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Template‐ノート:太陽系の天体の分類

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太陽系の天体の定義

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「太陽系の天体の分類」表に公式の定義が正確に反映されていませんでしたので、修正しました。現時点での問題点は次のとおりです。

  • 「木星型惑星」と「天王星型惑星」への分類は未確定であり、「木星型惑星」として一括分類する例が多い。最新の図鑑等の一般書では両者を明示したり、「木星型惑星」の細分類(サブグループ)として示したりする例がしばしば見られる。日本学術会議では「木星型惑星」と一括分類している。学校教育を考えた場合、4つの惑星を「木星型惑星」で一括りにしておく方が良いかもしれない。なお、木星・土星を「巨大ガス惑星」、天王星・海王星を「巨大氷惑星」と呼ぶこともしばしばある。ここでの「氷」は文字通りの氷ではなく、水・二酸化炭素・アンモニア等の火星軌道以遠では固体になりやすい揮発性物質(太陽系の物質的研究では「氷成分」と称されることが多い)全般を指す。したがって、氷惑星という呼称は氷成分が多いということを意味しているに過ぎず、必ずしも文字通りに氷でできているというわけではない。
  • 「衛星」の定義はない。最も適用範囲が広い(その意味では曖昧さが最大の)太陽以外の太陽系の天体の周囲を回る天体として分類しておいた。なお、衛星は「太陽の周りを回る天体とともに太陽の周りを回っている」ので、「恒星(太陽)」と「太陽の周りを回る天体」と同列に扱うのではなく、「太陽の周りを回る天体」に含めるのが妥当だろう。

図書館等で容易にみることができる参考文献を挙げておきます。

  • 渡部潤一他編 「シリーズ現代の天文学9 太陽系と惑星」 日本評論社 2008年
  • 日本惑星科学会誌「遊星人」第17巻 第1号(特集「太陽系天体の種別とその概念整理」) 日本惑星科学会 2008年
    --Toshi-kun 2008年8月2日 (土) 16:11 (UTC)[返信]
「太陽系外縁天体」という分類は「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」のラインとは直接関係なく、「冥王星型天体」は準惑星である外縁天体なのではありませんか。また、現在のところ準惑星にも外縁天体にも小惑星と共通の番号がつけられている以上、それらを包含する分類はあった方がいいと思います。
なお、御紹介いただいた参考資料はどちらも地元の図書館には置いてないようです。West 2008年8月4日 (月) 13:39 (UTC)[返信]
「冥王星型天体」についてご指摘ありがとうございます。この後に述べることをきちんと反映させて、分類表をもう少し詳しいものにしてみます。
まず「太陽系小天体」の定義は、平たく言うと「惑星でも準惑星でもない天体」です。つまり、太陽系の天体の分類としては「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」が3大項目として挙げられます。これ以外の大項目はなく、実にすっきりした分類です。
「太陽系小天体」には惑星でも準惑星でもない天体すべてが含まれますから、小惑星、太陽系外縁天体、彗星、惑星間塵などはすべてこの大項目に含まれます。定義から言えば、「準惑星は太陽系小天体とは別物」ですから、「太陽系小天体」の細分類である「太陽系外縁天体」に含めることはできません。ところが、ややこしいことに「冥王星型天体」の定義が「太陽系外縁天体でありかつ準惑星でもある天体」となっているのです。これを分類表に正しく反映させようとすると、少々うるさい表記になってしまいます。しかし、煩雑になろうともきちんと表記する方が良いと思いますので、そのようにします。
ところで、ある天体を準惑星として分類するには、慎重に観測データを積み重ねて検討する必要があるため、確定するまで時間がかかります。その間、名無しにしておくこともできませんし、軌道要素の確定がまず何よりで天体の大きさは軌道要素と同時には確定しない場合が多いため、発見された太陽系外縁天体には小惑星番号を振るようになっています。(エリスが良い例ですが、この天体の場合は準惑星という分類ができる前に小惑星番号が振られています。)
私が手をつける前の分類表では、このことが混乱の元になり、惑星や準惑星、太陽系小天体と同じ背景でという意味での「正規の定義」のない「小惑星」が準惑星と太陽系小天体の下にまたがる形で(惑星の細分類などより上の分類の形で)含まれていたのかなと推測します。
それから、「流星物質」ははずした方が良いと思います。流星あるいは流星塵は地球大気に入ってきた惑星間塵であり、いわば、小惑星に対する隕石のような位置づけにあるからです。「隕石・小惑星」と記載すると違和感があるのと同様に、「流星物質・惑星間塵」と記載されているのも相当な違和感があります。
蛇足ですが、このような「現象によって分類している」という点で似ているものとしては、「小惑星」と「彗星」の分類があります。小惑星番号と彗星符号をもつ天体があるように、両者の区別は実は曖昧です。
「衛星」もよくよく考えてみると「太陽系小天体」に含まれそうに思われますが、この点については定義ができていませんので、先日述べたように、最大の曖昧さを残して分類表に入れておきました。--Toshi-kun 2008年8月4日 (月) 16:56 (UTC)[返信]
ですから、「太陽系外縁天体」は「太陽系小天体」の細分類ではないのではないかと言っているのです。
冥王星とエリスに小惑星番号が付いたのは2006年9月で、準惑星に分類された後です。軌道が確定し、番号を付けられてから準惑星になったのはケレスとマケマケです。
流星物質」はまだ地球大気に入ってきていない、かつ母天体の軌道に沿って公転している塵というように書かれており、黄道面に拡散しつつ光圧の影響も受けて非ケプラー運動をしている惑星間塵とは別の現象だとすれば、併記することに違和感は(僕は)ありません。West 2008年8月7日 (木) 14:06 (UTC)[返信]
エリスの小惑星番号については事実誤認があり失礼いたしました。
で、IAU決議5Aにも明記されているように、間違いなく「太陽系外縁天体」は「太陽系小天体」の細分類です。先日紹介した文献の他、手に入れやすい資料として『理科年表平成20年版』があります。--Toshi-kun 2008年8月7日 (木) 15:43 (UTC)[返信]
決議5Aにおいて「太陽系小天体」に含まれるとされているのはほとんどの (most) 太陽系外縁天体であって、すべての (all)ではありません。また、同時に決議6Aにおいて「準惑星」に含まれる外縁天体(冥王星型天体)を定義していることと矛盾します。外縁天体とは単に海王星より外側で太陽を回っているすべての天体のことであって、それが重力平衡に達していれば準惑星、そうでなければ太陽系小天体と考えるべきでしょう。惑星Xはとりあえず無視。West 2008年8月7日 (木) 16:53 (UTC)[返信]
おっしゃる通り、allではなくmostです。その含意は、「冥王星型天体を除く」です。この点は小惑星についての事情も同じで、小惑星の場合は「ケレスを除く」です。しかし、語そのものが示すとおり、これらは例外規定です。
順を追って述べると、決議5Aでは(1)惑星、(2)準惑星、(3)太陽系小天体(惑星でも準惑星でもない天体)を順に定義し、太陽系の天体の分類の大枠を決定しています。これは現時点では動かし難い枠組みです。どうあってもこの3分類は並列です。
そして、脚注において、「太陽系小天体に含まれる天体」を示し、「ほとんどの太陽系外縁天体」が含まれるとしています。その上で決議6において「冥王星は準惑星であり太陽系外縁天体の1つのカテゴリーを代表するものとする」として、準惑星であり太陽系外縁天体でもあると定義された一群の天体群が登場します。準惑星である以上(大項目としての準惑星が最優先)、この天体群は「太陽系小天体」には含まれません。太陽系外縁天体であるにもかかわらず準惑星としての定義が優先されて太陽系小天体に含まれないわけで、「ややこしい」と申し上げたのはこの点です。
さて、分類の大枠は崩せません。太陽系外縁天体だけを取り上げるならば、それを「準惑星」と「太陽系小天体」とに分けることも可能でしょう。しかし、太陽系の天体すべてを取り上げて分類を示す場合には、大枠が最優先であり、例外規定を強調して「太陽系小天体」や「準惑星」をばらして複数箇所に記載することは混乱を招くだけでしょう。
冥王星型天体はまず大枠の「準惑星」に含め、その枠の中で「太陽系外縁天体」でもあることを示すのが分類の優先順位に則った記述法ではないでしょうか。同様に太陽系外縁天体はまず大枠の「太陽系小天体」に含め、その枠の中で「冥王星型天体を除く」ことを示すのがよろしいのではないでしょうか。両者を合わせれば、太陽系外縁天体が基本3分類のうちの2つ(準惑星と太陽系小天体)にまたがることは自明です。このように例外は例外として扱うのが本筋で、細分類の中に大枠を入れるのは分類の記述としてよろしくないと思います。
Westさんが問題視しておられる点は理解しているつもりです。太陽系外縁天体についてのみ考えるのであれば、おっしゃる通りだと思います。私は太陽系の天体すべてを見て述べています。話がかみ合わないように見えるのはこの視点の違いがあるためかと思うのですが・・・。--Toshi-kun 2008年8月7日 (木) 18:00 (UTC)[返信]
冥王星型天体のノートにベン図を用いた(といっても図を貼ったわけではありませんが)解説を記しておきました。
学術会議には関係学術団体から委員が招かれて名称問題を検討したわけですが、それぞれの委員は各所属学術団体での議論・検討を経た結果を持ち寄って最終的な検討を行っています。私自身は、各学術団体での検討段階にあたるところで、とある団体の検討委員を務めていました。
だからと言っていささかの権威も生じるわけではありませんし、「正しさ」を保証することにもなりませんが、少なくとも、これまで述べてきたことはある学術団体での議論・検討の結果であり、私見を含まないものです。そして、最終的に学術会議から示された見解と大きく違うものではないはずです。このことを踏まえてご覧いただければと思います。
今は子どもたちの夏休みであり、調べ物をするのにWikipediaを見る子もいることでしょう。その子どもたちを(今とは限らず)混乱させるような表記が百科事典からできるだけ少なくなるようにと思い、ときおり手を出して内容を修正しています。--Toshi-kun 2008年8月8日 (金) 06:20 (UTC)[返信]

(←インデント戻し)こんにちは。横から失礼いたします。太陽系の天体を「恒星・惑星・準惑星・太陽系小天体」の4分類とすることには反対いたしません。ただし「太陽系外縁天体」については、その第一の定義は「海王星以遠にあるすべての天体」であり、「準惑星」と「太陽系小天体」にまたがっているのはもちろんのこと、太陽系小天体のなかでも彗星、小惑星、惑星間塵の間にまたがって横断的に定義されています。これらを厳密に反映すると、このテンプレートに「太陽系外縁天体」を組み込むことは難しくなるのではないでしょうか。利用者:Peccafly/作業スペースにて代案の試作をしておりますが、どうにもうまく行きません。--Peccafly 2008年8月8日 (金) 08:01 (UTC)[返信]

ノート:冥王星型天体での Toshi-kun さんの説明は、結局のところこのテンプレートの過去版と同じ事を言っているように思います。冥王星型天体以外の太陽系外縁天体はまず大枠の「太陽系小天体」に含めることには同意しますが、「太陽系外縁天体」そのものは「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」という分類からは独立した分類と考えるべきではありませんか。
傍からどう見えるかはともかく、僕も太陽系の天体すべてを見て述べているつもりです。視点の違いがあるとすれば、冥王星型天体を例外とみなすか、外縁天体自体を例外とみなすかでしょう。
Peccafly さんも御苦労様です。外縁天体の定義を厳密に反映しようとすると、テンプレートを3次元的に表示するしかないような気がします。West 2008年8月8日 (金) 12:14 (UTC)[返信]
これはなかなか手強いですね。「独立した分類と考えるべきかどうか」という話になると、いくら議論してももはや話は収束しないでしょう。ここでは、「太陽系外縁天体」そのものが「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」という分類から独立したものであるという見方は(「小惑星」や「彗星」が独立したものだとは言えないのと同様に)成り立たないというのが公式見解の含意ですので、プロセスにかかわった者として私はそれに従います、ということだけ主張しておきます。
せっかくですから、ここで問題の本質を探ってみましょう。
「準惑星」という分類項目の導入に懐疑的な専門家は少なくありません。この分類の導入によって引き起こされる問題を見るために、仮に、太陽系の天体を「惑星」と「太陽系小天体」に分けるだけにするとしてみましょう(そうした方がすっきりするという見解もあります)。こうすると「太陽系外縁天体」はあっさり「太陽系小天体」の一部になります。「小惑星」や「彗星」「惑星間塵」が「太陽系小天体」に含まれるのと同様です。
とは言っても「小惑星」などとは違って「太陽系外縁天体」は独立の分類であるという見方をしていると、これは何の論拠にもならないことでしょう。
ということで、類似例を考えてみます。「小惑星帯」は一群の小天体を指しますが、そこに属する複数の天体が準惑星と見なされたとしたら、どのような事態が生じるでしょうか? 「小惑星帯」という分類は伝統的なものであり「太陽系外縁天体」のように(社会的な影響も考えて、科学的なプロセスのみに依らずに)定義されたものではありませんし、小惑星のみを含むと考えているので「太陽系外縁天体」ほど多様な天体を含む複雑な分類ではありませんが、事情は「太陽系外縁天体」とまったく同じになります。改めて「小惑星帯」というものを定義し、「小惑星帯の中で特に大きなものを「ケレス型天体」と呼ぶ」という定義がされるかもしれません。このとき、「小惑星帯」を「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」とは独立の分類と見なすようになるのでしょうか?
Peccaflyさんのご指摘の通り、「太陽系外縁天体」には多様な天体が含まれます。「太陽系小天体」の細分類を表にしようとするとき、「厳密さ」というものをどう捉えるかが鍵になります。
前にも記しましたが、「小惑星」と「彗星」はあいまいさを含む分類ですから、「太陽系外縁天体」を持ち出すまでもなく、この2つを明示するだけで、厳密に言えば問題になります。「惑星間塵」と「流星物質」を分けて表記すればこれもまた厳密に言えば問題になります。なぜ「太陽系小天体」という分類項目まででとどめてあって、それ以上の分類をしなかった(定義しなかった)のか、ここから事情が伺えるでしょう。
「太陽系の天体の分類」は太陽系の科学の進展に伴って、従来考えられていた分類を「現時点では」という条件付で改訂したものです。当然のことながら、あいまいさを含みますし、それ故に、厳密さを求めれば、異様とも言えるほど複雑な表記をしなければならなくなります。しかも、そうしたところで、あいまいさを消し去ることは決してできませんそのような複雑な表記をすることに、百科事典としての意味があるでしょうか?というのが、ここでの議論で私が抱いた大きな疑問です。「太陽(あるいは地球)は球体である」と言ったとき、これではダメだと言うか、近似的にはこれでよいと言うか、と同質な面もあるのではなかろうかとも思います。
初めの頃に太陽系科学の専門家の見解をわかりやすく述べた書籍と、惑星科学の専門誌とを紹介しましたが、ぜひ目を通していただきたくお願いいたします。--Toshi-kun 2008年8月8日 (金) 18:33 (UTC)[返信]
「準惑星である太陽系外縁天体(冥王星型天体)」が存在する以上、「太陽系外縁天体は太陽系小天体の細分類である」という見方は成り立たないと思います。公式見解とは日本学術会議の公式見解でしょうか?2007年4月の対外報告には、そういった含意を伺わせる記述はありませんでした。
「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」は「軌道を占有しているか否か」と「重力平衡に達しているか否か」によって分類されます。一方「太陽系外縁天体」の定義は(僕が知る限り)「海王星より外側を回っている天体」のみであって、そこに三大分類と関連する要素は見当たりません。「火星より内側を回っている天体」に3個の惑星と多数の小天体(NEO)が含まれるように、外縁天体には数個の準惑星と多数の小天体が含まれるし、理屈から言えば惑星の条件を満たす外縁天体が存在しないとも限りません。
「小惑星帯」は天体の分類ではなく、「エッジワース・カイパーベルト」と同じように多数の天体が密集している領域自体のことでしょう。そして「小惑星帯の天体」には1個ないし数個の「ケレス型天体」と、多数の「小惑星帯の小天体」が含まれます。
初めの頃に御紹介くださった参考書籍が地元の図書館にないことは既に申し上げました。West 2008年8月9日 (土) 15:27 (UTC)[返信]
私がこの議論に興味を持ったのは、Westさんがおそらく感じておられる違和感と同様のものを感じたためです。つまり、「太陽系外縁天体とは本質的には太陽系小天体に包含される」という考え方には賛同できない、ということです。TNOの大部分は太陽系小天体に包含されるのは確かだと思いますが、それではTNOの衛星についてはいかがでしょうか。TNOの衛星もまたTNOであるはずですが、衛星というものは大枠3分類の枠外に置かれているのではないでしょうか。また、冥王星は惑星であった時代よりTNOの扱いです。太陽系外縁天体とは、TNO、海王星以遠天体の日本語訳として導入されています。英語版のTNOの記事では「TNOは海王星以遠のいかなる(any)天体をも表す」ことになっています。現状、TNOの大多数が太陽系小天体に含まれるからといって、TNOが本質的に太陽系小天体の下位の区分であることにはならず、それは行き過ぎた拡大解釈であると感じます。日本国民は日本民族のみにあらず、ウィキペディア日本語版はウィキペディア日本版にあらず。事実上の多数派を、その言葉の定義と混同するべきではないと考えます。--Peccafly 2008年8月9日 (土) 15:37 (UTC)[返信]
お二人の感覚がよくわかりました。その感覚は尊重しますが、科学(天文学)研究に携わる者の感覚とは違います。
「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」はいずれも太陽の周りを回る天体です。ただし、「太陽系小天体」に衛星は含みません。「太陽系外縁天体」は「海王星より外側を回っている天体」という表現が物語る通り、これもまた太陽の周りを回る天体であり、明らかに、軌道による分類です。そして、現時点で、準惑星とされた天体を除くTNOsは「軌道を占有していない」し「重力平衡にも達していない」天体です。
「惑星」「準惑星」の定義はもういいでしょう。太陽系外縁天体を含めるにせよ含めないにせよ、この2種を除く天体、すなわち「太陽系小天体」の細分類を決めているのは、基本的に「軌道」です。活動状態での分類(彗星)や、輻射圧が効くか効かないかによる分類(惑星間塵)もありますが、基本的には軌道での分類になります。どこかでの決議で決められたという類の分類法ではありませんが、これまでの研究の流れから、このように言って差し支えありません。
さて、現状の分類は既発見のもの、言い方を変えれば「検証可能な事実」と、含みとして科学的な推論により近い将来検出されるかもしれないと予測(予想ではありません)される事柄に基づいています。今問題にしているTNOsとは既発見の天体群です。これを決して忘れてはいけません。そして、準惑星とされた天体以外は、すべて「軌道を占有していない」し「重力平衡にも達していない」天体です。
ここでもう一つ忘れてはならないのは、準惑星が定義される以前には、冥王星は惑星ではなく、TNOsのどれひとつとして惑星ではなく、すべて小天体であると大方の研究者に見なされていた状況にあったということです。現在の分類以前のTNOsは、ほとんど名義上の惑星であると見なされていた冥王星を除けば、すべて小天体という認識でした(大方の研究者の間では)。大きなものがあっても、それは「小天体の中でも大きなもの」であって、あくまでも小天体です。
そしてもう一つ。既発見のTNOsの軌道要素の分布には小惑星と同様に共鳴構造が見つかっており、これもまた既知のTNOsは基本的に小天体であることを物語っています。
以上のように、これまでの研究の流れを踏まえて(含意として)、本質的には「太陽系外縁天体」は小天体であり、その中で大きいと見なされたものが「準惑星」とされているのが現在の研究現場の状況です。
実証的であることが科学の生命線であり、それは現象を現象をもって証明するという態度であり、観測も実験も理論もそれらの作業の結果のひとつである分類も、あるかもしれない現象(ここでは天体)によって左右されてはなりません。検証可能性を考慮しつつ、現在(観測)事実として分かっていることを最も良く記述する分類をするのが科学的態度であり、科学の手続きを心得た良心的な科学者の多くが認める分類が社会的にも採用される(科学的な多数決で決まる)のが望ましい方向です。多数決の論理は、科学的と呼ばれる検討をしていないのならば科学の世界では通用しません。それでも「太陽系外縁天体」は3大分類とは独立であるという分類を、社会的な多数決の論理をもって行うのであれば、それはそれで致し方ないとは思いますが、科学的事項であればそれを客観的に(その分野に携わる大多数の人びとの合意を得ているものとして)掲載するという百科事典の方向性には反することになると思います。
ところで、TNOsの衛星は、衛星そのものが未定義であっても衛星として認識されている以上、TNOsの衛星であってTNOそのものではありません。
それから、紹介した参考文献のうち、「太陽系と惑星」は大型書店にて販売中ですし、ネット注文も可能です。しばらく待てば、図書館にも入るでしょう。--Toshi-kun 2008年8月9日 (土) 18:18 (UTC)[返信]
「太陽系外縁天体」が「準惑星が定義される以前の小天体」(SBs) の細分類であることには一応納得できます。しかし SBs には2006年のIAU総会で定義された「準惑星」と「太陽系小天体」(SBs') が含まれます。ここで Toshi-kun さんの説明によれば本質的には SBs=SBs' であるということなのでしょうが、僕としては論理的には SBs≒SBs' であっても=ではないのを無視することはできません。それは準惑星は本質的には太陽系小天体であるという三大分類を引っ繰り返すような言明につながります。
準惑星も軌道によって細分類することができます。そして準惑星の細分類である「冥王星型天体」と、太陽系小天体の細分類である「冥王星型天体以外の太陽系外縁天体」が同じ場所にあると考えればすっきりすると思います。
1冊2千円以上もするような本をこの議論のためだけに買うのはさすがに躊躇します。West 2008年8月10日 (日) 11:08 (UTC)[返信]
遅くなってすみません。
どのような考え方でも、筋が通っていれば、個人の中ではそれで良いと思います。なぜなら、準惑星という分類は学界でも議論の俎上に載っているものであり、変更されたり、無くなったりする可能性が大きいからです。それだけ、曖昧さと疑念があり、解釈の余地があり、論理的な整合性が必ずしも取れない分類であるということです。私見ですが、準惑星という存在を人為的に作ったことにより、ここでの議論にもみられるような混乱を招くことになっていると言ってもよいと思います。
(冥王星を除く2006年までの)「惑星」と(2006年までの)「小天体」の分類は、定義こそされていなかったものの人為的な分類ではなく、ある質量分布則、あるサイズ分布則に乗るか乗らないかによる明瞭な分類になっていました。(歴史を見ると偶然の結果ではありますが)自然法則の帰結としての「惑星」と「小天体」との明瞭な区分をそのまま分類として採用していただけです。
「惑星」は「小天体」が従う分布則に乗らない天体です。冥王星を含む「準惑星」は「小天体」が従う分布則の端に乗ります。端に乗るということは、質量やサイズの上限はあるが下限はないということです。上限を遙かに超えたところ、明らかに分布則に乗らないところに一群の「惑星」があります。「準惑星」という分類は、下限を人為的に定めることに相当します。ある質量やサイズの分布則に従う多数の天体があって、そのどこかにここから先は「準惑星」とする人為的な線を引いたことになります。この天体のみ、自然法則の帰結としての(必然的な結果としての)分類を行わず人為的な分類を行っているわけです。だから、懐疑的な研究者が後を絶たないし、日本学術会議も「準惑星」という用語の使用に疑義を呈する形で概念そのものにも疑問符をつけているのです。もしかしたら、分布則の端に乗っていると思っていたら、そこだけやたら数が多くなって分布則からはずれるという事態になるかもしれませんが、今のところその兆候はありません。冥王星を「惑星ではない」と言うだけで良かったのに、とは私が勝手に思うところです。
「準惑星」という分類を考えるときには、その背後にどのような問題があるかをしっかりと把握しておく必要があります。他のどこかの項目のノートに「太陽系の天体の分類は、理解度を試されるものである」という意味のことを書きましたが、上記を承知の上で、準惑星を含めた「太陽系の天体の分類」を一般の人々にどのように提示するかを考えないと、誤った概念を広めることになってしまいます。
太陽系研究が進展しつつある今、人類が太陽系をどのような世界と見るか(太陽系の世界観)も移り変わっている最中なのだということを脇に置いて、分類が一人歩きすることを危惧しています。--Toshi-kun 2008年8月20日 (水) 18:07 (UTC)[返信]
御苦労様です。
人為的な分類であり、かつその基準に疑問が持たれているとしても、現時点において公式に採択された定義である以上、一応はそれに従っておくべきだと思います。将来分類基準が変更されたら、それに合わせて修正すれば済むことです。一方で太陽系外縁天体は「(冥王星を含む)2006年以前の小天体」の分類であり、それが「準惑星」と「太陽系小天体」に人為的に分割されたのですから、現時点では両者にまたがっていると考えるべきでしょう。これは個人の思い込みではなく、論理的帰結です。
書店にて『太陽系と惑星』を見つけたので関係ありそうな部分に目を通しましたが、上記の考え方に反することは書かれていないように受け取れました。
準惑星のサイズや質量の上限というのも、現在までの観測結果を元に人為的に求められた分布則によるものではありませんか。エリスのような黄道面から大きく外れた天体や、セドナのようなカイパーベルトより遠くの天体の捜索はまだろくに行われていませんし、水星や火星より大きな天体だってないとは言えないはずです。West 2008年8月21日 (木) 13:09 (UTC)[返信]
もうあまり言うことはないのですが…。
IAU 総会で議決した(いわゆる公式の)定義に従うつもりはないなどとはひと言も言っていませんので、その点は誤解無きようお願いします。肝心なのは、「太陽系外縁天体」をどのようなイメージで捉えようとも、それは「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」とは別個の独立した分類ではないということです。現時点で存在が確認され実証的議論に取り上げられる「太陽系外縁天体」とされる天体は「準惑星」と「太陽系小天体」のいずれかに属するという解釈を採用されるようになったようにお見受けしましたので、この点での齟齬はもはやないと思います。
もし「太陽系外縁天体」が3大分類とは独立であると思いたいというのであれば個人レベルではOKですが、それを独立分類項目として示したり、説明として公に提示するのであれば、それを裏づける査読論文等の信頼できる文献が必要です。私は、「太陽系外縁天体」を3大項目とは別個のものとみなす文献を見たことがありません。
それから、あるかもしれない天体の扱いについては実証的であることが科学の生命線であると述べたところで言及しているので繰り返しません。また、ここで言う分布則というのは観測事実から見出された経験則と呼ばれるもので、自然法則に従って生じた自然界の出来事の帰結として現れるものであり、人為的な操作で出てくるものではありません。たとえば、ある質量の天体がいくつ発見されているか、それを質量を横軸に、発見数を縦軸にプロットしてみるとある曲線に乗る。ベキ函数だったら具体的なベキ数が見出される。こういうのを経験則と言います。科学の方法と態度を理解していれば、「○○則」というものに対する認識のすれ違いはないはずです。--Toshi-kun 2008年8月21日 (木) 17:08 (UTC)[返信]

(インデント戻し)僕は最初から「太陽系外縁天体」とされる天体は「準惑星」と「太陽系小天体」のいずれかに属するという解釈をしています。「準惑星である太陽系外縁天体」と「太陽系小天体である太陽系外縁天体」が存在する以上、その両者を合わせた「太陽系外縁天体」という分類が3大分類から独立しているのは自明のことではないですか。僕は「太陽系外縁天体」は「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」とは別個の独立した分類ではないと記された文献を見たことがありません。West 2008年8月21日 (木) 17:45 (UTC)[返信]

敢えて言わないできたのですが、明言します。
分類法の常識として、「属する」以上は「属するとされる分類項目」に対する「下位分類」です。「太陽系外縁天体」が3大分類とは別個の独立分類であると解釈する余地はありません。3大分類のうち2つの分類項目に属するなら、それはそれだけのことです。「太陽系外縁天体」を独立分類とする根拠にはなりません。
これ以上論じても不毛ですので、私のレスはここまでにしておきます。
Wikipediaの宇宙関係項目の編集にその道の専門家が関わりたがらず、プロが(少なくとも)日本語版を当てにしない理由がわかったように思います(英語版は参考文献が役に立ちます)。「科学の世界で妥当であると認められている自然認識を過不足無く伝えることのできない百科事典」であるように思い始めましたので、私も例外的な存在でいることを辞めようかと思います。Wikipediaに誤記述があれば(じゃなくて、あるので)、人々と触れ合う現場にて、それを直に修正して、しっかりと科学の現状を伝えていこうと思います。理屈ではなく、実証性とそれを保証する論理展開を重んじよ、と。--Toshi-kun 2008年8月23日 (土) 06:43 (UTC)[返信]
もしかしたらもう御覧になっていないかも知れませんが、僕からも最後に書かせていただきます。
Toshi-kunさんは太陽系外縁天体は太陽系小天体の下位分類として扱っておられるように見えたので、じゃあ冥王星型天体はどうなんだ、と思ったのがここに書き込んだきっかけです。独立分類という言葉が悪かったのかもしれないけど、他にうまい表現が思い付きませんでした。ある下位分類が二つの上位分類の両方に属することが許容されるというのはまだ納得がいきませんが、それが常識だとまでおっしゃるのでしたら受け入れましょう(できればもっと早く「明言」していただきたかったです)。ただし、外縁天体に関して僕と同じように感じる人は少なくないんじゃないかと思います。
これまで僕に判る範囲で「科学の世界で妥当であると認められている自然認識」を記してきたつもりだったので、専門家の方に匙を投げさせてしまったのは残念でなりません。Toshi-kunさんの本来の居場所での御活躍をお祈りします。West 2008年8月23日 (土) 14:18 (UTC)[返信]