Wikipedia‐ノート:削除依頼/731部隊210211
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削除依頼検討詳細
[編集]検討につき、量的に多くなってしまいましたので、「表」ではなく、こちら記します。--むらのくま(会話) 2021年12月31日 (金) 06:50 (UTC)
- コメント 「日本の著作権法上認められない分量の過剰な引用」と冒頭の依頼にありましたので、記事全体としての主従関係が逆転している(本記事プロパー側が従、引用文献側が主)かどうかの観点(引用要件4)、個々の引用箇所が引用の目的を達成させるうえで正当な範囲に収まっているかどうかの観点(引用要件3)を主に懸念されておられると推察致します。引用要件について、判例では、1980年3月28日最高裁判決(パロディ・モンタージュ写真事件)にて「引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ」「両著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると認められる」ものとされ(2要件説)、2010年10月13日知財高裁判決(美術品鑑定証書引用事件)では「他人の著作物を利用する側の利用の目的のほか、その方法や態様、利用される著作物の種類や性質、当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度などが総合考慮されなければならない」とされ(総合考慮説)、また2016年6月22日知財高裁判決では「その方法や態様が,報道,批評,研究等の引用目的との関係で、社会通念に照らして合理的な範囲内のものであり、かつ、引用して利用することが公正な慣行に合致することが必要である」と要件を特に示さず著作権法第32条第1項の文言に沿って判断した判例がある様です(北村行夫、幸丸真吾『Q&A 引用・転載の実務と著作権法』中央経済社、2016年10月1日、第4版、9-12頁、および各判決)。また「中山信弘『著作権法』有斐閣、2020年8月30日、第3版」によると、「公正な慣行に合致」「範囲については、単なる量的な問題ではなく、質的な考慮も必要」「『主従関係』は(中略)分量の比較だけで決定できるものではなく(中略)著作物の性質、引用の目的・態様等の様々な要素を考慮する必要がある」(同書399、401頁)とされています。
- 判例も学術書も「分量だけの問題ではなく総合的判断が必要」との意味合いと存じますが、とはいえまず記事全体の主従関係を量るに、全体と引用部分の分量を一つの目安としたいと存じます。一連の除去が始まる前の直近最大版「2020-11-22T13:26:47 UTC版 版番80557811」(92772バイト)でみると、全体約22000字(除く参考文献以降)、引用部分約9000字(「カギ括弧」部分で引用と思われるもの+quotation分)、引用部分比率約41%と、その率は相当に高いですが、引用部分が主とまでは言えない状況かと存じます。なお、記事全体を眺めるに、証言を過度に蒐集し「引用」処理、また本来であれば自分の言葉に置き換えて地文に組み込めそうな所まで「引用」で処理している印象を持ちました。以上、記事全体での主従関係の観点からは、「削除」が必要とまではいえず、「証言引用」の整理や、地文への組み込みなどの「編集」で対応可能とさせて頂きます。
- 次に直近最大版「2020-11-22T13:26:47 UTC版 版番80557811」のご指摘書籍5冊からの引用箇所について個別に検討します。
- 「生物兵器の開発と実戦的使用」節冒頭部4段落目の小島隆男証言部分。引用元「ゴールド2002、278頁」(1997年単行本版、228頁にて確認)。字数194字。単行本版224-229頁「皇軍大尉(小島隆男)」節より一部を引用。引用要件自体は充足している印象。但し、引用処理ではなく、自身が著作権を持つ文章に書き換えたうえで地文に織込むことは可能に感じます。
- 「生物兵器の開発と実戦的使用 # 被害者の証言」節の王栄良証言部分。引用元「ゴールド2002、272頁」(1997年単行本版、68頁にて確認)。字数367字。単行本版65-70頁「四つの実験分野 > ペスト」節より一部を引用。王栄良証言部分のほぼ全てを引用しており、引用要件3(正当範囲)、要件6(必然性)に抵触する印象を持ちました。記述は「2014-01-28T15:34:04 UTC版(差分)」が初出と思われます。
- 「生物兵器の開発と実戦的使用 # 被害者の証言」節の王達手記部分。引用元「ゴールド2002、272頁」(1997年単行本版、67頁にて確認)。字数119字。単行本版65-70頁「四つの実験分野 > ペスト」節より一部を引用。同書掲載の王達手記部分の全部を引用しており、引用要件3(正当範囲)、要件6(必然性)に抵触する印象を持ちました。記述は「2014-01-28T15:34:04 UTC版(差分)」が初出と思われます。
- 「日本人の「証言」とその真偽」節の「人体実験の被験者は~女性や子供が含まれていた」部分。引用元「郡司1983」。94字。ページ番号の記載なく、どの部分からの引用か確認できていないが、そもそも著作物性が無いものと思料。
- 「日本人の「証言」とその真偽」節の「これは、731部隊が性別~主に性病治療実験の材料になった」部分。引用元「ゴールド 2002 178頁」。65字。1997年単行本版ではどのページに該当するのか確認できていないが、そもそも著作物性が無いものと思料。
- 「日本人の「証言」とその真偽」節の「一度、縛られていたマルタおよそ40人が~轢いた時は衝撃を感じました」部分。引用元「ゴールド 2002 271頁」(1997年単行本版 221頁で確認)。字数128字。引用要件自体は充足している印象。但し、地文のみでも差し支えない印象。
- 「日本人の「証言」とその真偽」節の上田弥太郎の手記部分。引用元「ゴールド 2002 278頁」(1997年単行本版 33-34頁で確認)。208字。引用要件自体は充足している印象。但し、地文のみでも差し支えない印象。
- 「細菌学的実験」節の篠塚良雄告白「ワクチンなしでペスト菌を~内臓の全部を露出させました」部分。引用元「篠塚良雄・高柳美知子 2007年 80-84頁」。文字数647字。体験した生体解剖の様子の一部始終の(途中途中で中略とはしながらも)ほぼ全体を引用し、且つ本記事「細菌学的実験」節の説明を引用に過度に頼っており、また自身が著作権をもつ文章を書き起こすことも大部分で可能と考えますので、引用要件3(正当範囲)・要件6(必然性)未充足と感じます。記述は「2014-01-25T17:34:30 UTC版(差分)」が初出と思われます。
- 「細菌学的実験」節の篠塚良雄告白「平川三雄は~彼は絶命しました」部分。引用元「篠塚良雄・高柳美知子 2007年 90-95頁」。549字。上記と同様、引用要件3(正当範囲)・要件6(必然性)未充足と感じます。記述は「2014-01-25T17:34:30 UTC版(差分)」が初出と思われます。
- 「細菌学的実験」節の上田弥太郎手記「すでに紫藍色を呈して~何という暴虐!」部分。引用元「ゴールド 2002 278頁」(1997年単行本版 35頁で確認)。この部分は死亡間近の中国人「マルタ」から「試料」として採血する場面ですが、「人体実験を行った時の様子」を客観的に描写しようとしているというよりは、当時の非人間的・「暴虐」的だった自己の心情を中心に(強調し)描写している印象を持ちます。これを理由に、即座に、引用要件未充足とはしませんが、百科事典の客観的な記述に寄与するための引用との印象は持ちづらく、必然性の観点よりやや不適切の様に感じます。
- 「生理学的実験」節の越定男告白部「マルタと一緒に鳩~生かしておくことはない。」部分。引用元「越定男 1983年 83-86頁」。323字。引用要件自体は充足している印象。但し、地文のみでも差し支えない印象。
- 「細菌爆弾の効果測定」節の郡司陽子の弟証言「やがて特別出入口から~トラックに積みこまれた」部分。引用元「郡司陽子 1983 94-97頁」。851字。引用元の一節「安達での『丸太』を使った細菌実験---弟の証言8」の目算7-8割を引用し、必要最低限の引用とは言い難く、また「安達実験場での細菌爆弾の効果測定にマルタが使用されていたことを示す」目的からも過大な引用で、引用要件3(正当範囲)に抵触する様に感じます。また要件6(引用必然性)についても疑問を感じます。記述は「2013-11-16T04:40:23 UTC版(差分)」が初出と思われます。
- 「細菌爆弾の効果測定」節のハル・ゴールド主張「731部隊では~軍紀が乱れる大きな原因となった」部分。引用元「ゴールド 2002 182頁」(1997年単行本版148-149頁で確認)。153字。引用ではなく、自己の言葉に置き換えた著作権侵害に該当しない記述の様です。またそれに続く出典表記のない西野瑠美子の証言も此処を出典とする同様の記述の様です。
- 「細菌爆弾の効果測定」節のハル・ゴールド主張「マルタが性病に感染すると~どの段階に達しているかを検査した」部分。引用元「ゴールド 2002 182-183頁」(1997年単行本版149-150頁で確認)。119字。この部分はゴールドの主張ではなく、西野留美子の講演内容部分で、引用要件2(公正慣行合致)未充足の様に感じます。また引用部分に一部改変が見られ、引用要件8(改変禁止)も未充足と存じます。記述は「2014-01-29T16:22:59 UTC版(差分)」が初出と思われます。
- 「細菌爆弾の効果測定」節の西野主張「実験中のレイプにより~凍傷実験で消費されたもの」部分。引用元「ゴールド 2002 184頁」(1997年単行本版150頁で確認)。71字。引用ではなく、自己の言葉に置き換えた著作権侵害に該当しない記述の様です。
- 「細菌爆弾の効果測定」節の胡桃沢正邦インタビュー部分。引用元「ゴールド 2002 45-46頁」(1997年単行本版37頁で確認)。175字。引用部分に一部改変が見られ、引用要件8(改変禁止)未充足。内容的には「生体解剖時の麻酔から目覚めた女性マルタを見ていたとし、その様子」の説明を補助するものというよりは、胡桃沢正邦氏の懺悔?に力点が置かれた部分で、同目的の引用としてはやや不適当に感じます。記述は「2014-01-29T16:22:59 UTC版(差分)」が初出と思われます。
- 「証拠隠滅とマルタの処理」節の森村誠一による証言聞き取り「マルタの中の数人は~吐き気をこらえながら作業を続けた」部分。引用元「森村 1983 280-281頁」。429字。「丸太」→マルタ、鉤括弧を省略などの、誤字かもしれない細微な改変はありますが編集対応で可かもしれません。
- 「証拠隠滅とマルタの処理」節の篠原鶴男証言「明けて10日~薪と一緒に積み上げられてわかりませんでした」部分。引用元「ゴールド 2002 272頁」(1997年単行本版212-213頁で確認)。295字。引用要件自体は充足している印象。但し、地文のみでも差し支えない印象。
- 「証拠隠滅とマルタの処理」節の篠原鶴男証言「13日夜から14日明け方にかけて~出発しました」部分。引用元「ゴールド 2002 272頁」(1997年単行本版213頁で確認)。118字。軽微な誤字あるも、編集対応可の程度と思料。ほかは引用要件自体は充足している印象。但し、地文のみでも差し支えない印象。
- 「証拠隠滅とマルタの処理」節の赤間まさ子証言「戦争は負けた~草の根をわけても捜すぞ」部分。引用元「ゴールド 2002 278頁」(1997年単行本版181頁で確認)。78字。引用要件自体は充足している印象。
以上、上記2・3・8・9・12・14・16に関し、引用要件未充足と考えました。版指定削除の範囲は「2013-11-16T04:40:23 UTC版(差分)」から「2020-12-28T16:13:22 UTC版、「2021-03-02T11:10:31 UTC版(差分)」、「2021-03-02T14:03:50 UTC版(差分)」、「2021-03-02T14:48:50 UTC版(差分)」、「2021-03-02T15:09:51 UTC版」。--むらのくま(会話) 2021年12月31日 (金) 06:50 (UTC)