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TA30 (水雷艇)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

TA30」は第二次世界大戦時のドイツの水雷艇ジェノバで建造中であったイタリアのアリエテ級水雷艇「ドラゴーネ (Dragone)」をイタリアの降伏により1943年9月にドイツが捕獲したものである[1]

ジェノヴァアンサルド社で建造[1]。1942年7月15日起工[1]。1943年8月14日進水[1]。1944年5月15日[1]、または4月15日就役[2]。第10水雷群に編入された[1]

「TA30」は機雷敷設任務に7回、偵察任務に7回従事した[2]

5月[3]、第10水雷群(「TA24」、「TA29」、「TA30」)はリグリア海で4度の機雷敷設を行った[4]

1944年5月31日、「TA30」と「TA29」はアメリカ魚雷艇「PT304」、「PT306」、「PT307」と交戦[5]。6月9日、ポルト・フェライオでアメリカ軍の空襲により大損害を受けた(のち沈没)「TA27」の乗員を救助[6]。また、その際敵機1機を撃墜した[6]

6月15日、「A30」と「TA26」は機雷敷設を終え帰投途中にラ・スペツィア南方でアメリカ魚雷艇「PT552」、「PT558」、「PT559」の攻撃を受け、2隻とも被雷沈没した[7]。「TA30」には「PT552」から発射された魚雷1本が命中[6]。艦尾が切断されて約10分後に沈没し、140人中20人が死亡した[7]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 『第二次大戦駆逐艦総覧』79ページ
  2. ^ a b German TA Torpedo Boats at War, p. 146
  3. ^ 期間は5月11日からとなっており、5月15日就役とすると就役前に出撃していることとなる。
  4. ^ Chronology of the War at Sea 1939–1945, p. 324
  5. ^ German TA Torpedo Boats at War, pp. 135, 137
  6. ^ a b c German TA Torpedo Boats at War, p. 137
  7. ^ a b 『第二次大戦駆逐艦総覧』79ページ、German TA Torpedo Boats at War, p. 137

参考文献

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  • M.J.ホイットレー、岩重多四郎(訳)『第二次大戦駆逐艦総覧』大日本絵画、2000年、ISBN 4-499-22710-0
  • Pierre Hervieux, German TA Torpedo Boats at War, Warship 1997-1998, Conway Maritime Press, 1997, ISBN 0-85177-722-8
  • Jurgen Rohwer, Chronology of the War at Sea 1939-1945, Naval Institute press, 2005, ISBN 1-59114-119-2