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SISGrass

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SISGrassの地中イメージ

SISGrass(シスグラス)は、オランダに拠点を置く SIS Pitches(シスピッチ)社が販売・施工するスポーツ競技場向けの打ちこみ式ハイブリッド芝である。

概説

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FCバルセロナのトレーニングピッチ
セント・ジョージズ・パークでの検査
SISGrass採用、2018 ロシアW杯の開幕戦/決勝戦の会場

天然芝の補強材として人工繊維を打ち込み、そこに天然芝の根が成長して絡み合う仕組み。透水性が向上することで芝生の健康な育成にも寄与する。

SIS Pitches社は、SISGrassを施工したピッチは天然芝のみのものと比較すると、耐久性が増し芝の回復が早まると主張している[1]

SISGrassは、チェルシーFCFCバルセロナベシクタシュJKなどの有名クラブのスタジアム、練習場施工をはじめ、イングランド代表チームのキャンプ地 『セント・ジョージズ・パーク』 や、2018 FIFAワールドカップ開幕戦および決勝戦が行われたルジニキ・スタジアムにも導入されている[2]

2018 FIFAワールドカップの12会場のうち、2会場は天然芝、6会場にSISGrass、2会場にグラスマスター、2会場にその他ハイブリッド芝が採用されている。

日本での利用

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日本では、ヴィッセル神戸が2016年10月に神戸市西区にある練習場(いぶきの森練習場)で SISGrass の試験施工を行い[3]、Jリーグによる実証実験、第三者機関によるフィールドテストを経て、2017年7月の日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)理事会で2018シーズンよりヴィッセル神戸の本拠地である御崎公園球技場(ノエビアスタジアム神戸)のハイブリッド芝ピッチ内敷設を承認[4]。フィールドテストでは「当該ハイブリッド芝は、安全性および質の点において、天然芝と同等であることが確認された。なお、今回の実証実験の成功要因は、グローイングライトや地温コントロールシステム等、天然芝育成環境の確保によるところが大きいと推察される」との総評を与えている。

また、ラグビーワールドカップ2019の開催地にもなった東京スタジアム(味の素スタジアム)にも2019年に導入されている[5]。2019年9月20日から11月1日までの40日間で日本代表戦2試合を含む8試合を行ったがピッチ状況は非常によく、World Rugbyやプレイした選手から好評を得ていた。しかし2020年東京オリンピック馬術会場となっていた為、既にSISGrassは撤去され天然芝グラウンドに戻っている。

日本総代理店は神戸市須磨区に本社を置く 株式会社K2K

素材

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SISGrassと類似のハイブリッド芝商品に、デッソスポーツシステムズ社のグラスマスターがあるが、両者は人工繊維の素材が異なっている。デッソ・グラスマスターは、強度や耐久性に優れているという理由からポリプロピレンを、一方SISGrassは、柔軟性と耐久性、皮膚親和性に着目し、ポリエチレンを採用している。[6] またSISGrassのために、独自開発された人工繊維MN Ultraは、FIFA及びWorld Rugbyの認可を受けている。[7][8]

主な導入実績

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施工実績リスト(2018年2月現在)
国名 主な使用チーム 施工場所(スタジアム名・練習場) 備考
ロシアの旗 ロシア FCスパルタク・モスクワ
CSKAモスクワ
ルジニキ・スタジアム 2018年ロシア・ワールドカップ (開幕戦・決勝戦会場)
PFCクリリヤ・ソヴェトフ・サマーラ コスモス・アレーナ 2018年ロシア・ワールドカップ (準々決勝など)
FCモルドヴィア・サランスク モルドヴィア・アレーナ 2018年ロシア・ワールドカップ
FCスパルタク・モスクワ オトクリティエ・アレーナ
FCロストフ ロストフ・アリーナ
FCバルチカ・カリーニングラード カリーニングラード・スタジアム
日本の旗 日本 ヴィッセル神戸 御崎公園球技場
(ノエビアスタジアム神戸)
スタジアム内試験施工面の完了 2016年
いぶきの森練習場 試験施工面の完了 2016年
御崎公園球技場
(ノエビアスタジアム神戸)
Jリーグの認可を受け日本初導入 2018年完成
FC東京 東京スタジアム
(味の素スタジアム)
2019年
イングランドの旗 イングランド チェルシーFC 練習場 1 面 2015年、 4 面 2016年
イングランド代表チーム セント・ジョージズ・パーク 1 面 2015年、 1 面 2016年
英国スポーツターフ研究所(STRI) 研究施設グラウンド 試験施工面の完了 2015年
ダービー・カウンティFC iProスタジアム スタジアム 2016年 
ダービー・カウンティFC 練習場 5面 2016年
レディングFC 3面 2016年
ハル・シティAFC 2面 2015年
フラムFC 2面 2016年
AFCボーンマス バイタリティー・スタジアム スタジアム内試験施工面の完了 2016年
バーミンガム・シティFC セント・アンドルーズ・スタジアム 1面 2017年
ウェールズの旗 ウェールズ スウォンジー・シティAFC 練習場 1面 2016年
アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン アゼルバイジャン代表チーム バクー・オリンピックスタジアム 1面 2015年(UEFA欧州リーグ決勝戦2019年開催)
トルコの旗 トルコ ベシクタシュJK ボーダフォン・アリーナ 1面 2016年(UEFAスーパーカップ決勝2019年)
ベシクタシュJK 練習場 1面 2016年
チャイクル・リゼスポル リゼ・アタテュルク・スタジアム
トラブゾンスポル ヒュセイン・アヴニ・アケル・スタジアム
ガズィアンテプスポル ガズィアンテプ・カミル・オジャク・スタジアム スタジアム内試験施工面の完了 2016年
フェネルバフチェSK シュクリュ・サラジオウル・スタジアム
フェネルバフチェSK 練習場 試験施工面の完了 2016年
サムスンスポル 19 May Stadium 1面 2016年
ギリシャの旗 ギリシャ オリンピアコスFC カライスカキス・スタジアム
イタリアの旗 イタリア ACキエーヴォ・ヴェローナ
エラス・ヴェローナFC
スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディ 1 面 2017年
ドイツの旗 ドイツ 1860ミュンヘン 練習場 試験施工面の完了 2017年
ヴェルダー・ブレーメン ヴェーザーシュタディオン 1 面 2017年
スペインの旗 スペイン FCバルセロナ 練習場 試験施工面の完了 2016年
アスレティック・ビルバオ
マルタの旗 マルタ マルタ代表チーム タカリ・ナショナルスタジアム 1 面 2016年
イスラエルの旗 イスラエル マッカビ・テルアビブFC サミー・オフェル・スタジアム
 ノルウェー ローゼンボリBK レルケンダール・スタディオン
 スウェーデン スウェーデン代表チーム フレンズ・アリーナ

脚注

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外部リンク

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