Portal:気象と気候/特集
集中豪雨(しゅうちゅうごうう)は、限られた地域に対しての短時間に多量に雨が降ることを言う。気象学的には明確な定義はないが、目安として直径10kmから数十kmの範囲に時間雨量50ミリを超える場合。台風などと異なり予測が困難であり、また地形によって土石流・地すべり・崖崩れなどの土砂災害、洪水などの被害がおきやすい。なお一般に市街地における排水能力は時間雨量50ミリ前後を想定しており、これを超える場合には内水氾濫(堤防で守られた内側にある排水路などが溢れること)になりやすい。
- 原因
集中豪雨の原因のほとんどは前線や収束線(シアーライン)の通過・接近、大気の不安定などにより発達した積乱雲によるものである。発達した積乱雲が成熟期を迎えると下降気流とともに大粒の雨を降らせ、局地的な豪雨をもたらす。
前線の場合、温暖前線・寒冷前線・停滞前線・閉塞前線の区別無く、そこに台風や熱帯低気圧など暖かく湿った空気が流れ込んだ時にはどの前線でも起こりうる(テレビでは「(台風が)前線を刺激する」という)。
収束線は天気図を見た場合、東側に高気圧があって等圧線が南北に立ちしかも南から北に向かって次第に等圧線の間隔が狭まっているような場合に生ずる。このような場合には南からの暖湿気流が収束しながら北上するため、上昇気流が生じて雲が発達しやすく、大雨の原因となる。
また地表面が日射で温まっている時に上空に寒気が流れ込むと上昇気流が発達しやすく、これを「大気が不安定である」と言いやはり積乱雲の発生・発達を促して豪雨となりやすい。さらに湿舌(温かく湿った空気が集まって人間の舌のようになっていること)にあたってしまうと大雨になる要素がいくつも重なってしまうため、新潟・福島豪雨や福井豪雨のように1時間に100mm近い記録的大雨を長時間引き起こすと言われている。……もっと読む
- 参考