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SN-38

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SN-38
識別情報
CAS登録番号 86639-52-3 ×
PubChem 104842
ChemSpider 94634 チェック
UNII 0H43101T0J チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL837 チェック
6925
特性
化学式 C22H20N2O5
モル質量 392.404 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

SN-38抗腫瘍効果を有する化合物である。 これはイリノテカン活性代謝物カンプトテシン類縁物質 - トポイソメラーゼI阻害剤)であり、イリノテカン自体の1000倍の活性を持つ。In vitro 細胞毒性試験の結果を見ると、SN-38の効力はイリノテカンと比較して2倍から2000倍まで変動する[1]

SN-38は、カルボキシルエステラーゼによるイリノテカンの加水分解により形成され、UGT1A1によるグルクロン酸抱合により代謝される。

SN-38の代謝不良に繋がるUGT1A1の変異は白人の約10%に存在し、SN-38グルクロニドの形で体から排泄されにくいため、イリノテカンの毒性が上昇する[2]

SN-38とそのグルクロニドは、胆汁と腸に排泄される。イリノテカンを投与された患者の約25%が経験する下痢および骨髄抑制の症状を引き起こす。

更に、腸管内でSN-38が脱抱合されて再度吸収され腸肝循環するので、下痢が重篤化し易い[3]

関連項目

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参考文献

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  1. ^ http://labeling.pfizer.com/ShowLabeling.aspx?id=533
  2. ^ O'Dwyer PJ, Catalano RB (October 2006). “Uridine diphosphate glucuronosyltransferase (UGT) 1A1 and irinotecan: practical pharmacogenomics arrives in cancer therapy”. J. Clin. Oncol. 24 (28): 4534–8. doi:10.1200/JCO.2006.07.3031. PMID 17008691. http://www.jco.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=17008691. 
  3. ^ FOLFIRI療法 Q&A”. 東京都病院経営本部. 2021年4月22日閲覧。