ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル
ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル 서울퀴어문화축제 Seoul Queer Culture Festival | |
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フェスティバルのロゴ | |
開催時期 | 毎年夏 |
初回開催 | 2000年 |
会場 | ソウル広場(2015年から) |
主催 | ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル組織委員会 |
公式サイト |
ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル | |
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各種表記 | |
ハングル: | 서울퀴어문화축제 |
漢字: | 서울퀴어文化祝祭 |
発音: | ソウルクィアムナチュッジェ |
英語: | Seoul Queer Culture Festival |
ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル(朝鮮語: 서울퀴어문화축제, 英: Seoul Queer Culture Festival; SQCF)は、毎年夏にソウルで開催されるLGBT(クィア)をテーマにしたイベント。韓国で最大のLGBTイベントであり、プライド・パレードや映画祭などが行われる。2000年に初めて開催され、2015年からはソウル広場がメイン会場として開催されている。
日本語ではソウル・クィア文化祭とも呼称される。また、2018年まではコリア・クィア・カルチャー・フェスティバル(朝鮮語: 한국퀴어문화축제)という名称だった。
歴史
[編集]ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバルはコリア・クィア・カルチャー・フェスティバルとして2000年に初めて開催された[1]。その年の参加者は50人程度だった[2]。
2015年からはソウル広場がメイン会場となった[3]。2015年にはフェスティバルに反対する保守系のキリスト教団体がパレードのルートに複数のデモを申告した[4]。警察は治安上の問題や交通の混乱を理由にパレードの開催を認めない決定を下したが、裁判の結果、警察の決定は無効とする判決が言い渡された[5]。パレードは開催され、主催者発表で3万人が参加した[6]。
2018年にはイベント名がコリア・クィア・カルチャー・フェスティバルから現在の名称であるソウル・クィア・カルチャー・フェスティバルに変更された[2]。2019年にはフェスティバルの20回を記念して、シンガポールで始まったLGBTイベントであるピンク・ドットがフェスティバルの前日にソウル広場で開催された[7]。2019年のフェスティバルには主催者発表で15万人が参加した[8]。新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で2020年と2021年はオンラインで開催された[1]。2022年には3年ぶりに現地で開催された[1]。
2023年は、同日にキリスト教系団体「CTS文化財団」が青少年コンサート開催をするために同時に申請を出したため、ソウル市は協議の結果、ソウル市の条例に基づき「CTS文化財団」側に許可を与えたため、ソウル広場での開催が不可能になった。2024年もやはり公立ソウル図書館主催のイベント開催により、2年連続でソウル広場での開催が不可能になった。
イベント
[編集]ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバルではメインのイベントとしてプライド・パレードであるソウル・クィア・パレードや、韓国クィア映画祭が開催されている[9]。
組織
[編集]ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバルは有志から成るソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル組織委員会によって主催されている[9]。組織委員会は2019年と2021年にソウル市にNPO法人としての申請を提出したが、社会的な対立を引き起こすとして却下された[10]。
支援
[編集]ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバルにはアメリカ合衆国など韓国に駐在する各国の大使館や革新系の政党、労働・市民社会団体などが参加している[1]。2010年のフェスティバルには野党である民主労働党や進歩新党が参加した[11]。2017年のフェスティバルには正義党の代表である李貞味が国政政党の代表として初めてフェスティバルに参加し、同性婚の法制化と軍人の同性間の性交を禁じる軍刑法92条6項の廃止を訴えた[12]。また、国家人権委員会が国家機関として初めてフェスティバルでブースを設けた[12]。
2015年からは日本の東京で毎年開催される東京レインボープライドと協力を開始し、互いにブースやパレードを出している[13]。
反対運動
[編集]ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバルに対しては、同性愛に反対する保守系のキリスト教団体によって「同性愛クィアフェスティバル反対国民大会準備委員会」が結成され、フェスティバルに合わせて「同性愛反対国民大会」が開催されている[12]。また、直接的な妨害も行われており、2014年には5時間近くパレードが行く手を阻まれた[4]。2022年のフェスティバルの際には15,000人ほどが集結した[14]。
出典
[編集]- ^ a b c d “ソウルで3年ぶりに性的少数者の「クィア文化祭」”. KBS World Japanese. 韓国放送公社 (2022年7月18日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ a b “世界のプライドパレード”. 東京レインボープライド. 2023年6月1日閲覧。
- ^ “ソウル市中心部での性的少数者のイベント 市が条件付き承認”. 聯合ニュース (2022年6月15日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ a b 「日韓のLGBT連帯 ソウルのパレード中止危機に支援」『朝日新聞』2015年6月12日、夕刊、社会面、8頁。via 朝日新聞クロスサーチ。
- ^ “警察のゲイパレード禁止に無効判決、韓国裁判所”. AFPBB (2015年6月17日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ 「反差別、ともに歩もう 国や立場超え、連帯広がる」『朝日新聞』2015年7月7日、夕刊、総合面、1頁。via 朝日新聞クロスサーチ。
- ^ “20回記念特別イベント『ソウルピンクドット』:2019年、ソウルでもピンクドットが開かれます。”. ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル組織委員会 (2019年3月11日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ Yim Hyun-su (2022年6月15日). “Seoul Queer Culture Festival to return on July 16 after weekslong protests”. The Korea Herald. 2023年6月1日閲覧。
- ^ a b “2022第23回ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル(SQCF)ご案内”. ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル組織委員会 (2022年7月4日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ “Seoul city rejects queer festival organizer's application to set up non-profit foundation”. 聯合ニュース (2021年8月26日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ “LGBTQ community celebrates 11th annual Korean Queer Culture Festival”. ハンギョレ (2010年6月16日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ a b c “「後はない、今、私たちが変える」第18回クィア文化フェスティバル”. ハンギョレ (2017年7月16日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ 安田聡子、佐藤雄 (2023年4月23日). “「ここでは、一人じゃないと感じられる」TRPはどんな場所?参加者に聞いてみました【東京レインボープライド2023】”. ハフポスト. 2023年6月1日閲覧。
- ^ Min Joo Kim (2023年5月4日). “No Pride for South Korea: Seoul denies parade permit, citing schedules”. ワシントン・ポスト. 2023年6月1日閲覧。