお、大阪外環状線として旅客営業開始後も、日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者として同線を経由する貨物列車の運行を継続することになっている。
路線データ
運行形態
混雑時は毎時14本(快速と普通の各7本)、閑散時は毎時8本(快速と普通の各4本)の運転を予定している。
JR西日本は2005年3月23日の定例記者会見で、南半分(放出~久宝寺)が開業した後は、当線を経由してJR東西線・片町(学研都市)線と相互乗り入れして奈良~尼崎間を直通運転すると述べ、新たなルートができれば大和路線から大阪環状線へ乗り入れる列車が減り、その分(和歌山方面の)阪和線と大阪環状線を直通運転する列車を増やせるとの考えを示している(外部参照リンクの参考記事も参照されたい)。これは阪神西大阪線近鉄難波延長への対抗でもある。
普通列車は運転区間が未定だが、おそらく321系が投入され、外環状線普通は大和路線王寺~JR神戸線西明石間を15分間隔で運転される可能性もあると見られる。
また、大阪外環状線は、放出~久宝寺間が先行開業するため、大和路線の奈良方面から尼崎方面へ直通することになっている。これは大和路快速や区間快速などの快速電車が直通することになるだろう。使用車両は現在のところは決まっていないが、8両編成以下であれば走行できる。大和路快速や区間快速は221系6・8両編成なので直通できる。放出からJR東西線に直通するには車両に不燃化改造を施せばいいが、北新地駅には207系などの4扉車用の安全柵があるため、3扉である221系はJR東西線に入ることはできないため、4扉の207系か321系に置き換える必要がある。またそこから先である東海道本線への直通だが、尼崎には折り返し設備がないため、塚口か甲子園口まで走らさなければならない。そこで神戸で折り返せばちょうどよいが、ダイヤがあまりにも複雑になると、ダイヤが乱れたときなどになかなか回復できない。それを考えると、部分開業時も全通時も大阪外環状線内だけの運転になる可能性もある。
建設の経緯
城東貨物線の旅客線化は1950年代ごろから構想され、新大阪~加美~杉本町間の整備が1963年(昭和38年)3月の都市交通審議会の答申第7号に盛り込まれた。
当初は城東貨物線だけではなく、関西本線の貨物支線である八尾~杉本町間の阪和貨物線(現在は貨物列車の運行はなくなり阪和連絡線と呼ばれている)も組み込み阪和線と連絡する計画であったが、1989年に阪和線・紀勢本線列車の大阪環状線との直通運転が開始されたことや、新大阪~JR難波・汐見橋間を結ぶ「なにわ筋線」計画が浮上したことから、終点を加美駅(後に久宝寺駅)に変更し阪和線と連絡することは計画から外された。
都心部を迂回する路線のため旅客需要が見込めず、国鉄時代は財政難から後回しにされ、なかなか着工されなかった。国鉄分割民営化後、上下分離方式をとり、第三セクター会社を設立して建設と施設の保有にあたり、西日本旅客鉄道が運営を行うことになった。当初は片福連絡線(現在のJR東西線)と同じく関西高速鉄道が建設することも考えられていたが、関西高速鉄道には兵庫県など大阪外環状線沿線以外の自治体が出資していることから別に会社を設立することになり、1996年11月に大阪府や大阪市、東大阪市を始めとする沿線自治体と西日本旅客鉄道などが出資して大阪外環状鉄道を設立し、同年12月鉄道免許取得、ようやく着工された。
新大阪駅近くにある南宮原踏切の混雑対策のメドが立っていないため放出~新大阪間はこれまで着工されず、放出~久宝寺間を2008年に先行開業させることに決まったが工事は遅れており、部分開業が遅れることも予想されている。残る北側も、踏切を拡幅せずに既存の城東貨物線・梅田貨物線の線路などを利用することによって2006年度をメドにして着工することが決まり、全面開業は2012年春と決まった。
なお、これとは別に阪急電鉄が新大阪連絡線として淡路~新大阪~十三間、新大阪~神崎川間の路線を計画、1961年に免許取得したが計画は頓挫、大阪外環状線の具体化により淡路~新大阪間及び新大阪~神崎川間は2003年に免許を失効させている(新大阪~十三間は維持)。
歴史
- 1929年3月15日 片町線貨物支線として放出~千里信号場間が開業。
- 1931年8月10日 放出~平野間が開業。貨物営業のみ。
- 1932年7月8日 千里信号場廃止。区間を放出~吹田操車場(現在の吹田信号場)間に変更。
- 1932年12月1日 放出~鴫野~吹田間が電化。
- 1939年10月15日 放出~八尾間が開業。貨物営業のみ。
- 1987年4月1日 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が第一種鉄道事業者として承継し、日本貨物鉄道が第二種鉄道事業者となる。
駅一覧
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
新大阪駅 | - | 東海旅客鉄道:東海道新幹線 西日本旅客鉄道:山陽新幹線・東海道本線(JR京都線) 大阪市営地下鉄:御堂筋線 |
大阪府 | 大阪市淀川区 |
西吹田駅 | - | 吹田市 | ||
淡路駅 | - | 阪急電鉄:京都本線・千里線 | 大阪市東淀川区 | |
都島駅 | - | 大阪市都島区 | ||
野江駅 | - | 京阪電気鉄道:京阪本線 大阪市営地下鉄:谷町線(野江内代駅) |
大阪市城東区 | |
鴫野駅 | - | 西日本旅客鉄道:片町線(学研都市線) 大阪市営地下鉄:今里筋線(2006年12月開業予定) | ||
放出駅 | - | 西日本旅客鉄道:片町線(学研都市線) | 大阪市鶴見区 | |
高井田駅 | - | 大阪市営地下鉄:中央線 | 東大阪市 | |
永和駅 | - | 近畿日本鉄道:奈良線(河内永和駅) | ||
俊徳道駅 | - | 近畿日本鉄道:大阪線 | ||
柏田駅 | - | |||
加美駅 | - | 西日本旅客鉄道:関西本線(大和路線) | 大阪市平野区 | |
久宝寺駅 | - | 西日本旅客鉄道:関西本線(大和路線) | 八尾市 |
- 既設のJR駅以外の駅名は全て仮称、また、既設駅以外はリンクしない。
- なお、前述したように、2008年予定の部分開業で学研都市線、大和路線の直通運転が実施された場合、鴫野駅も実質的には2008年から乗り入れ開始となる見通し。
城東貨物線
片町線の鴫野駅から東海道本線の吹田駅までと、片町線の放出駅から関西本線の八尾駅および平野駅(正覚寺信号場)に至る貨物線で、正式には片町線の貨物支線である。全線が単線で、放出~吹田間が直流電化されている。西日本旅客鉄道が第一種鉄道事業者であるが旅客列車は運行していない。第二種鉄道事業者である日本貨物鉄道が、吹田信号場から大阪市平野区にある百済駅までの間に貨物列車を運行しているほか、東大阪市の徳庵駅近くにある近畿車輛で製造された鉄道車両の輸送に使われている。
行き違いのため、加美~放出間に蛇草(はぐさ)信号場(工事のため廃止)、鴫野~吹田間に都島信号場(工事開始以前に廃止)があった。
八尾駅が終点とされているが、かつて竜華操車場があった久宝寺駅が実質的な終点となっている。現在、久宝寺方面への線路は高架化工事のためレールが撤去され、貨物列車が通る平野方面への分岐線だけが加美~平野間の旧・正覚寺信号場(1961年に平野駅構内扱いとなり廃止)で関西本線に繋がっている。また、城東区の巽信号場や鴫野駅からは淀川駅(貨物駅)への貨物線が分岐していたが、1982年に淀川駅ともに廃止された。
鴫野~吹田間の淀川に架かる赤川鉄橋は、複線用の橋梁であるが片側の1線だけが使われ、もう片側は歩道になっている(鉄道道路併用橋)。今後は複線使用開始により、大阪市が新たに人道橋を建設する計画もある。
旅客線化にあたり、新大阪~淡路間は複線の新線を建設、淡路~鴫野間は複線化、放出~久宝寺間は複線電化される。現在片町線の本線と共用している鴫野~放出間は別線化(複々線化)され、内側の2線を大阪外環状線が使用することになる。
参考文献
- 若菜邦雄・宮田信雄「大阪外環状線の整備計画」
- 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』1999年11月号 No.677 p66~p69