Zippar
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Zippar(ジッパー)とはZip Infrastructure株式会社(以下、Zip社)が開発を進める電動自走式ロープウェイシステムである。2025年の運行開始を目指している。[1]
概要
[編集]2018年に、慶応義塾大学理工学部の須知高匡(現 Zip社社長)により開発された都市索道である[2]。
神奈川県秦野市にあるZip社の本社敷地内に設けられた実験線には、三菱・i-MiEVの駆動部を転用した12人乗りの搬器が導入されている[3]。既存のロープウェイにない特徴としては曲線や分岐を自由に設けられる点がある[4]。市街地の道路上への敷設が想定され[5]、1Kmあたりの建設費は15億円、駅の建設費は空中に設置する場合は5億円、地上部では1億円が見込まれている[3]。無人運転であり、バス運転手の人手不足対策ともなる[5]。
Zip社は実用化に向けて、日揮や長大、ヤシマキザイ、高見沢サイバネティックスと提携を結んでいる[6]。2024年に[3]福島県南相馬市の「福島ロボットテストフィールド」に大規模な実験線が建設される予定で[6]、将来的に秦野市内にて本格導入へ向けた検討がなされている[7]。新潟県新潟市や北海道石狩市なども導入を検討しており、ネパールのポカラ市とは実用化に向けた協定を締結している[6][8]。日本の法令上の認可を受けるにあたっては、既存のロープウェイに適用される索道事業ではなく、軌道や新交通システムを目標としている[6]。
建設構想・導入検討がある地域
[編集]日本
[編集]- 北海道石狩市(石狩湾新港 - 市中心部 - 手稲・麻生・栄町) - 石狩モノレールの代替構想として、2023年度からZipparが検討候補に上がっている。函館本線手稲駅を結ぶ「手稲ルート」、南北線麻生駅を結ぶ「麻生ルート」、東豊線栄町駅および札幌飛行場(丘珠空港)を結ぶ「栄町ルート」の3ルートが候補となっている[9][10][11][12]。
- 宮城県富谷市(泉中央駅 - 明石台) - 2024年11月の第3回市地域公共交通活性化協議会において、地下鉄やBRTとともに導入を検討するとした[13][14][15]。
- 東京都台東区(恩賜上野動物園) - 東京都交通局上野懸垂線の後継としてZipparが検討候補に上がっていた。しかし、泉陽興業の開発する公共交通システムのエコライドが採用されることが、2024年3月29日に建設局より公表された。[16][17][18][19][20]。
- 神奈川県秦野市(秦野市保健福祉センター - 秦野駅 - 秦野赤十字病院、秦野戸川公園 - 渋沢駅)[7][17][21]
- 新潟県新潟市中央区(万代島)[18][22]
- 長崎県佐世保市(ハウステンボス)[17]
- 沖縄県豊見城市(赤嶺駅-瀬長島-豊崎)[23][24]
- 沖縄県うるま市[18][19][25]
ネパール
[編集]マレーシア
[編集]脚注
[編集]- ^ “都市部の渋滞解消に? 曲がれる自動運転ロープウェイ「Zippar」の現在地”. FASHIONSNAP. 2023年9月23日閲覧。
- ^ “「空飛ぶ路線バス」Zipparが未来的でカッコいい! 運転手不足の救世主になるか?”. ダイヤモンド・オンライン: p. 1. (2023年9月17日) 2023年9月25日閲覧。
- ^ a b c “実用化迫る自走型ロープウェイ「Zippar」の実験線を見てきた。鉄道敷設の空間・費用の問題を解決するヒミツとは?”. トラベル Watch. (2023年9月1日) 2023年9月25日閲覧。
- ^ “交通政策審議会 交通体系分科会 地域公共交通部会 最終とりまとめ” (PDF). 国土交通省交通政策審議会交通体系分科会地域公共交通部会 (2023年6月30日). 2023年9月25日閲覧。
- ^ a b “「空飛ぶ路線バス」Zipparが未来的でカッコいい! 運転手不足の救世主になるか?”. ダイヤモンド・オンライン: p. 2. (2023年9月17日) 2023年9月25日閲覧。
- ^ a b c d “「空飛ぶ路線バス」Zipparが未来的でカッコいい! 運転手不足の救世主になるか?”. ダイヤモンド・オンライン: p. 3. (2023年9月17日) 2023年9月25日閲覧。
- ^ a b “次世代交通システムの開発及びまちづくりへの活用に関する連携協定”. 秦野市. 2023年9月23日閲覧。
- ^ a b “自走型ロープウェイ「Zippar」を開発しているZip Infrastructure株式会社はネパールのガンダキ地区と基本合意契約”. Zip Infrastructure株式会社 (2022年5月12日). 2024年1月21日閲覧。
- ^ “石狩市都市型ロープウェイ調査へ 24年度に参画企業呼び掛け”. 北海道建設新聞. (2023年4月7日) 2023年4月15日閲覧。
- ^ “R5年度先導的官民連携支援事業(第1次)採択案件概要について”. 国土交通省. 2023年4月15日閲覧。
- ^ “石狩市 都市型ロープウエーの導入調査へ”. テレビ北海道. (2023年4月12日) 2023年4月15日閲覧。
- ^ “ロープウエーも視野に新たな軌道系交通を導入検討、石狩市がサウンディング”. 日経BP 2023年12月24日閲覧。
- ^ “令和6年度第3回富谷市地域公共交通活性化協議会を開催しました”. 富谷市企画部企画政策課. (2024年12月2日) 2024年12月6日閲覧。
- ^ “宮城・富谷で都市型ロープウエーの導入を調査へ 泉中央以北の公共交通整備の一環”. 河北新報. (2024年11月27日) 2024年12月6日閲覧。
- ^ “富谷市と泉中央駅をロープウエーでつなぐ 整備費は地下鉄の10分の1 第3候補として市が検討〈宮城〉”. FNNプライムオンライン. (2024年12月2日) 2024年12月6日閲覧。
- ^ “【日本発 自走式の都市型ロープウエー】Zip Infrastructure代表取締役 須知高匡氏”. 建設通信新聞. (2022年10月18日) 2024年1月7日閲覧。
- ^ a b c “次世代自走型ロープウェイZipparを開発するベンチャー企業を訪問しました。”. 二宮町議会議員 松崎たけし (2023年6月13日). 2024年1月7日閲覧。
- ^ a b c “ロープウェー+モノレール?「Zippar」とは何者か”. 東洋経済オンライン (2023年11月10日). 2024年1月7日閲覧。
- ^ a b “夢叶えるプロジェクトに選ばれた自走式ロープウェイ Zippar が300万円資金+シリコンバレー視察きっぷを獲得! 2025~2026年に営業運行開始めざし、上野動物園モノレールの代替えも!?”. 鉄道チャンネル (2023年4月2日). 2024年1月21日閲覧。
- ^ “恩賜上野動物園新たな乗り物選定審査委員会の審査結果について”. 建設局. 2024年4月6日閲覧。
- ^ “令和 4 年度次世代交通システム Zippar(電動自走式ロープウェイ)導入に向けた基礎調査委託業務 報告書”. 秦野市環境産業部はだの魅力づくり推進課表丹沢魅力づくり担当 (2023年3月30日). 2024年1月7日閲覧。
- ^ “万代島巡りにロープウエー構想、安価で柔軟な路線設定が可能! 神奈川県の企業が提案、路線バスの代替に活用も・新潟市中央区”. 新潟日報. (2023年8月2日) 2024年1月21日閲覧。
- ^ “瀬長島や豊崎へロープウエーで移動!? 交通渋滞に悩む豊見城市が導入を検討へ 次世代交通ベンチャーと連携協定”. 沖縄タイムス. (2023年10月14日) 2024年1月7日閲覧。
- ^ “利点いろいろ 次世代交通システムの可能性を探る 豊見城市と業者協定”. 沖縄タイムス. (2023年10月14日) 2024年1月7日閲覧。
- ^ “令和5年 うるま市議会議会議録=合併号=”. うるま市議 (2023-09-284). 2024年1月21日閲覧。
- ^ “Zip Infrastructure株式会社は、マレーシア科学大学 (Universiti Sains Malaysia)と基本合意契約を締結”. Zip Infrastructure株式会社 (2022年5月12日). 2024年1月21日閲覧。