コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

Sライン (ユタ・トランジット・オーソリティー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Sライン
シンボルマーク
Sラインの車両・S70(2013年撮影)
Sラインの車両・S702013年撮影)
基本情報
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ユタ州の旗 ユタ州
所在地 ソルトレイクシティ
種類 ストリートカー(路面電車
路線網 1系統(2024年現在)[1]
停留所数 7箇所(2024年現在)[1]
開業 2013年[1][2][3][4]
運営者 ユタ・トランジット・オーソリティー[1]
使用車両 S70[5][4]
路線諸元
路線距離 2マイル (3.2 km)[1][2][5]
電化区間 全区間
最高速度 25マイル毎時 (40 km/h)[5]
テンプレートを表示

Sライン英語: S Line)は、アメリカ合衆国の都市・ソルトレイクシティ路面電車(ストリートカー)[注釈 1]ユタ州における初の近代的なストリートカーとして2013年に開通した路線で、ソルトレイクシティの他の公共交通機関と共にユタ・トランジット・オーソリティー(Utah Transit Authority、UTA)によって運営されている[1][5][2][7]

歴史

[編集]

Sラインが経由する区間は、元々デンバー・アンド・リオグランデ・ウェスタン鉄道(Denver and Rio Grande Western Railroad、D&RGW)が開通させた路線で、沿線の貨物輸送にも用いられていた。同社は様々な経緯を経てユニオン・パシフィック鉄道に吸収されたが、2002年にユタ・トランジット・オーソリティーは同区間を含めたソルトレイクシティ周辺のユニオン・パシフィック鉄道の路線を買収した。そして2006年、発展を続ける郊外地域のサウスソルトレイク英語版とソルトレイクシティのシュガーハウス地区英語版を結ぶ公共交通機関として、買収した鉄道路線を活用したストリートカーを建設する計画を始動させた[8][5][3]

計画に際しては運輸省からの助成金も受け、2012年から建設が実施された。そして2013年12月8日、全長2マイル (3.2 km)の路線の営業運転が開始された[注釈 2]。当初は全区間単線であったが、利用客の大幅な増加を踏まえた運行頻度の増加を目的に300イースト英語版(300 East staiton) - 500イースト英語版(500 East station)電停の間の複線化工事が2018年6月から行われ、翌2019年4月に完了式典が開催されている[8][5][3][7]

今後も延伸や複線区間の拡張が予定されており、2024年から2026年にかけて工事が実施される事になっている[9]

電停一覧

[編集]

2024年現在、Sラインは7箇所に電停を有する全長2マイル (3.2 km)の路線を有しており、「720号線」という系統番号で位置づけられている。セントラル・ポアント電停英語版(Central Pointe station)でユタ・トランジット・オーソリティーが運営するライトレールであるTRAXと接続している他、多くの電停は近くに乗り換え可能なバス停が存在する[1][10]

Sライン 電停一覧
写真 電停名 接続交通機関 備考・参考
Central Pointe英語版 TRAX
路線バス
パークアンドライド施設を整備
South Salt Lake City英語版
300 East英語版
500 East英語版
700 East英語版
Sugarmont英語版
Fairmont英語版

車両

[編集]
S702016年撮影)

Sラインで使用されているのは、シーメンスが展開する部分超低床式連節車S70である。TRAXでも同型車両が運行しているが、Sライン用の車両は銀色白色を主体とした塗装となっている他、連結運転を行わず単独で使用される。また、最高速度も 25マイル毎時 (40 km/h)に抑えられている[8][5][3][7]

関連項目

[編集]
  • ユタ・トランジット・オーソリティーが運営する軌道交通
    • TRAX - ソルトレイクシティと周辺都市を結ぶ路面電車(ライトレール)。1999年に営業運転を開始[2]
    • フロントランナー英語版 - ソルトレイクシティと郊外の都市を結ぶ通勤鉄道。2008年から営業運転を開始[2]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ アメリカ合衆国では、都市中心部(都心)と郊外地域を結ぶ路面電車路線を「ライトレール」(Light Rail)、都心を比較的低速で走行する路面電車路線を「ストリートカー」(Streetcar)と区別している[6]
  2. ^ 開通前日の12月7日には無料運転が実施された[4]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g Streetcar”. UTA. 2024年11月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e History”. UTA. 2024年11月18日閲覧。
  3. ^ a b c d Mike Christensen (2023年7月10日). “Opinion: The relevance of the S-Line”. Builidng Salt Lake. 2024年11月18日閲覧。
  4. ^ a b c Salt Lake City welcomes S-Line”. Railway Gazette (2013年12月9日). 2013年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月18日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g S-Line Turns 10!”. UTA (2023年12月9日). 2024年11月18日閲覧。
  6. ^ 宇都宮浄人; 服部重敬 (2010-12-16). LRT-次世代型路面電車とまちづくり-. 交通ブックス. 成山堂書店. pp. 148. ISBN 978-4425761814 
  7. ^ a b c Mischa Wanek-Libman (2019年4月10日). “UTA completes S-Line double track project”. MASS TRANSIT. 2024年11月18日閲覧。
  8. ^ a b c S-Line Celebrates Fifth Anniversary”. UTA (2018年12月13日). 2024年11月18日閲覧。
  9. ^ S-LINE EXTENSION FACT SHEET”. UTA (April 2024). 2024年11月18日閲覧。
  10. ^ S-Line”. UTA. 2024年11月18日閲覧。

外部リンク

[編集]