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Synspective

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社Synspective
Synspective Inc.
種類 株式会社
市場情報
東証グロース 290A
2024年12月19日上場
(予定)[1]
本社所在地 日本の旗 日本
135-0022
東京都江東区三好三丁目10番3号
設立 2018年2月22日
業種 情報・通信業
法人番号 4010001189902
事業内容 小型SAR衛星の開発・運用からSARデータの販売とソリューションの提供[1]
代表者 代表取締役CEO 新井元行
資本金 29億5012万円
(2024年11月14日現在)[1]
発行済株式総数 86,944,950株[2]
売上高 連結:13億8628万3000円
(2023年12月期)[2]
営業利益 連結:△17億9592万7000円
(2023年12月期)[2]
経常利益 連結:△19億5123万2000円
(2023年12月期)[2]
純利益 連結:△15億2045万8000円
(2023年12月期)[2]
純資産 連結:78億7063万8000円
(2023年12月31日現在)[2]
総資産 連結:113億1494万3000円
(2023年12月31日現在)[2]
決算期 12月31日
会計監査人 あずさ監査法人
主要株主 新井元行 9.36%
スペース・エースタート1号投資事業有限責任組合 8.94%
ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合 7.62%
清水建設株式会社 7.21%
SPエースタート1号投資事業有限責任組合 6.72%
日本グロースキャピタル投資法人 5.25%
白坂成功 4.67%
森トラスト株式会社 2.49%
(2024年11月14日現在)[2]
外部リンク https://synspective.com/jp
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株式会社Synspective(シンスペクティブ)は小型SAR衛星を開発、運用し、衛星データを提供するとともに、衛星データを活用したソリューションサービスを提供する日本の企業。

内閣府「ImPACT」プログラムの成果を応用した独⾃の⼩型合成開口レーダー(SAR)衛星を開発し、観測したデータを販売している。また、衛星データとマシーンラーニングを活用した企業・政府向けのソリューションを提供している。

歴史

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2018年2月創業。企業名はミッションであるSynthetic Data for Perspectiveに基づく。2019年7月には宇宙スタートアップ企業として世界最速で累計資⾦109億円を調達した。2020年12月、初の実証衛星StriX-α(ストリクス・アルファ)を打上げ、2021年2月、日本の民間企業による小型SAR衛星(100kg級)として初めて画像の取得に成功した。2030年までに30機の衛星群(コンステレーション)を構築することを目指している。

2024年12月19日に東京証券取引所グロース市場に上場する予定[1][3]

Synspectiveの衛星の特徴

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Synspectiveの衛星は、政府が主導した革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」の「オンデマンド即時観測が可能な小型合成開口レーダ衛星システム」開発事業の成果を応用した独自の小型合成開口レーダー(SAR)衛星である。SAR衛星は雲を透過するマイクロ波を使って地形や構造物を観測するため、日中・夜間や天候によらず観測が可能で、雲の下にある地表も観測が可能。雲に覆われることが多いアジアなど、光学衛星では観測が困難な地域で特に活用が見込まれる。重量は100kg級で従来の大型SAR衛星の約1/10である。

コンステレーション構想

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Synspectiveは2020年代前半までに衛星6機、2020年代後半には30機のコンステレーション(衛星群)構築を目指している。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域で災害が発生しても、2時間以内に観測することが可能になるとする(6機では24時間以内)。

StriX(ストリクス)シリーズ

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2020年12月15日、初の実証機StriX-α(ストリクス・アルファ)をニュージーランドのマヒア半島にある発射場からロケット・ラボ社のエレクトロンロケットにより打ち上げた。2021年2月、日本の民間の小型SAR衛星(100kg級)として初めて画像取得に成功している。 同機は、世界初のスロットアレーアンテナ方式を採用しており、7枚の軽量・薄型アンテナパネルで構成されている。衛星打ち上げ時は折りたたまれて70センチ角の非常にコンパクトなサイズで、小型ロケットのフェアリングにも収まるサイズになる。衛星が周回軌道に載ったあと、自動的に約5メートルのアンテナとして展開する。地上分解能は1〜3mで観測幅は10〜30km、1回の撮影でおよそ2,000kmまで撮影可能で、単偏波(VV)データを取得する。

観測モード

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Strixシリーズでは、ストリップマップ(Stripmap)モードとスライディングスポットライト(Sliding Spotlight)モードの2種類の観測モードのデータを提供するとしている。

ストリップマップモード

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衛星搭載レーダーが送信した電磁パルスにより、楕円形の領域が照射される。ストリップマップモードでは、レーダーアンテナは横方向に向き、パルスの送信方向が衛星の軌道に直交する方向で一定に維持され、照射領域が衛星の飛行とともに地表を移動することで、衛星の軌道に対して平行に、多数の画像を連続して撮像することができる。

スライディングスポットライトモード

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スライディングスポットライトモードでは、パルスの送信方向を衛星の飛行方向と逆向きに振ることで、照射領域がストリップマップモードよりもゆっくりと地表を移動する。これにより、ストリップマップモードよりも高解像度の画像を得る。

ソリューションサービス

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衛星データの提供に加え、Synspectiveは顧客の課題にあわせ、衛星データを他のデータと組み合わせたLand Displacement MonitoringとFlood Damage Assessmentなどのソリューションの提供も行っている。

Land Displacement Monitoring

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Land Displacement Monitoringは衛星データを用いて広域の地盤変動を解析し、その結果を提供するソリューションサービス。地盤沈下や土砂災害のリスクを把握し、災害時に人が立ち入りにくい場所での現地調査や、土地のリスクマネージメントに関わる分野での活用が可能。

Flood Damage Assessment

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Flood Damage Assessmentは災害対応のための浸水被害(浸水域、浸水深、被害道路、被害建物)を評価するソリューションサービス。発災時に、広範な地域の被害状況が一次情報に基づいて把握を可能にし、迅速な対応に資することを目的としたもの。SAR衛星の天候に左右されない地上観測の特性を活かし、広範な地域の浸水被害の有無を迅速に把握することや、道路・建物などの施設への影響範囲を特定が可能。

関連項目

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脚注

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外部リンク

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