Wikipedia:出典を明記する/202109修正案
ここでは、出典を明記することの必要性と参考文献の書き方について説明します。
ウィキペディアを執筆する際には、書籍や論文、外部ウェブサイトなどのWikipedia:信頼できる情報源を参照に情報を掲載する事が求められています。この時に、参考にした情報源を、記事内に明記する事を忘れないようにしてください。つまり、参考文献(書籍や論文、ウェブページなど)を見つけるための情報(書誌情報、URLなど)を書いてください。
これにはいくつか理由があります。
- 内容に問題がないか確認できる - ウィキペディアの記事は、検証が可能である必要があります。文献が示されていれば、文献を入手するか図書館で閲覧することにより、どのような情報が書かれているか確認することができます。また、執筆に用いた情報源の著者・年代や文脈が明らかになることにより、中立的な観点かどうか調べやすくなります。
- 読者がさらに調べるときの参考になる - 読者がその情報について、もっと知りたいと思ったときに、文献リストがあればそこから調査できます。
- 著作権・著作隣接権の遵守 - 著作権法に従って参考文献の記述を引用する場合は、引用の範囲と引用元を明示しなければなりません(Wikipedia:著作権およびWikipedia:著作権で保護されている文章等の引用に関する方針を参照)。また、引用でない部分についても情報源を明記することで、情報源を違法に丸写ししていないかどうか確認しやすくなります。
出典の記載の仕方については、以下で説明します。多少の情報の記載漏れに関しては、誰かが修正してくれるでしょうが、最低限必要な事柄として、本文内のどの記述が、どの出典の、どの箇所から持ち込まれたのかが判別できるように注意してください。
出典の示し方
[編集]一般的に、出典の示し方には、本文内に出典の情報を記載する方法と、ページ末尾に記事全体に関する参考文献として箇条書きで列挙する方法があります。ウィキペディア内では、前者を個別参照方式(Inline Citation)、後者を一括参照方式(General Reference)と呼んでいます。本文内の挿入は正確性に優れ、末尾での列挙は参考文献の通覧に便利です。多くの人が編集するウィキペディアでは、本文内に典拠情報を記載する方式が推奨されています。
ここでは、大枠の掲載方法について紹介します。例として、以下の出典を元に記載を行う場合を紹介します(これは実在しない架空の文献です)。実際には具体的にどのような情報を掲載すれば良いのかは、次の「記載すべき情報」節をご覧ください。
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本文に沿って出典を掲載する(個別参照、Inline Citation)
[編集]本文内の記述ごとに対応する出典の情報を掲載する方法で、記事内のどの記述がどの出典を元に掲載されたのかの、検証作業を容易にする事ができます。
基本型
[編集]括弧書きで書き込む場合
[編集]本文の直後に、出典の情報を括弧書きで書き込むシンプルな方式です。本文内の記述と出典の結び付きがその場で一目で分かる一方、本文全体の見やすさは少し損なわれるかもしれません。とはいえ検証可能性を十分に確保するという目的のためであれば、最初のうちはこの方法でも問題ありません。ある程度慣れてきたら、後述する他の方式を使う事も検討してみてください。
- 手順
- 追加したい文章を執筆する。
- 参考にした出典の情報をまとめる。
- 出典部分を丸括弧()で囲み、追加する文章の最後に配置する。
編集画面で入力する内容 | 実際に表示される内容 |
---|---|
== 本文 == |
日本の将棋の起源は、古代インドのチャトランガに端を発するという説が有力である(ミラ・アクアブルー『日本のボードゲーム文化』楚漢社〈楚漢文庫〉、2021年10月28日、13頁)。 |
脚注機能を用いて書き込む場合
[編集]ウィキペディアの標準の設計として用意されている脚注機能を用いて、本文から出典部分を分離して表示する事で、検証可能性の確保と本文の見やすさを両立する方式です。機能自体の詳細な説明に関してはHelp:脚注を参照してください。
ただし典拠情報のうち掲載すべき情報が増えてくると、出典部分自体の見通しが悪くなってしまう場合があります。そうした場合は後述の「専用のテンプレートを使う」のような、脚注部分をよりコンパクトにした形式を用いる事も検討するとよいでしょう。
- 手順
- 追加したい文章を執筆する。
- 参考にした出典の情報をまとめる。
- 出典部分を <ref> と </ref> とで囲み、追加する文章の最後に配置する。
- <ref></ref>内を表示させるため「 == 脚注 ==」のセクションを本文の最後に作り、そこに「{{Reflist}}」と配置する。
編集画面で入力する内容 | 実際に表示される内容 |
---|---|
== 本文 == == 脚注 == |
日本の将棋の起源は、古代インドのチャトランガに端を発するという説が有力である[1]。
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応用型
[編集]専用のテンプレートを使う
[編集]上で述べたような方法を用いた場合、出典の情報に関して掲載すべきものが多くなった時、特に同じ文献を何度も用いる場合などに、本文や脚注部分の見通しが悪くなる場合があります。こうした問題を解決したい場合、典拠情報の詳細については記事末尾などにて列挙し、本文や脚注部分ではその一部のみを掲載する方法が用いられる事があります。このとき、読者や他の編集者による検証作業の負担を軽減するために、以下に紹介するような専用のテンプレートを使用することで、本文や脚注部分から参考文献欄へのアンカーリンク(ページ内の任意の位置へのリンク)を設けることができます。
テンプレートの種類が多いことや、記述する方法が少し複雑なことから最初のうちは難易度が高い部分もありますが、ある程度慣れてくれば十分に使いこなすことができるでしょう。ここでは以下の2つの例を紹介します。他のテンプレートやより詳細な説明に関しては、Wikipedia:出典テンプレート、および同ページ内で紹介されている各テンプレートの解説ページを参照してください。
※この方法は一般的に「ハーバード(Harvard)方式」と呼ばれる方法で、「Harv」はこの略称です。この方式では、複数の参考文献を記載する際の順番に関しては、著者名別の五十音順、またはアルファベット順(同一作者による著作物に関しては発行日時順)に並べることが、慣例として推奨されています。
編集画面で入力する内容 | 実際に表示される画面 |
---|---|
== 本文 == == 参考文献 == |
日本の将棋の起源は、古代インドのチャトランガに端を発するという説が有力である(アクアブルー 2021, p. 13)。
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※「Sfn」は「短縮脚注(shortened footnote)」の略称です。
編集画面で入力する内容 | 実際に表示される画面 |
---|---|
== 本文 == == 脚注 == == 参考文献 == |
日本の将棋の起源は、古代インドのチャトランガに端を発するという説が有力である[1]。
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一か所にまとめて出典を掲載する(一括参照、General Reference)
[編集]記事末尾に「参考文献」などのセクションを設定し、本文内で使用した出典を箇条書きなどの形式で、まとめて列挙する方法を指します。
編集画面で入力する内容 | 実際に表示される内容 |
---|---|
== 本文 == == 参考文献 == |
日本の将棋の起源は、古代インドのチャトランガに端を発するという説が有力である。
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2021年現在でも多数の記事において用いられる方式ですが、この方法においては本文内のどの文章が、どの出典に基づいて記述されたのかが判別できないため、仮に本文内で一括参照内の出典に依らない記述があった場合でも、検証の際に一つずつリスト内の全ての出典を当たらなければならない、という過剰な負担が発生します。この理由のため現在の観点では、単に一括参照内で出典を明記しただけの文章については、Wikipedia:検証可能性を満たしているとは見なされません。
参考文献記載の注意点
[編集]- ISBNをつけるかどうかは任意。なおISBNは規格が変更され2007年1月1日以降のものは13桁になっている。これはTemplate:13桁ISBNを使用することで10桁のものを13桁に変換できるが、ISBNの有無同様、必ずしも13桁で記入する必要はない(Help:ISBNのリンク参照)。
- ウィキペディア上にその本についてのページがある場合、本のタイトルをリンクする。その場合も、文献情報は完全に書くこと。
- 論文など記事がネット上にある場合、タイトルをオンライン版にリンクする。
- 著者の名前が、本文内でリンクされていない場合には、(もしあれば)その著者に関するウィキペディア内のページにリンクすると、出典の背景やその著者の他の作品がわかるのでよい。