コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

Wikipedia:井戸端/subj/学会発表は信頼できる情報源として使用可能か

学会発表は信頼できる情報源として使用可能か

[編集]

表題にもある通り学会発表が信頼できる情報源として扱えるかご意見を賜りたいと思います。
例えば、フェミニスト地理学においては学会発表要旨を出典として使っています。これまで、できるだけ雑誌投稿論文(無理であれば紀要論文)を出典として記事を執筆して参りましたが、私の主筆分野である地理学においては、『日本地理学会発表要旨集』[1]を出典とすれば痒いところに手が届き、記事の作成/加筆の幅が広がると感じております。
関連する議論としてWikipedia:井戸端/subj/卒業論文は信頼できる情報源として使用可能かがございます。この議論では査読の有無が論点として挙がっておりますが、学会発表は卒業論文と同様に査読があるわけではありません。なお、Wikipedia:信頼できる情報源には「学会で発表された資料も、科学誌で発表される価値がないものかもしれません」との記載があります。皆さんのご意見を忌憚なくお願い致します。--サノマール会話2023年4月30日 (日) 19:18 (UTC)[返信]

  • 反対 分野によってはあり、かも知れませんが、私の主筆分野の医学では絶対反対に一票を投じます。現状、設立母体が怪しげな国内外の学会が多くあり、発表するだけなら課金して学会に入って、演題を出せば、あっさり採択されてしまいます。現状、医学、健康に関しては宣伝目的の記事が乱立しておりますので、学会発表をも信頼できる情報源として認めてしまいますと、どうなるか、は火を見るより明らかです。最新の動向を反映できますので、確かに記事に広がりを持たせやすくなるのですが、査読無しの発表を信頼できる情報源とすることには弊害が勝ります。2023/05/01 15:58追記。医学に限らず、大半の科学系の分野においては、論文投稿時に学会発表を出典として用いることはできないか、非推奨です。他国語版のWikipeidaにおいても、学会発表を用いて良いとしている事例は多分無いのでは?Wikipediaが多言語連携となっている現状を考慮すると、日本語版から他言語版への翻訳もあり得るので、その際に国際的コンセンサスのとれていない出典ごと翻訳されると翻訳先記事に疑義が発生します。よって、「日本でしか存在しない分野」でしか査読を経ていない学会発表を用いることはできないのではないかな、と。 --Anesth Earth会話2023年5月1日 (月) 02:38 (UTC)[返信]
  • コメント 少なくとも、日本地理学会発表要旨集に関しては出典としては使用不可だと思います。日本地理学会の場合、会費さえ払えば誰でも入会でき、会員であれば誰でも学会発表に申し込め、基本的に発表内容の事前審査もなく、学会要旨も発表者が出したものがそのまま掲載されると思います。無査読という点もありますし、極端な話、トンデモ主張をウィキペディアに掲載する温床になりかねないように思います。また、実際の発表時に、要旨集原稿提出後のミスの修正を行う場面もあると思います。既存の記事で日本地理学会発表要旨集を典拠とした記述が幾つかあるように思いますが、{{信頼性要検証}}を貼るべきではないかと考えたこともあるくらいです。入会資格や発表資格に厳しい制限があったり、学会発表でも事前審査が確立されているような学会であれば別かもしれませんが、少なくとも日本地理学会の学会発表はそれには該当しないと思います。--郊外生活会話2023年5月2日 (火) 15:37 (UTC)[返信]
  • 返信 @Anesth Earthさん@郊外生活さん貴重なご意見ありがとうございます。
私自身学会発表を出典として扱うことにかなりの抵抗があり、前述の記事を除いては出典として使ってきませんでした。学会発表のうち「正しい」と考えられるものを取捨選択して記事に取り入れることは問題ないと考えておりましたが、郊外生活さんの「トンデモ主張をウィキペディアに掲載する温床になりかねない」というご懸念によって、記事執筆者による価値判断は誤る可能性がありますし、分野に精通していない可能性もあるので執筆者のリテラシーに期待する性善説は通用しないということを実感しました。
やや横道に逸れますが、紀要論文はどうでしょうか。特に歴史学の論文を読んでいて感じるのですが、明らかな眉唾物や政治思想が色濃く反映された論文が散見されます。ただ、紀要論文より信頼性に疑問がある書籍などの刊行物が出典として認められている以上、紀要論文すら使えないとなるとかなり執筆に難儀するようになると考えております。ご意見伺えると幸いです。--サノマール会話2023年5月4日 (木) 07:28 (UTC)[返信]
  • コメント 紀要論文はものによると思います。書籍も含め、多くの場合、被引用状況や発行媒体などで判断することになるのかなと思います。例えば、紀要だろうと学界で評価されている論文であれば、その後に公表された文献でよく引用されたりするでしょうし、そこからウィキペディアの記事の情報源に値する情報源であるか否かを判断できるように思います。また、発行媒体(雑誌名や出版社)自体が学界で評価されていれば、それを考慮できるかもしれません。私自身は他利用者よりも紀要論文の使用に慎重な印象がありますが、人文地理学の場合であれば、例えば「空間・社会・地理思想」の論文を出典として今後記事の立項・加筆をする可能性自体はあると思います。--郊外生活会話2023年5月4日 (木) 08:15 (UTC)[返信]
  • 「学会発表は卒業論文と同様に査読があるわけではありません」という点については、分野や学会により異なるため、一概に「学会発表は全て無査読」とは言えません。[2] この論文によれば、「物理学,哲学,情報通信分野」の日本内外の学会の調査で8割以上が何らかの査読を行っていました。(ただしこの論文によると「どの程度の厳しさで内容まで含めて吟味しているのかは本調査での調査項目に含めていないため明らかではない」という点にも注意は必要ですが。)ウィキペディア内で分野ごとに合意を取ったり個別の学会を調査してまとめておくのがいいかと思います。 --49.239.67.235 2023年5月4日 (木) 07:33 (UTC)[返信]
返信 査読つき論文であってもいわゆるハゲタカジャーナルに掲載されたものなど、怪しいものがありますし、学会発表、紀要論文、書籍も、それぞれピンキリです。紀要に関しては、現実には、意図的か非意図的か分かりませんが、結構使われているのではないでしょうか。学会発表の査読に関しては利用者:49.239.67.235様がご呈示の[研究集会における学会発表の型式とアクセス]においては、どのような査読が行われているかに関してまでは調査が及んでいませんでした。この話題に御参加の方々には先刻御承知でしょうが、査読つき論文の査読は通称ピアレビュー、すなわち、投稿先編集部や学会とは別の第三者による査読を受けますが、学会発表の場合、このピアレビューを行っているかは学会により異なります。会員数の多い、怪しげでない学会であれば、ピアレビューを行っていますが、多くの学会は学会本部の関係者のみによる発表採否決定を「査読」と称しているのが現状かと思います。学会発表の査読の問題点は他にもあり、ピアレビュー型式であったとしても多くの場合、発表前の提出抄録のみを元にした判断です。そこで採択されれば、発表内容がボロボロであったとしても採択には変わりありません。このように、一般的に、論文の査読と学会発表の査読には大きな隔たりがある現状です。しかしながら、学会発表や紀要にも見るべきものがあるのは事実ですから、引用の際は、そこをハッキリ、紀要、学会発表と記載しておけば、記載者の誠実さが伝わる人には伝わるのではないでしょうか。現状、そこを誤魔化して引用している記載が結構あるので、そういうのよりはマシかなと。--Anesth Earth会話2023年5月4日 (木) 08:33 (UTC)[返信]
追記です。Wikipedia全体の信頼性の根幹に関わるハナシなので、紀要や学会発表を信頼できる情報源に格上げするのは、この井戸端でどれだけ賛同者が出ても、そこは厳しいかなと。ただ、現実、「信頼できない情報源を書くな、書けばすぐ削除」とまでは明記されてないですよね。現実に信頼できない情報源に基づいた記載やそもそも情報源のない記事はゴマンとありますし。速報性を重視した記事、情報源がどうしてもPoorになりがちですが、そういうのも許容されてますし…。結局、「信頼できる情報源ではないけれども、利用不可能でもない」ということになるような。--Anesth Earth会話2023年5月4日 (木) 10:33 (UTC)[返信]

みなさんコメントありがとうございます。ここまでの議論をまとめると、

  1. 学会発表は査読の有無にかかわらず内容面に関しては信頼性に疑問が残るため、出典として使用は避ける必要がある。なお、紀要論文や書籍に関しては玉石混交ではあるが、信頼に値すると考えられるものについては使用は差し支えない(『空間・社会・地理思想』など)。
  2. 信頼性向上のため、できるだけ学界のコンセンサスを得た学術雑誌に掲載された論文を出典とすべき。

といったところに帰着するということですね。--サノマール会話2023年5月7日 (日) 08:56 (UTC)[返信]

  • コメント Wikipedia:信頼できる情報源#arXivの予稿と会議の要旨には「arXiv(および類似のサイト)の予稿論文や学会発表要旨は「自己発表された情報源」であると言えます。なぜなら、それらの資料は独立した情報源によって発表されたものではなく、他の自己発表された情報源と同様に扱われるべきだからです」とあります。これは自然科学のプレプリントおよび学会発表を念頭に置いた文章ですが、人文社会科学においてもおおむねこの考えは適用できると存じます。Wikipedia:信頼できる情報源#自己公表された情報源には「自身の専門分野内について記述している著名な専門研究者や、自己公表物を制作している著名な職業ジャーナリストの場合は、この例外になるかもしれません(強調ママ)」とあり、今回の議論の起点となっている、フェミニスト地理学における影山穂波先生の発表の引用はこれに相当すると考えます(影山先生は日本におけるフェミニスト地理学の第一人者のひとりと存じています)。--Nux-vomica 1007会話) 2023年5月7日 (日) 11:46 (UTC) 脱字訂正 Nux-vomica 1007会話2023年5月7日 (日) 11:48 (UTC)[返信]
    御教示有り難うございます。「影山先生は日本におけるフェミニスト地理学の第一人者のひとり」。これを背景知識として持っているかどうかで、フェミニスト地理学は頭への入ってきかたがまるきり変わってくると思います。こういうのを注釈に書けばいいんでしょうね。ただ単に「第一人者」と書くだけだと大言壮語的になってしまうので、この方の業績を同一項でこれでもかと紹介するか、別項目立てて第一人者たることを示せば良い、と。--Anesth Earth会話2023年5月7日 (日) 13:22 (UTC)[返信]
    • 返信 @Nux-vomica 1007さんありがとうございます。研究者による学会発表の一方で、院生や非専門家による発表があるために信頼できる情報源として使用可能であるか疑問に思ってご意見を募ったんですが、「自身の専門分野内について記述している著名な専門研究者」ということで腑に落ちました。漠然とした疑問が晴れてかなりすっきりした気分です。杓子定規で「学会発表だからダメ」というより研究者の専門領域と合致していれば問題なく用いることができるなど、柔軟性を持った運用をするのが良いですね。また、Anesth Earthさんのおっしゃるように専門外の読者を想定して注釈で補記すると親切ですね(その際は、Resarch mapの専門領域を示すくらいで十分だと思います)。--サノマール会話2023年5月7日 (日) 14:08 (UTC)[返信]
      • コメント Nux-vomica 1007さんがおっしゃるように「自身の専門分野内について記述している著名な専門研究者」の観点も重要な指摘だとは思います。しかし、その一方、Wikipedia:検証可能性#自主公表された情報源の末尾の内容についてです。自己発表された情報源を本当に出典として利用するべきか?という観点です。地理学評論をはじめ査読誌の注や引用文献リストに学会発表(やその予稿集)はあまり掲載されていないと思います。学会発表自体が学界で広く注目されたとして、そのことに検証可能性を満たす可能性も限定的と思いますし、特に、出典として利用した学会発表自体が仮にその後論文として公表されなかった場合、将来的に、その学会発表を記事の情報源として使用したこと自体が適切でなかった(あるいは適切であることの根拠を示せない)と考えられる状況になってしまう可能性も有り得るかと思います。学会発表を記事の出典として用いる場合、その点も考慮が必要になってくるように思いました。--郊外生活会話2023年5月11日 (木) 14:51 (UTC)[返信]
        もちろん、「自身の専門分野内について記述している著名な専門研究者による自主公表された出版物」はWP:Vの(やや消極的な)例外規定ですので、資料ごとの重み付けは必要だと思います。出典の選択について、(査読論文や自己公表されていない学術出版物といった)明確に信頼できる情報源の利用を優先すべきなのは間違いないでしょう。
        一方で、学会発表もそれが専門研究者の著作である以上においては、「使用可能ではない」とまでは言い切れないと思います。学会発表における記述内容がその後の研究で否定されるなどして、「将来的に、その学会発表を記事の情報源として使用したこと自体が適切でなかった(あるいは適切であることの根拠を示せない)と考えられる状況」が起こりうる可能性がまったくないとは言い切れませんが、多くの場合は出典の追加と記述の更新により対応できる範囲なのではないかなと考えています。
        私は現在(地理学の隣接分野である)都市研究を専攻しているのですが、日本建築学会論文集においては、原稿に不備がない限り原則採択される学術講演会研究発表梗概もそこそこの頻度で引用されている印象があります。地理学においても学会発表こそあまり引用されませんが、(おそらく未査読と考えられる)紀要論文も相当な頻度で引用されているのではないでしょうか。--Nux-vomica 1007会話2023年5月12日 (金) 09:29 (UTC)[返信]
    • コメント 本題からは若干逸れますが、arXivの話が出ているので、arXivの予稿の事例を1つ書いておきます。つい先日HIP 99770 bという天体の記事が作成されたのですが、この天体の発見を報告する論文は、まずarXivに投稿された後『サイエンス』に正式に掲載された様で、当該記事に於いては冒頭の定義部にて、その事を明記しています。なので、論文や学会発表についての流れみたいな事を記事内で明記するのも1つの手ではないでしょうか。--180.146.87.128 2023年5月12日 (金) 19:23 (UTC)[返信]
  • ちなみに、コンピュータサイエンスの学会発表(英語)は採択率が10%ほどで、論文としてコンピュータサイエンスの雑誌投稿論文(英語)と見劣りしないばかりか、むしろ競争率が高いため雑誌投稿論文より高品質であると評価する専門家もいます[3]。 --133.159.150.254 2023年5月16日 (火) 01:31 (UTC)[返信]