リジェネレイトガンダム
リジェネレイトガンダムは、漫画『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R』に登場する、モビルスーツ (MS) に分類される架空の兵器。「リジェネレイト」は英語で「再生」を意味する。
機体解説
[編集]リジェネレイトガンダム REGENERATE GUNDAM | |
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型式番号 | ZGMF-X11A[1][注 1] |
分類 | ZAFTガンダム目 |
生産形態 | 試作可変機[3] |
全高 | 35.61m[1] |
重量 | 198.02t[1] |
装甲材質 | フェイズシフト装甲[1] |
動力源 | 核エンジン[4] |
武装 | MA-X200 ビームソード×4[1] ロングビームライフル MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲×2 ビーム砲×6 |
特殊装備 | ミラージュコロイドシステム[5] |
搭乗者 | アッシュ・グレイ |
CE71年の大戦末期に開発されたザフトの核動力モビルスーツの1体。ジャスティスやフリーダムのサポートモジュールであるミーティアユニットのコンセプトを推し進め、単機でユニットモジュール構想を行う機体として開発された[6]。機体はプロヴィデンスと同時期にロールアウトしている[7]。
本機のコクピット[1]と核エンジンはバックパックの「コアユニット」に存在し、事実上ここが本体部となる[8]。コア以外のパーツは末端ユニットとして扱われ[5]、多数用意された予備パーツによって損壊した際も交換して戦闘を継続する事が可能となっており[1]、リジェネレイトという機体名もこれに由来する[1]。この機体構成は後にセカンドステージシリーズのインパルスへとフィードバックされている[9]。
さらに本機はヘリオポリスで奪取したGAT-X303 イージスから踏襲した変形機構を採用し、MS形態と高速巡行用MA形態の他、コアユニットを上半身、人型部分を4脚の下半身とした強襲用MA形態の三つの形態を持つ[5]。機体サイズは小型化が困難であった事から従来機と比較して大型化している[10]。
コア・ユニットはミーティアユニットに近似した運用も想定されている[11]。プラグを持つ敵機に合体する事でそのコントロールを掌握する事が可能[8]なほか、僚機と合体すれば、本体部の核エンジンから電力供給を行うこともできる[8][注 2]
武装・装備
[編集]- MA-X200 ビームソード
- 両手足に装備されるブレード状のパーツから展開される[1]。ミーティアに装備されたものと同一のモデル。
- ロングビームライフル
- 本機の携行装備。可動アームを介してコアユニットにも接続可能[注 3]。
- MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲[注 4]
- MA形態時における上半身ユニットの頭部部分(MS形態では後頭部を形成する)に二基設置されている[13]。
- ビーム砲
- 手足先端のブレード状パーツに1基ずつ、上半身ユニットの頭部部分(MS形態ではと後頭部に位置する)の先端部分に1基、下半身ユニットの先端部分(MS形態ではフロントスカートに位置する)に1基の計6基装備する[13]。作中では未使用。
- ミラージュコロイド
- この機能によって、本機は隠密行動も可能としている[5]。
ライトクラフト・プロパルジョン
[編集]リジェネレイトに採用されたジェネシスαとの連携によるレーザー加速システム。外宇宙航行技術の一部を転用したもので[14]、ジェネシスαから発射されたレーザーで機体の推進剤を爆発燃焼させ[15]、驚異的な加速や長距離の航続を可能としている[11]。このライトクラフトを行う際はジェネシスαからX線を照射する[16]。加速中には四肢を動かして質量移動を行うことによって、軌道変更も可能としている[15]。
このレーザー照射による推進システムは、後にデュートリオンビーム送電システムの発想の原点にもなっている[9]。
劇中での活躍
[編集]本機はC.E.71年5月5日、X12A テスタメントとX13A プロヴィデンスの2機と同時にロールアウト。反逆者ラクス・クライン及びその一派の抹殺任務を帯びたザフト特殊防衛部隊所属、ジェネシスα防衛隊長アッシュ・グレイの搭乗機となる。
ロウ・ギュール達ジャンク屋一味や、叢雲劾率いるサーペントテールと交戦し、機体特性を最大限に活かした攻撃で彼らを苦しめた。しかし、劾によって機体の予備パーツをすべて破壊されたうえ、コア・ユニットはロウの駆るパワードレッドの「レッド・フレイム」の一撃を受け、連合の制宙区域まで飛ばされてしまった。
その後、回収されたコア・ユニットは連合軍特務情報局(連合の組織だが、事実上『一族』という組織が把握)の手に渡り、同じくザフトから鹵獲したRGX-04 プロトセイバーのパワーアップユニット(プロトセイバーのパイロットイルド・ジョラールが一族崩壊後に残った施設・組織から独断で使ったもの)として使用される。
備考
[編集]ゲーム『スーパーロボット大戦W』では、遠距離武器として胴体中央にスキュラを装備している。ライトクラフト・プロパルジョンの際はジェネシスαが登場してレーザーを発射するという演出がある(リジェネレイトとの決着はヤキン・ドゥーエで行われるが、そこにあるジェネシスとは別物である)。機体の最大の特徴である再生能力は、「HP回復(小)」の特殊能力として再現されている。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「ザフトガンダム11号機」とも称される[2]。
- ^ ただし、この運用を行ったプロトセイバー+11においては合体の為に接続パーツを新規に製作している[8]。
- ^ 設定画稿を参照[12]
- ^ 本装備をピクウスと明記したのは双葉社より刊行された「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラメカニック&ワールド」における記述となる[1]。それ以前の資料においては、バルカン砲と記載されていた[13]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j 「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド」双葉社刊 132-133頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
- ^ 戸田泰成『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R』第4巻、角川書店、2004年8月、123頁。(ISBN 978-4047136595)
- ^ オフィスJ.B 編「第2章 コズミック・イラのガンダム ZGMF-X11A リジェネレイト/ヴェルヌ 35A/MPFM多目的飛行モジュール(ミーティア改)」『ガンダムの常識 オールガンダム大全集 21世紀篇』双葉社、103頁。ISBN 978-4-575-30314-8。
- ^ 『電撃データコレクション (19) 機動戦士ガンダムSEED外伝』メディアワークス、2007年8月15日初版発行、73頁。 (ISBN 9784840239073)
- ^ a b c d 『電撃データコレクション (19) 機動戦士ガンダムSEED外伝』メディアワークス、2007年8月15日初版発行、28-29頁。 (ISBN 9784840239073)
- ^ 『機動戦士ガンダムSEEDモデルVol.3 SEED MSV編』ホビージャパン、2004年5月31日初版発行、10-11頁。(ISBN 4-89425-336-4)
- ^ 『電撃データコレクション 機動戦士ガンダムSEED外伝2』メディアワークス、2008年4月15日初版発行、77頁。(ISBN 978-4-8402-4202-8)
- ^ a b c d 千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY 下巻 絆を求める者』メディアワークス、2006年8月15日初版発行、146-147頁。(ISBN 978-4840234986)
- ^ a b 『1/100 MG フォースインパルスガンダム』バンダイ、2008年5月発売、取扱説明書。
- ^ 『ガンダムSEED ASTRAY MASTERS』メディアワークス、2006年5月、123頁。(ISBN 4-8402-3461-2)
- ^ a b 『機動戦士ガンダムSEEDモデルVOL.4 紅の炎編』ホビージャパン、2004年10月12日初版発行、99頁。(ISBN 4-89425-347-X)
- ^ 『機動戦士ガンダムSEEDモデルVOL.4 紅の炎編』ホビージャパン、2004年10月12日初版発行、164頁。(ISBN 4-89425-347-X)
- ^ a b c 『月刊ガンダムエース』2004年5月号、角川書店、248-249頁。
- ^ ときた洸一『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』1巻、角川書店、2005年1月。(ISBN 978-4047137080)
- ^ a b 戸田泰成『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R』第4巻、角川書店、2004年8月、186-187頁。(ISBN 978-4047136595)
- ^ 『月刊少年エース』2004年7月号、角川書店、705頁。