SGA児
Small for gestational age | |
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Graph showing which babies fit the definition of small. (DiseaseDB #31952) | |
概要 | |
分類および外部参照情報 |
SGA児(エスジーエーじ、small for gestational age newborns、不当軽量児とも)は、在胎週数に基づく基準値よりもサイズが小さい新生児であり、「出生体重が在胎週数の10パーセンタイル値未満」として定義される[1]。
原因
[編集]次のように大別される[2]。
- 体質的に小さい、つまり児の遺伝的特徴である
- 子宮内における胎児発育遅延
診断
[編集]胎児期には、超音波検査で児体重を推定する。出生後に児体重を計測し、在胎週数に基づく基準値と比較して診断する。
なお、妊婦健診未受診などで在胎週数が不明の場合、New Ballard スコアなどで在胎週数を推定する。
管理
[編集]SGA児の90%は、2歳になるまでに成長に追いつく。ただし、成長障害や低血糖その他の状態に注意する必要がある。低血糖症は asymmetrical(非対称性、頭囲が比較的保たれている)のSGAの赤ちゃんによく見られる。低血糖症は、頻回授乳などで対応する。
2歳までに追いつかない残りの10%については、内分泌専門医に相談する必要がある。成長ホルモン療法の適応となる場合がある。 必要に応じて、次のような専門家が関与する。
- 消化器内科医 - 逆流や胃内容排出の遅延に対応するため。
- 栄養士 - 成長障害に対応するため。エピジェネティックな反応により、肥満や2型糖尿病などの代謝障害を起こしやすい可能性がある [3]。
- 作業療法士 - 摂食の問題のうち、感覚の問題が関連するものに対応するため。
- 行動主義者 - 摂食の問題に対し、(主に2歳以上の児に対して)行動的アプローチを使用するため。
- アレルギー専門医 - 食物アレルギーを診断または除外するため(アレルギーの頻度が高いわけではない)。
- 耳鼻咽喉科医 - 扁桃腫大を診断または除外するため(扁桃腫大の頻度が高いわけではない)。
胎児発育遅延が妊娠中に診断された場合、必要に応じて分娩誘発を行う場合もある。
用語
[編集]定義上、新生児の10%がSGA児である。SGAであるすべての新生児が病的なわけではなく、体質的に小さいだけの可能性もある。いずれにしても、低血糖症、低体温症、多血症の危険性を予測する上で重要である[4]。
胎児発育遅延(遺伝的に決定されたサイズを達成しない状態)に伴うSGA児であれば[5] 、「胎児発育遅延に関連するSGA」SGA associated with intrauterine growth restriction という用語が使用される。SGA児ではあるが病的とはいえない児を除外するものである[2]。 重度の低身長を伴う SGA(または重度のSGA)の児とは、出生時身長が-2.5SD未満の児と定義される[6]。
低出生体重児(low birth weight, LBW)は、出生時の体重が2500g未満の児として定義される[7]。 出生時の体重が1500g未満であれば極低出生体重児(very low birth weight infant, VLBW)、1000g未満であれば超低出生体重児(extremely low birth weight, ELBW)である[8]。
SGA児は、低出生体重児、超低出生体重児、または超低出生体重児とは異なる概念である。在胎35週、体重2250gで出生した児は、SGA児ではないが、低出生体重児である。
出生時 在胎週数 |
平均体重 (g) |
SD | 10%ile |
---|---|---|---|
22 | 467 | 92 | 354 |
23 | 553 | 109 | 416 |
24 | 626 | 129 | 473 |
25 | 714 | 156 | 529 |
26 | 819 | 186 | 597 |
27 | 935 | 215 | 677 |
28 | 1073 | 242 | 770 |
29 | 1211 | 269 | 882 |
30 | 1396 | 309 | 1018 |
31 | 1588 | 336 | 1166 |
32 | 1800 | 371 | 1335 |
33 | 2033 | 405 | 1538 |
34 | 2296 | 428 | 1772 |
35 | 2560 | 440 | 2021 |
36 | 2799 | 441 | 2261 |
37 | 3028 | 456 | 2477 |
38 | 3209 | 432 | 2665 |
39 | 3333 | 419 | 2810 |
40 | 3417 | 416 | 2904 |
41 | 3486 | 422 | 2958 |
42 | 3512 | 429 | 2985 |
43 | 3550 | 444 | 2981 |
44 | 3505 | 503 | 2952 |
日本における用語
[編集]産婦人科用語集・用語解説集(改訂第4版)における定義は以下の通り。
- light-for-dates [LFD]
- 在胎週数に比して出生体重が著しく軽い児をいう。すなわち、在胎週数別出生体重基準の10パーセンタイル未満の児のことをいう。
- small-for-dates [SFD]
- 身長・体重とも小さい児
脚注
[編集]- ^ Small for gestational age (SGA) at MedlinePlus. Update Date: 8/4/2009. Updated by: Linda J. Vorvick. Also reviewed by David Zieve.
- ^ a b Ross. “eMedicine - Fetal Growth Restriction”. 2010年2月25日閲覧。
- ^ Barker, D. J. P., ed (1992). Fetal and infant origins of adult disease. London: British Medical Journal. ISBN 0-7279-0743-3
- ^ Cunningham, F. Gary; Leveno, Kenneth J.; Bloom, Steven L.; Spong, Catherine Y.; Dashe, Jodi S.; Hoffman, Barbara L.; Casey, Brian M.; Sheffield, Jeanne S. (2013). Williams Obstetrics (24 ed.). New York, NY: McGraw-Hill Education
- ^ Dogra. “eMedicine - Intrauterine Growth Retardation”. 2007年11月28日閲覧。
- ^ Clayton, PE; Cianfarani, S; Czernichow, P; Johannsson, G; Rapaport, R; Rogol, A (March 2007). “Management of the child born small for gestational age through to adulthood: a consensus statement of the International Societies of Pediatric Endocrinology and the Growth Hormone Research Society.”. The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 92 (3): 804–10. doi:10.1210/jc.2006-2017. PMID 17200164.
- ^ Definitions Archived 2012-04-02 at the Wayback Machine. from Georgia Department of Public Health. Date: 12/04/2008. Original citation: "Birthweight: Infant's weight recorded at the time of birth"
- ^ Subramanian. “eMedicine - Extremely Low Birth Weight Infant”. 2007年11月28日閲覧。
- ^ Talge, Nicole M.; Mudd, Lanay M.; Sikorskii, Alla; Basso, Olga (2014-05-01). “United States Birth Weight Reference Corrected For Implausible Gestational Age Estimates” (英語). Pediatrics 133 (5): 844–853. doi:10.1542/peds.2013-3285. ISSN 0031-4005. PMID 24777216 .