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香港国家安全維持法への対応について
[編集]香港国家安全維持法の実施細則が6日に公表され(日本経済新聞、英語版官報で発表された実施細則)、7日に施行されました(実施細則第1条)。実施細則の附則4では香港警察当局が裁判所の令状に基づき、プラットフォームサービスプロバイダーに対し、国家安全維持法違反の疑いのある電子メッセージの削除を書面で求める権力(附則4第7、9、15条)が定められており、サービスプロバイダーが従わなかった場合には罰則があります(附則4第12条・最大で10万香港ドルの罰金および6か月の懲役)。さらに、この規定は「サービスプロバイダーの所在地」「当該電子メッセージを発表した人物の所在地」「電子メッセージが保存されている地点」が全て香港以外の場合にも適用されます(附則4第14条)。
また、裁判所は特定の人物に対し、国家安全維持法違反の疑いに関する証拠あるいは情報の提出を命じることができ(附則6第2条)、その人物が裁判所命令に従わなかった場合には罰則があります(附則6第2条13項)。
香港ウィキメディアコミュニティ利用者グループの代表は上記実施細則への対応について、ウィキメディア財団と相談しているので、続報がありましたらこちらにてお知らせいたします。
下記は現時点での私の意見です。
- 影響を受けるのは中国語版や英語版が主ですが、ウィキペディア日本語版でも香港を取り戻せ、時代の革命だや2019年-2020年香港民主化デモ、香港独立運動など該当する可能性のある記事が存在します。また、附則6に基づきサーバーログやチェックユーザー結果の提出を命じられる可能性もあります。
- 削除の方針におけるケースBでは「少なくとも、日本国内法、アメリカ合衆国法および『GFDLとCC-BY-SA 3.0のデュアルライセンス』の全てを満たす必要があります」とあり、香港と中華人民共和国の法律は含まれていないが、上記附則4第14条によりウィキペディア側に法的リスクが生じるので、これを議論なしに無視することはできないと思います。
- 続報およびそれに伴う質問が出る可能性を予想しているので、お知らせではなくこちらに書いています。また、上記実施細則の概要に誤りがある場合はご指摘いただきますと幸いです。
--ネイ(会話) 2020年7月7日 (火) 08:19 (UTC)附則6について追加。--ネイ(会話) 2020年7月7日 (火) 16:31 (UTC)
- コメント この手の国内法で国外も縛る法律については、実態として有効なのは国内だけで、国外団体が従うケースは、当該国内での活動が必要な場合に限られているかと思います。ウィキペディア日本語版の主な活動地域は日本であることから、ことさらに対応を急ぐ必要はないと思います(ウィキメディア財団の公式見解のようなものが出ると助かりますね。)。取り急ぎ先例として、EU一般データ保護規則についてウィキペディア日本語版としてどの様な対応をしたかが参考になると思いますが、残念ながら見つけ出すことは出来ませんでした。--devicehigh(会話) 2020年7月7日 (火) 13:07 (UTC)
- 情報 追加情報を置いておきます。
- foundation:Requests for user information procedures & guidelinesでは利用者情報の提出について米国法に準拠するとあります。
- ウィキメディア財団のTransparency Reportでは2019年7月から12月までに行われた、利用者情報の請求と記事内容の変更・削除要求について記載されています。これによれば、2019年7月から12月まで記事内容の変更・削除要求は合計281件(うち日本語版は6件・結果は281件全て却下)で、中国または香港政府による請求は0件です。
- EU一般データ保護規則への対応はmw:GDPR (General Data Protection Regulation) and MediaWiki softwareしか見つかりませんでした。
- --ネイ(会話) 2020年7月7日 (火) 16:31 (UTC)
- (コメント)これによるルール変更を認めると、任意の国の法律により縛られることになってしまい収拾がつかなくなるので、無視するべきです。犯罪人引渡し条約が存在するのならばそんなことは言ってられませんが、日本と中国は締結していません。--6144(会話) 2020年7月10日 (金) 02:02 (UTC)
- この件に関する我々の議論に、犯罪人引渡し条約がどう関係するのですか? もう少し詳しく教えてください。--Xx kyousuke xx(会話) 2020年7月10日 (金) 07:35 (UTC)
- (コメント)というわけで調べてみました。犯罪人引渡し条約が存在する場合、引き渡してもらおうとする国が相手国に請求を行い、それに基づいて相手国が判断した上で引き渡しを行うようです。例えば、中国とフランスは犯罪人引渡し条約を締結していますので、中国政府がフランスに「その犯罪者をよこせ」と請求を行い、フランス政府がそれに対して引き渡すかどうか判断します。このような状態では、フランス政府の態度次第では対処の必要があることが考えられます(ただし、基本的に政治犯は引き渡しの対象にならないそうです)。--6144(会話) 2020年7月10日 (金) 08:22 (UTC)
- つまり我々は政府関係者ではないので、この議論とは全く関係ないということですね。承知しました。--Xx kyousuke xx(会話) 2020年7月10日 (金) 08:31 (UTC)
- トランジットの際に身柄拘束される可能性があるので全く無関係とはいえないのではないかと思います。--2405:7000:441:0:0:0:0:AB 2020年7月11日 (土) 07:25 (UTC)
- トランジットというのは飛行機の乗り継ぎを理由とした「入国および出国」ですので、当該国内での活動に他ならないです。中国・香港への入出国にリスクを感じられる方は当然避けるものかと思います。--devicehigh(会話) 2020年7月14日 (火) 16:34 (UTC)
- 公式ページの7/15付けのNewsでこの件についての財団の姿勢の説明が掲載されてましたね。
- If we were to receive any requests for nonpublic user information from the government of Hong Kong, we would not provide any data unless we were certain of the request’s legal validity after a thorough analysis of this new law, and also a full assessment of applicable law, human rights standards, and the rights of our community members.(New Chinese national security law in Hong Kong could limit the privacy of Wikipedia usersより一部抜粋)
- 今までのどおりの姿勢で大体予想通りですが、はっきりと説明してくれるのはよかったです。
- この件について私見を述べると、ウィキペディア日本語版で何か新たにルールを設けるといった必要は別にないでしょう。財団は利用者のプライバシー情報・安全は最大限守りますと言っているので、あとは、各利用者がリスクに気を付けながら自己責任で活動してもらうしかないかと。
- ウィキペディア日本語版の方針は、最大公約数である日本および財団所在地である米国の法律についてはケース毎によらない統一順守を定めているだけで、ケースバイケースで他国の法律での違法可能性がありうることについては何も否定していません。今までも、そしてこれからも、ウィキペディア日本語版での利用者の活動が日本および米国以外の法律で違法になる可能性は常に存在し続けるわけで、いまさら全体の方針に手を加える必要性を感じません。ルールの制定というより、「ウィキペディア日本語版での活動が別に日本および米国以外の法律から免れているわけではなく、とくに利用者の所在地によっては他国の法的リスクはありますよ」みたいな事実の周知みたいなものはあってもいいと思いますけどね。--Yapparina(会話) 2020年7月18日 (土) 13:14 (UTC)
香港政府から非公開ユーザー情報の要求を受信した場合、この新しい法律を徹底的に分析し、適用される法律を完全に評価した後、要求の法的有効性が確認されない限り、データを提供しません。 、人権基準、およびコミュニティメンバーの権利。ですか。--2001:268:C05F:7A24:BDA2:6CC3:7413:899F 2020年7月30日 (木) 00:42 (UTC)
Wikipediaのサーバー所在地ってどこでしたっけ?
それによっては影響を受けると思うのですが。--2001:268:C05F:7A24:BDA2:6CC3:7413:899F 2020年7月30日 (木) 00:49 (UTC) 誤植の修正--2001:268:C05F:7A24:BDA2:6CC3:7413:899F 2020年7月30日 (木) 00:51 (UTC)
- ウィキメディアのサーバに記載の通り、大半がアメリカで、オランダおよび韓国に負荷分散用のキャッシュサーバーが配置されています。いずれも中国法から直接影響を受ける国ではなく、また、上記ウィキメディア財団による声明は、当然ながらサーバーの設置国を考慮した声明です。--devicehigh(会話) 2020年8月6日 (木) 04:31 (UTC)