出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
n 次の特殊ユニタリ群(とくしゅユニタリぐん、英語: special unitary group)SU(n) とは、行列式が1の n 次ユニタリ行列の為す群の事である。群の演算は行列の積で与えられる。
特殊ユニタリ群 SU(n) はユニタリ群 U(n) の部分群であり、さらに一般線型群 GL(n, C)の部分群である。
特殊ユニタリ群は素粒子物理学において、電弱相互作用のワインバーグ=サラム理論や強い相互作用の量子色力学、あるいはそれらを統合した標準模型や大統一理論などに出てくる。
ここで U(n) はユニタリ群、 det は行列式である。
特殊ユニタリ群 SU(n) は、以下のような性質を満たす。
SU(n) の生成子 T は、トレースが 0 のエルミート行列で表現される。
基本表現、あるいは定義表現では、n 次正方行列で表現される。
ここで、 f は構造定数で、全ての添え字に関して反対称であり、d は全ての添え字に関して対称である。
従って、
規格化条件として
をとる。
随伴表現では、n2−1 次正方行列で表現され、その成分は、
で与えられる。
SU(2) の元の一般形は
となる。ここで、α, β ∈ C は |α|2 + |β|2 = 1 を満たす。
の生成子 T の基本表現は
ここで、 はゲルマン行列である。
交換関係は
となり、構造定数 f は
となる。d は
となる。
素粒子物理学では、対称性の破れに関連して部分群が重要になる。
O(n): 直交群、SO(n): 特殊直交群、USp(2n): シンプレクティック群、E6, E7, G2: 例外型リー群
また、スピン群と以下の同型がある