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Wikipedia:外来語表記法/ウクライナ語

この文書は、ウクライナ語由来の外来語について、表記を決めるための参考資料を提示するものです。特定の表記を強制するものではありません。もちろん、編集は大胆に。

なお、このページはウィキペディアの作成のためのガイドラインページです。ウクライナ語の日本語表記一般の事象についてはウクライナ語の日本語表記をご参照下さい。

概要

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ウクライナ語からカナ書きに変換する場合は、ほぼ規則的に変換出来るもののウクライナ語の知識があまりに日本語話者に浸透していないため訳者によって微妙なばらつきが生じています。また、比較的古くから知られてきた事物の名称はポーランド語ロシア語名で定着してしまっている場合もあり、現代においてもウクライナ語名が必ずしも主流とはなっておりません。また、ウクライナの公用語はウクライナ語だけであるため企業名や商品名なども公的にはウクライナ語名であるものの商業上の理由からロシア語名やその他の言語名しか用いていない場合もあり注意が必要です。

原則

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原則の詳細については、Wikipedia:外来語表記法を参照して下さい。このページでは、ウクライナ語特有の問題について述べます。

基本原則

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  • ウクライナ語由来の外来語は、片仮名書きを原則とする。必要に応じて原語文字表記を括弧書きする。
  • どう文字で表されているかではなく、それがどう発音されることになっているかにより表記を決める。実際の発音には個人や地方によってぶれが見られるため、原則としてIPAの発音記号を優先する。
    • 例 - Чернігів - 文字通りには「チェルニヒヴ」と書かれている。IPAによればこれは「チェルニーヒウ」のように発音されるので、ページはチェルニーヒウで作成する(但し、アクセント位置を示す長音符は用いなくてもよい)。実際の発音は「チェルニーヒヴ」や「チェルニーヒフ」、「チェルニーギフ」などがあるが、過度に現地発音を考慮すると方言性なども含め際限がなくなるため、原則として一律IPAを優先すること。
  • ウクライナ語表記についてバリエーションがある場合は、検索の便を考え慣用を重視する。発音については原語標記のあとに<small>xxxx</small>で記すなどしてよい。但し、ウクライナの事物についてウクライナ語名以外のものとの選択では、特に強く定着していないものについてはなるべくウクライナ語名を優先する。原語を特定しない慣用だけを尊重すると、ウクライナの記事がウクライナ語名で製作することが難しくなるためである。

人名

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  • 日本で一般に利用されている表記を尊重して下さい。但し、特に現代のウクライナの人名については原則ウクライナ語名を使用して下さい。現代のウクライナの公用語はウクライナ語です。ロシア語やポーランド語ではありません。
  • ウクライナ語圏での公的表記である「姓・名」の順ではなく、慣用的な「名・姓」の順に記載して下さい。
  • 名と姓の間は「・(中黒全角)」で区切って下さい。
  • ハイフンがある場合は、「=(全角等号)」で結合して下さい。
  • 歴史上の人物については、定着している慣用に配慮しつつその人物の背景に最もそぐう言語による名称を選択して下さい。ウクライナの人物であっても必ずしもウクライナ語名で作成する必要はありません。

地名

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  • 日本で発行されている地図に用いられる標記を尊重して下さい。但し、現代のウクライナの公用語はウクライナ語ですので、現代のウクライナの都市の正式名称はすべてウクライナ語名です。日本で発行されている一部の地図帳ではロシア語名を使用しています。注意して下さい。記事名では正式名称を優先することになっています。
  • 特別に定着している名称は、ウクライナ語名を優先する限りではありません。非ウクライナ語名(ロシア語名)で作成されている例としてキエフなどがあります。
  • 空白は「・(中黒全角)」で区切って下さい。
  • ハイフンがある場合は、「=(全角等号)」で結合して下さい。

企業名

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  • 日本に支社がある場合は、支社が用いている表記を尊重して下さい。
  • 原則として正式なウクライナ語名を優先して下さい。但し、日本で格別別言語名で定着している場合はその限りではありません。

その他

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  • 人名・地名が元になっているもの(航空機名、艦船名など)は、元の人名・地名に合わせるか、少なくとも関連が容易にわかる表記を選んで下さい。

特記事項

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慣例のないものは、原則として国際音声記号(IPA)の定める発音に沿って片仮名で表記することになります。しかし、日本語では馴染みのない発音もあり、必ずしも簡単ではありません。

以下にウクライナ語の日本語転写について特に難しいものについて例示します。一般的な事象についてはウクライナ語の日本語表記をご参照下さい。

「ヴェー」の扱い

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ウクライナ語の「В」は、原則としてIPAで表すところの[v]の発音を示しています。従って、日本語ではヴァ行で表すことになります。「ヴ」という表記を好まない場合はバ行やワ行で表しましょう。子音のみの「В」については[w]で表されますので、日本語では「ウ」と表記することになります。

「ヘー」の扱い

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ウクライナ語の「Г」は通常ハ行で表されます。但し、ガ行で表すことも間違いではありません。

「ウィー」の扱い

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ウクライナ語の「И」は通常「ウィ」で表されます。この表記を好まない場合は「ウイ」か「イ」で表すことになります。同じ発音を持つポーランド語では後者が多く、ロシア語では前者が好まれているようです。ウクライナ語ではポーランド語同様後者が多いようです。また、稀に「エィ」や「エイ」、あるいは「エ」で表されることもありますが、あまり一般的ではありません。

「イィー」の扱い

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ウクライナ語の「Ї」を日本語で表すのは困難を極めます。発音は、IPAで[ji]で表され、カタカナでは「イィ」と表現することが可能です。しかし、この表記は読みにくかったり却って間違った発音を誘導する危険性がありますので、ウィキペディアのページ名では「イ」で代用することをお勧めします。ページ内で厳密に発音を表したい場合は「イィ」がよいでしょう。

「ハー」の扱い

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ウクライナ語の「Х」はハ行で表して下さい。しばしばカ行で表している例が見られますが、間違いです。

「ツェー」の扱い

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ウクライナ語の「Ц」はツァ行で表して下さい。しばしばチャ行で表している例が見られますが、間違いです。

「シュチャー」の扱い

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ウクライナ語の「Щ」はシュチャ行で表して下さい。しばしばシャ行で表している例が見られますが、間違いです。ロシア語のようにシチャ行で表すこともありますが、原音の発音はシチャ行では通じないということを考慮した上で表記を決めて下さい。

軟母音の扱い

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ウクライナ語の軟母音はヤ行で表して下さい。しばしば「ヤ」ではなく「イア」のように表記している例が見られますが、間違いです。

ローマ字表記の使用について

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ウクライナ語のキリル文字表記は、しばしばラテン文字ローマ字)転写で表されることがあります。各ページ内では、必要があればラテン文字転写を記載して下さい。ただし、その際にはいくつかの点について注意して下さい。

一般に、ウクライナ語のキリル文字表記のラテン文字転写にはいくつかの方法があります。主なものでは、ウクライナ科学アカデミーなど各国の科学アカデミーで制定されているものがあります。しかし、そこでもいくつかの表記方法が認められています。この他では、アメリカ合衆国の図書館でよく用いられる表記、イギリスの図書館でよく用いられる表記、そして国際標準化機構(ISO)によって定められた表記などがあります。学術的な分野ではISO方式が用いられる例が多く見られますが、それ以外では英語方式かドイツ語方式が優勢のようです。

表記バリエーションがどのくらい生じるかといえば、例えばЩорсという地名をラテン字で表記しようと思った場合、主なものだけでもShchorsSchtschorsSzczorsŚciorsscsorsŠčorsSchorsなどが候補として考えられます。こうした転写バリエーションをすべてページ内で網羅することは困難ですし、たとえその偉業を達成したとしてもそれが必ずしも閲覧者の利益になるとは限りません。従って、ラテン文字転写が必要であると考える場合には、こうした候補の中からいくつか(たいてい1つか2つ)の表記方法を選ぶことになります。

従って、ページに記載する際には「ラテン文字転写:xxxx」という方式は取ることはできません。飽くまでそれは「ラテン文字転写の例:xxxx」なのです。

例外もあります。国名や都市名であれば、その国や都市で公式に定められている表記があればそれは唯一無二の「ラテン文字転写」と扱うことができます。人物であればパスポートに書かれた表記や本人が公式に用いているラテン文字表記が記載できる場合は「ラテン文字転写:xxxx」と書くことができます。また、それに準じて公的・公式に用いられる表記も同様です(例えば、スポーツ選手の場合その所属する団体・協会・機構などに登録してあるラテン文字表記名)。

それから、ラテン文字転写を記載する際にはこれが「日本語版」ウィキペディアであるという点を忘れないで下さい。本当にそのラテン文字転写は日本語版利用者にとって必要でしょうか? そのラテン文字表記はキリル文字表記のみの場合と比べて日本語版利用者に有益な情報をより多くもたらすでしょうか?

こういった点に留意し、各ページにラテン文字表記を記載するようにして下さい。

関連項目

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以下の言語はウクライナ語に近く、日本語への転写を考える上で参考になります。