TMS9918
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TMS9918はテキサス・インスツルメンツ(TI)社製の画面表示プロセッサー(VDP)。
元々は1979年に発売された同社のTI-99/4に搭載する為に開発された表示プロセッサである。1981年にTI-99/4Aに搭載されたグラフィックモード2が追加されたTMS9918Aは、PALやRGB出力を持ったバリエーションの製品が作られ、表示用の汎用パーツとして後述するようなゲーム機や低価格帯のパーソナルコンピュータに使われた。 狭義の意味ではTMS9918は初代を指すが、実際に外販され普及した物はTMS9918Aであることから、Aの付いた2世代目もTMS9918と呼ばれることが多く見られる。
上位互換チップとして、MSXパソコンで採用されたV9938とV9958、セガ・マークIIIの画像チップ315-5124がある。
主な仕様
[編集]- 解像度: 256ドット×192ライン
- 画面モード
- 横6ドット×縦8ドット単色キャラクター40文字×24行
- 横8ドット×縦8ドット単色キャラクター32文字×24行
- 横8ドット×縦8ドットカラー32文字×24行
- キャラクターグラフィック(PCG): 横8ドット中に16色中2色
- キャラクターパターン: 画面の上段・中段・下段ごとに別々に設定可能
- 横4ドット×縦4ドット相当のブロックキャラクタモード64ピクセル×48ライン
- スプライト機能: 8×8ドットまたは16×16ドット、16色中単色、一画面中に32枚・横1ラインに4枚まで同時表示可能(表示は優先度順で4枚目までで、5枚目以降は表示されない)[1]。全スプライトパターンを縦横2倍に拡大表示するモードも選択可能。スプライト同士の衝突検出機能あり。スプライトの一つを画面外の特定ラインに配置することで一斉消去する機能あり。
- カラーパレット機能: なし
- ハードウェアスクロール機能: なし
- ビデオメモリ: 最大16KiB。CPUからはVDPを通じてVRAMにアクセス可能。DRAMリフレッシュ機能があり、DRAMを直接接続可能。
- 映像出力: NTSC(コンポジット映像信号)。RGBは無し。
- 40ピンDIPパッケージ[1]
製品バリエーション
[編集]上記製品のセカンドソースとして、Western Digital社製のWD9918,WD9928、WD9929がある。
TMS9918,TMS9928,TMS9929の互換品として、仕様は同じで、DRAM一つ当たりの容量を4倍にし、チップの点数を減らしたTMS9118(NTSC出力),TMS9128(RGB相当、R-Y,B-Y,Y出力),TMS9129(PAL出力)などがあり、後期のMSX1やアーケードゲーム基板などに搭載されている。
互換品
[編集]- T6950 東芝製。この設計品はT7937などの複合チップにハードマクロセル[2]としても使われた。
- F18A 原則としてコンポジット出力しかないTMS9918をFPGAで代替し、VGA端子でRGB出力させる同人製ハードウェア[3]。今後はDisplayPortに対応予定。
搭載された機種
[編集]- パーソナルコンピュータ
- ゲーム機
参考文献
[編集]- ビデオ ディスプレイ プロセッサ TMS9918A/9928A/9929A ユーザーズ マニュアル (SCJ 1063),日本テキサスインスツルメンツ
- TMS9918A/9928A/9929A ユーザーズ マニュアル 正誤表と追加データ,日本テキサスインスツルメンツ
- ビデオ ディスプレイ プロセッサ TMS9918A/9928A/9929A ユーザーズ マニュアル (SCJ 1063A),日本テキサスインスツルメンツ
- 「ASCII 1983年5月号」第7巻第5号、株式会社アスキー出版、1983年5月1日。
関連項目
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b ASCII 1983年5月号, p. 102.
- ^ 「スーパーインテグレーションの適用事例 東芝 半導体第二応用技術部 平井誠一」エレクトロニクス別冊 超LSI TECHNOLOGY&APPLICATION No.5
- ^ [ Code | Hack | Create ]