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「阪急6300系電車」の版間の差分

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一方で、2008年7月に2007年3月から休車となっていた6356Fのうち、6456を除く7両が代替[[廃車 (鉄道)|廃車]]・解体され、6300系初の廃車となった<ref>「関西の鉄道 No.55 2008」より</ref>。
一方で、2008年7月に2007年3月から休車となっていた6356Fのうち、6456を除く7両が代替[[廃車 (鉄道)|廃車]]・解体され、6300系初の廃車となった<ref>「関西の鉄道 No.55 2008」より</ref>。


9300系9308Fの登場により、平成22年を目途に京都線から引退する予定である。
9300系9309Fの登場により、平成22年を目途に京都線から引退する予定である。


=== 内装 ===
=== 内装 ===

2009年12月31日 (木) 15:14時点における版

阪急6300系電車
阪急6300系電車
南茨木駅付近で撮影)
基本情報
製造所 アルナ工機
主要諸元
編成 4両・8両
軌間 1,435
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 京都線:110km/h
嵐山線:70
起動加速度 45km/hまで2.4
減速度(常用) 3.7
減速度(非常) 4.2
編成定員 728(立席)+432(座席)=1,160人(8両)
編成重量 253.4t
248.6t(6330F)
全長 19,000
全幅 2,850
全高 4,095
駆動方式 WN平行カルダン駆動方式
編成出力 140kW×16=2,240kW(8両)
150kW×16=2,400kW(6330F)
140kW×8=1,120kW(4両)
制御装置 抵抗制御・直並列組合せ制御 (ES767)
界磁チョッパ制御 (ES773EM,6330F)
制動装置 発電ブレーキ(6330Fは回生ブレーキ)併用電気指令式ブレーキ (HRD)
保安装置 AF軌道回路方式ATS
デッドマン装置
備考
第19回(1976年
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阪急6300系電車(はんきゅう6300けいでんしゃ)は、阪急電鉄通勤形電車特急車)である。

京都線特急運用に充当するために設計・製造され、派生番台である6330形とあわせて8両編成9本計72両が製造された。

概要

2800系の置き換えに伴い、当時の標準的な車両であった5300系の足回りを元に1975年から1978年までに8両編成8本64両が製造された[1]

車体は片側2扉としたが2800系と異なり扉を両端に寄せ、側窓は2800系同様の2連式の一段下降窓として特急車としての風格を持たせた。車体寸法は阪急では最大となっており、車両限界の異なる神宝線大阪市交通局大阪市営地下鉄堺筋線には入線することはできない。

運転台主幹制御器は同時期に落成した2200系と同様にブレーキハンドルと一体化したワンハンドル式が採用された。本系列の導入当時、特急に充当されていた2800系では主幹制御器とブレーキが分離しているツーハンドル式であり、さらに当時の特急の停車駅は梅田寄りから十三大宮烏丸のみであり、十三 - 大宮間では運転士は約30分もの間左手で主幹制御器を握り続けなければならず、運転操作上安全性に問題があるとされたことからワンハンドル式が導入された。 京都線車両では元来、主幹制御器の電源操作は、逆転ハンドルの着脱により行われる仕様であったが、ワンハンドル式の採用により神宝線車両と同様に鍵操作で行われるようになった。

主幹制御器のワンハンドル化にともない従来車より乗務員室スペースが拡大されたため、乗務員室横の座席がそれまでの3人掛けから2人掛けとなり、この部分の窓が廃止された[2]。あわせてこの部分にはHイニシャルマークが装着された。

車体の塗装は、マルーン1色から屋根に近い部分にアイボリーを入れて差別化を図った[3]

前面形状は2200系をベースとするが、貫通扉から前照灯尾灯・標識灯回りを飾り付きとして、他車と区別した。また字幕式種別・行先表示器も設置されたが、急行の表示については2200系と同様に当初は白地に赤文字で「急行」の表示(特急の反転)であったが、1982年に黒地にオレンジ文字の表示に変更された。しかし、黒地に白文字の「普通」表示と区別しにくいとの苦情を受け、「急行」表示は1992年に現行の快速急行と同じオレンジ地に黒文字に変更された。

1976年鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した。

1984年には、高槻市駅茨木市駅付近の連続立体交差高架)工事による徐行運転のために所要時間が延び、運用本数が1本多く必要になったことから、さらに8両編成1本 (6330F) が製造された。 6330Fが製造された時はすでに7300系などの後継車種が登場しており制御装置や運転台へのバイパスブレーキボタン、天井空調吹出し口のラインフロー化、貫通ドアのガラス寸法拡大など7300系アルミ車に準じた仕様となっている。また両先頭車は制御電動車とされたため、車両番号は6358/6458ではなく6330/6430とされた。

1980年代前半まで大宮駅、西院駅ではホーム有効長が7両分しかなかったため、ドアカットスイッチが設けられていた。このドアカットは上り・下りとも進行方向の最後尾車両のみで、ホーム延伸の際に装置は撤去された。ドアカットを実施していた時期には、両先頭車の扉の戸袋部分にドアカットする旨を表示したステッカーが貼付されていた。これは現行の「携帯電話電源オフ車両」のステッカーより一回り大きいサイズである。

2002年には、国土交通省によるモデル調査を受け入れる形で梅田方から5両目の車両(5号車)を女性専用車両とした。当初は、本系列で運転される平日ダイヤ終日の特急・快速特急・通勤特急に限って女性専用車両を設定していたが、2008年7月からは、9300系で運転される平日ダイヤの特急・通勤特急にも拡大された。

本系列は優先的に特急運用に充当されているが、初期車の登場から30年以上が経過し、陳腐化・老朽化が進んだため、新しい特急用車両として2003年10月に9300系が投入された。これは本系列と異なり、扉間にクロスシートを採用したものの3扉車とされた。 背景としては、京都線を取り巻く環境が大きく変化したことが挙げられる。本系列は当初、京阪間ノンストップの特急に主に充当されていたが、輸送形態の見直しに伴って中間主要駅への停車が徐々に増え、多数の利用客が乗降するようになった。2扉車では、扉数が少なく乗降に時間がかかるため、しばしば遅延の原因となっている。 9300系の構造は、このような輸送形態の変化に対応したものである。

2007年3月のダイヤ改正淡路駅に特急が停車するのに伴い、2ドア車の本系列は乗降に時間がかかることから、特に平日昼間時、土曜・休日夜間時を中心に運用が削減された。 また、特急・通勤特急共に順次9300系に置き換えられており、6300系による運用は減少している。

本系列は1975年に登場して以来、一度も車体更新工事が施工されていなかったものの、6351F、6352F、6353Fの3本を4両編成に変更し、内装などをリニューアルした[4][5]。リニューアル車両は2009年4月2日より嵐山線にて営業運転を開始し同線で運用されていた2300系を置き換えた[6]

一方で、2008年7月に2007年3月から休車となっていた6356Fのうち、6456を除く7両が代替廃車・解体され、6300系初の廃車となった[7]

9300系9309Fの登場により、平成22年を目途に京都線から引退する予定である。

内装

車内

主に特急で使用されることから、座席は運転室直後の2人掛けロングシート以外は全席クロスシートとしている。クロスシートは扉に接する部分以外は全て転換式で、終点での折返しの際には運転室のスイッチ操作で一斉転換が可能である。駅に掲示されている時刻表やポケット時刻表には2扉車である旨(印)の記載があったが、2008年7月以降は女性専用車両の表示(印)に変わっている[8]。また、ラッシュ時以外は扉部分に設けられた補助席を使用できるようになっている[9]

座席表地は一般車と同じゴールデンオリーブ(緑)色であるが、段織モケットとして差別化を図った。クロスシート上部にはレザー製のカバーが装着されている。座席の袖はデコラ張りとされたが、6330Fではモケット張りに変更した。

落成当時は車内に吊り広告が設置されていなかった。その後1990年代に設置されたが、広告は他系列[10]と異なり片面1種類ものが使用される。また、各扉上の広告・路線図掲示スペースは、他系列では出っ張りであるが、本系列だけは窪んでおり、扉上部のカバーを開けて中から取り替えることになっている。

特急停車駅の増加に伴い、各扉周辺で吊り革が増設された。

1987年河原町寄り先頭車(8号車・6450形、6430形)にカード式の公衆電話が設置された。特別料金不要の列車に使用される車両としては日本初である。

機器

主電動機出力140kW (TDK8580-A) 、抵抗制御 (ES767) ・電気指令式ブレーキ5300系と共通で、車体は普通鋼製。6330形のみ7300系と同一の界磁チョッパ制御(ES773-E-M)を採用し、主電動機出力も150kW (TDK8580-A) となっている。いずれも東洋電機製造製。6330形では車両間貫通扉窓の大型化、冷房吹き出しグリルの連続化、そして電動車は編成両端の各2両に組成されるなど、6300系との差異がある。

パンタグラフ

パンタグラフは下枠交差式で、6300系では中間電動車の6800形に、6330Fでは制御電動車の6330形と中間電動車の6830形に各2基が搭載される。

6357Fに組み込まれる6817の集電舟は、先端が一体となる3300系類似の形態となっている[11]

運用

6300系嵐山線仕様車 6353F
2009年4月15日 桂駅にて

京都本線運用

登場当初から京都本線車両として、基本的に特急以上の種別(昼間時は特急、平日朝夕ラッシュ時は通勤特急)に充当されている。また、平日朝ラッシュに茨木市発河原町行き快速急行2本、早朝・深夜には桂車庫に入出庫するための送り込み列車として普通各駅停車)にも充当されている。平日の特急・通勤特急運用時には5号車に女性専用車両が設定される。

嵐山線運用

6351F、6352F、6353Fの4両編成3本が2009年4月2日より、ドアを交換したり、座席を2列-1列等の改造を受けた[12]上で線内普通として運行している。


脚注

  1. ^ 第1編成である6350Fは、当時予備車が存在せず、7編成フル運用の状態であった2800系特急車の増備という位置付けで製造された
  2. ^ のちに小窓を設置する改造が施工された。
  3. ^ この塗装についての別称は「鉄道車両・船舶の俗称」を参照。のちに8000系にも採用され、その他の更新車なども同様の塗装となった。
  4. ^ 京都線6300系車両がデザインを一新 来春嵐山線で再デビュー
  5. ^ 阪急沿線インフォメーション│web TOKKウェブ・トック
  6. ^ 阪急6300系リニューアル車、嵐山線で営業運転開始 | 鉄道ニュース | 鉄道ファン・railf.jp
  7. ^ 「関西の鉄道 No.55 2008」より
  8. ^ 9300系にも設定されるようになったため、この印があっても2扉車とは限らない。
  9. ^ 6330Fのみ補助座席ロック可能となっている。
  10. ^ 神宝線では8000系・5000系で同スタイルの吊り広告が使用されている。
  11. ^ それ以外の6300系編成の集電舟はすべて通常の形態である。
  12. ^ 鉄道ファン 2009年2月号より

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