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SGA児

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Small for gestational age
Graph showing which babies fit the definition of small. (DiseaseDB #31952)
概要
分類および外部参照情報

SGA児(エスジーエーじ、small for gestational age newborns、不当軽量児とも)は、在胎週数に基づく基準値よりもサイズが小さい新生児であり、「出生体重が在胎週数の10パーセンタイル値未満」として定義される[1]

原因

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次のように大別される[2]

  • 体質的に小さい、つまり児の遺伝的特徴である
  • 子宮内における胎児発育遅延

診断

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胎児期には、超音波検査で児体重を推定する。出生後に児体重を計測し、在胎週数に基づく基準値と比較して診断する。

なお、妊婦健診未受診などで在胎週数が不明の場合、New Ballard スコアなどで在胎週数を推定する。

管理

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SGA児の90%は、2歳になるまでに成長に追いつく。ただし、成長障害や低血糖その他の状態に注意する必要がある。低血糖症は asymmetrical(非対称性、頭囲が比較的保たれている)のSGAの赤ちゃんによく見られる。低血糖症は、頻回授乳などで対応する。

2歳までに追いつかない残りの10%については、内分泌専門医に相談する必要がある。成長ホルモン療法の適応となる場合がある。 必要に応じて、次のような専門家が関与する。

  • 消化器内科医 - 逆流や胃内容排出の遅延に対応するため。
  • 栄養士 - 成長障害に対応するため。エピジェネティックな反応により、肥満2型糖尿病などの代謝障害を起こしやすい可能性がある [3]
  • 作業療法士 - 摂食の問題のうち、感覚の問題が関連するものに対応するため。
  • 行動主義者 - 摂食の問題に対し、(主に2歳以上の児に対して)行動的アプローチを使用するため。
  • アレルギー専門医 - 食物アレルギーを診断または除外するため(アレルギーの頻度が高いわけではない)。
  • 耳鼻咽喉科医 - 扁桃腫大を診断または除外するため(扁桃腫大の頻度が高いわけではない)。

胎児発育遅延が妊娠中に診断された場合、必要に応じて分娩誘発を行う場合もある。

用語

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定義上、新生児の10%がSGA児である。SGAであるすべての新生児が病的なわけではなく、体質的に小さいだけの可能性もある。いずれにしても、低血糖症、低体温症、多血症の危険性を予測する上で重要である[4]

胎児発育遅延(遺伝的に決定されたサイズを達成しない状態)に伴うSGA児であれば[5] 、「胎児発育遅延に関連するSGA」SGA associated with intrauterine growth restriction という用語が使用される。SGA児ではあるが病的とはいえない児を除外するものである[2]。 重度の低身長を伴う SGA(または重度のSGA)の児とは、出生時身長が-2.5SD未満の児と定義される[6]

低出生体重児(low birth weight, LBW)は、出生時の体重が2500g未満の児として定義される[7]。 出生時の体重が1500g未満であれば極低出生体重児(very low birth weight infant, VLBW)、1000g未満であれば超低出生体重児(extremely low birth weight, ELBW)である[8]

SGA児は、低出生体重児、超低出生体重児、または超低出生体重児とは異なる概念である。在胎35週、体重2250gで出生した児は、SGA児ではないが、低出生体重児である。


アメリカ合衆国における在胎週数別の出生体重の10パーセンタイル値[9]
出生時
在胎週数
平均体重
(g)
SD 10%ile
22 467 92 354
23 553 109 416
24 626 129 473
25 714 156 529
26 819 186 597
27 935 215 677
28 1073 242 770
29 1211 269 882
30 1396 309 1018
31 1588 336 1166
32 1800 371 1335
33 2033 405 1538
34 2296 428 1772
35 2560 440 2021
36 2799 441 2261
37 3028 456 2477
38 3209 432 2665
39 3333 419 2810
40 3417 416 2904
41 3486 422 2958
42 3512 429 2985
43 3550 444 2981
44 3505 503 2952

日本における用語

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産婦人科用語集・用語解説集(改訂第4版)における定義は以下の通り。

light-for-dates [LFD]
  • 在胎週数に比して出生体重が著しく軽い児をいう。すなわち、在胎週数別出生体重基準の10パーセンタイル未満の児のことをいう。
small-for-dates [SFD]
  • 身長・体重とも小さい児

脚注

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  1. ^ Small for gestational age (SGA) at MedlinePlus. Update Date: 8/4/2009. Updated by: Linda J. Vorvick. Also reviewed by David Zieve.
  2. ^ a b Ross. “eMedicine - Fetal Growth Restriction”. 2010年2月25日閲覧。
  3. ^ Barker, D. J. P., ed (1992). Fetal and infant origins of adult disease. London: British Medical Journal. ISBN 0-7279-0743-3 
  4. ^ Cunningham, F. Gary; Leveno, Kenneth J.; Bloom, Steven L.; Spong, Catherine Y.; Dashe, Jodi S.; Hoffman, Barbara L.; Casey, Brian M.; Sheffield, Jeanne S. (2013). Williams Obstetrics (24 ed.). New York, NY: McGraw-Hill Education. http://accessmedicine.mhmedical.com/content.aspx?aid=1102104033 
  5. ^ Dogra. “eMedicine - Intrauterine Growth Retardation”. 2007年11月28日閲覧。
  6. ^ Clayton, PE; Cianfarani, S; Czernichow, P; Johannsson, G; Rapaport, R; Rogol, A (March 2007). “Management of the child born small for gestational age through to adulthood: a consensus statement of the International Societies of Pediatric Endocrinology and the Growth Hormone Research Society.”. The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 92 (3): 804–10. doi:10.1210/jc.2006-2017. PMID 17200164. 
  7. ^ Definitions Archived 2012-04-02 at the Wayback Machine. from Georgia Department of Public Health. Date: 12/04/2008. Original citation: "Birthweight: Infant's weight recorded at the time of birth"
  8. ^ Subramanian. “eMedicine - Extremely Low Birth Weight Infant”. 2007年11月28日閲覧。
  9. ^ Talge, Nicole M.; Mudd, Lanay M.; Sikorskii, Alla; Basso, Olga (2014-05-01). “United States Birth Weight Reference Corrected For Implausible Gestational Age Estimates” (英語). Pediatrics 133 (5): 844–853. doi:10.1542/peds.2013-3285. ISSN 0031-4005. PMID 24777216. http://pediatrics.aappublications.org/content/133/5/844. 

外部リンク

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